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公開：2024-09-03

Space QuartersがJAXAと革新的材料接合技術の共同研究開発を開始、月面・軌道上での宇宙建築技術の実現へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• Space QuartersがJAXAと共同研究開発を開始
• 革新的材料接合技術の研究提案が採択
• 月面・軌道上での壁面自走型溶接ロボットを開発

Space QuartersとJAXAの革新的材料接合技術共同研究開発

Space Quartersは2024年9月2日、JAXAの宇宙探査イノベーションハブ第11回研究提案に採択されたことを発表した。大林組とオリガミ・イーティーエスと共同で提案した「月面・軌道上における壁面自走型の電子ビーム溶接ロボットによる金属・レゴリス材料の革新的接合技術」が評価された。2024年度から共同研究開発を開始する予定だ。^[1]

この技術開発の目的は、月や火星などの重力天体での探査活動に資する技術の創出である。現地での材料接合が可能になれば、宇宙空間での構造体の製造や修理の際、完成体モジュールではなく半完成体や構造材料として輸送することが可能になる。これにより、容積効率の良い輸送が実現し、月面基地建設にも大きく貢献するだろう。

Space Quartersは、自動接合ロボット技術および金属・非金属接合技術の開発を目指している。一定以上の接合強度を獲得することが目標だ。この技術は月面探査向けの各種構造体や基地の建築に活用できるだけでなく、将来の軌道上を含む宇宙適用も見据えている。宇宙建築スタートアップとして、宇宙開発全体の加速を目指すSpace Quartersの取り組みに注目が集まっている。

Space Quartersの革新的材料接合技術開発まとめ

Space Quartersの公式サイトはこちら

レゴリスについて

レゴリスとは、月や火星などの天体表面を覆う岩石や鉱物の破片、塵などの総称であり、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 天体表面の風化や隕石衝突によって形成される
• 粒子サイズは微細な塵から岩石まで様々
• 現地資源として利用可能な貴重な材料

Space Quartersが開発を目指す革新的材料接合技術では、このレゴリスを建築材料として活用することを視野に入れている。月面基地建設において、現地で調達可能なレゴリスを有効利用できれば、地球からの資材輸送量を大幅に削減できる。これにより、宇宙開発のコスト削減と効率化が期待できるのだ。

Space Quartersの革新的材料接合技術に関する考察

Space Quartersが開発を目指す革新的材料接合技術は、宇宙開発における大きな課題の一つである資材輸送の効率化に貢献する可能性が高い。特に、現地のレゴリスを建材として利用できる点は、持続可能な宇宙探査活動を実現する上で非常に重要だ。ただし、月面や軌道上という極限環境下での材料接合には、地上とは異なる様々な技術的課題が存在するだろう。

今後の課題として、微小重力や真空環境下での溶接プロセスの最適化、宇宙放射線による材料劣化への対策、遠隔操作による精密な接合作業の実現などが挙げられる。これらの課題に対しては、地上での徹底的な実験と検証、さらには国際宇宙ステーションなどを利用した実証実験が必要になるだろう。Space Quartersには、JAXAや他の共同研究機関との密接な連携のもと、これらの課題を一つずつ克服していくことが期待される。

将来的には、この技術を応用した大規模な宇宙構造物の建設や、月面基地の拡張、さらには火星探査に向けた現地建設技術への発展も期待できる。Space Quartersの取り組みが、日本の宇宙産業の競争力強化につながるとともに、国際的な宇宙探査プロジェクトにおいても重要な役割を果たすことを期待したい。宇宙建築技術の進化が、人類の宇宙進出をより現実的なものにしていくだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「Space QuartersはJAXAと革新的材料接合技術に関する共同研究開発を2024年度から開始しました | 株式会社Space Quartersのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000115275.html, (参照 24-09-03).

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