EmbarcaderoがDelphiとC++Builder 11.3 CEをリリース、最新Alexandria機能が無償で利用可能に

text: XEXEQ編集部

記事の要約
DelphiとC++Builder 11.3 Community Editionの詳細
Community Editionについて
DelphiとC++Builder 11.3 CEに関する考察
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記事の要約

DelphiとC++Builder 11.3 CEがリリース
最新のAlexandria機能が無償で利用可能
年間売上5,000ドルまで商用利用可能

DelphiとC++Builder 11.3 Community Editionの詳細

EmbarcaderoはDelphiおよびC++BuilderのCommunity Edition (CE)を11.3 Alexandria(28.0.48361.3236)にアップデートした。このバージョンでは、4k以上のモニターに対応する高DPIサポート、VCLスタイルの設計時サポート、複数ウィンドウでの同一フォームのデザインとコード編集など、最新の機能が無償で提供されている。さらに、モバイルプラットフォーム、デスクトップデータベース、ランタイムライブラリの一部ソースコードも含まれているのだ。^[1]

Delphi 11 CEは、iOS、Android、Windows、macOSに対応したネイティブアプリケーションを単一のコードベースから構築できる強力なツールである。堅牢で習得しやすいDelphi言語を採用しているため、学生やホビーユーザーにとって理想的な選択肢となっているのだろう。一方、C++Builder 11 CEは、C++標準ライブラリに加えてDelphi向けの強力なランタイムライブラリも利用可能であり、これらを組み合わせたC++ソフトウェア開発が可能となっている。

Community Editionの使用条件として、年間売上5,000 USドルに達するまで、あるいはチームが5名以上になるまでアプリ開発に使用できる。これは評価目的の製品ではないため、使用条件に合致するか不明な場合は30日無料トライアル版の利用や、Community Edition License FAQの参照が推奨されている。条件を満たさない場合は、無制限の商用ライセンスを持つ製品版へのアップグレードが必要となるだろう。

	Delphi 11 CE	C++Builder 11 CE
主な特徴	単一コードベースでマルチプラットフォーム開発	C++標準ライブラリとDelphiランタイムライブラリの併用
対応プラットフォーム	iOS, Android, Windows, macOS	Windows, macOS
ターゲットユーザー	学生、ホビーユーザー	C++開発者
使用条件	年間売上5,000 USドルまで	年間売上5,000 USドルまで
ソースコード提供	一部のライブラリのソースコード含む	一部のライブラリのソースコード含む

Community Editionについて

Community Editionとは、Embarcaderoが提供する無償版の開発環境のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

Professional Editionと同等の機能を無償で提供
年間売上5,000 USドルまでの商用利用が可能
最新のAlexandria機能を含む豊富な開発ツールを提供

Community Editionは、学生やホビーユーザー、スタートアップ企業など、予算の制限がある開発者に向けて設計された製品である。Professional Editionと同等の機能を持ちながら、一定の条件下で無償利用が可能なため、高度な開発環境を必要とする開発者にとって非常に魅力的な選択肢となっている。ただし、使用条件を超える場合は有償版へのアップグレードが必要となるため、利用の際は条件を十分に確認することが重要だろう。

DelphiとC++Builder 11.3 CEに関する考察

DelphiとC++Builder 11.3 CEのリリースは、プログラミング教育やスタートアップ支援の観点から非常に意義深い。無償で高機能な開発環境を提供することで、より多くの人々がソフトウェア開発に触れる機会を得られるだろう。特に、マルチプラットフォーム開発や最新のUI設計ツールの提供は、モバイルアプリ市場の拡大やUI/UXの重要性が高まる現代のソフトウェア開発トレンドに合致している。

ただし、Community Editionの使用条件が年間売上5,000 USドルまでという制限は、一定の成功を収めたプロジェクトにとっては障壁となる可能性がある。この条件を超えた際のスムーズな移行パスの提供や、段階的な料金体系の導入など、成長するプロジェクトに対するサポート強化が今後の課題となるだろう。また、オープンソースの開発環境との競合も激しくなる中、Embarcaderoがどのように差別化を図っていくかも注目される点である。

今後、Community Editionを通じて育成された開発者たちが、どのような革新的なアプリケーションを生み出していくかが期待される。同時に、Embarcaderoには継続的な機能拡張やコミュニティサポートの強化が求められるだろう。特に、AIやクラウドネイティブ開発など、最新のテクノロジートレンドへの対応が、DelphiとC++Builderの今後の発展に重要な鍵を握ると考えられる。