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公開：2024-09-12

TXP Medicalが「ありがとうサポート」リリース、がん患者向けスマートフォン問診プラットフォームで医療DXを促進

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• TXP Medicalががん患者向け問診プラットフォーム「ありがとうサポート」をリリース
• がん研有明病院監修のもと開発され、全国のがん診療施設へ展開開始
• 患者の体調記録や副作用問診結果を医療機関と連携可能

TXP Medicalのがん患者向けスマートフォン問診プラットフォーム「ありがとうサポート」リリース

TXP Medical株式会社は、がん患者向けのスマートフォン問診プラットフォーム「ありがとうサポート(ありサポ)」を2024年9月10日にリリースした。本サービスは内閣府戦略的イノベーション創造プログラム（SIP）「統合型ヘルスケアシステムの構築」の一環として、がん研有明病院の監修のもと開発された。がん研有明病院では2024年7月1日より試験運用を開始しており、今回のリリースにより全国のがん診療施設への展開が始まったのだ。^[1]

「ありがとうサポート」は、スマートフォンを利用して日々の体調記録や医療機関向けの問診を行うことができるサービスだ。特に抗がん剤治療中の患者が自身の体調を正確に医療従事者に伝えることが難しい場合でも、このサービスを通じて副作用問診の結果をGradeという客観的な評価として医療機関に連携することが可能となっている。これにより、患者と医療従事者間のコミュニケーションが円滑化され、診療の質向上に寄与することが期待されている。

さらに、患者自身も他の患者の問診結果の統計値と比較することで、自身の体調をより客観的に評価できるようになる。本サービスはWebブラウザ上で使用可能なため、アプリのインストールや更新が不要であり、アプリアイコンをホーム画面に配置することでシステムからの通知も受け取れる仕様となっている。TXP Medicalは、がんと診断された際に真っ先に利用されるサービスを目指すとしている。

「ありがとうサポート」の主な特徴まとめ

ありがとうサポートの詳細はこちら

戦略的イノベーション創造プログラム（SIP）について

戦略的イノベーション創造プログラム（SIP）とは、内閣府が主導する科学技術イノベーション創造のためのプログラムのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 社会的課題の解決と経済成長の両立を目指す
• 府省・分野の枠を超えた横断的な取り組み
• 基礎研究から実用化・事業化までを見据えた一気通貫の研究開発

「ありがとうサポート」が開発された「統合型ヘルスケアシステムの構築」は、SIP第3期の課題の一つだ。この課題では、医療デジタルツインの実装により、医療・ヘルスケア分野における「知識発見」と「医療提供」の循環を自律的に促進することを目指している。これにより、医療の質向上、健康寿命延伸、医療産業振興、持続可能な医療制度の実現に貢献することが期待されている。

「ありがとうサポート」に関する考察

「ありがとうサポート」の導入により、がん患者と医療従事者間のコミュニケーションが大幅に改善される可能性が高い。特に抗がん剤治療中の副作用の詳細な把握が可能となることで、より適切な治療計画の立案や迅速な対応につながるだろう。また、患者自身が他の患者データと比較できる機能は、自己管理意識の向上や不安の軽減にも寄与する可能性がある。

一方で、今後の課題としてはデータセキュリティの確保や高齢者などデジタル機器に不慣れな患者への対応が挙げられる。これらの問題に対しては、厳格なセキュリティ対策の実施や、使い方講習会の開催、紙ベースの記録との併用などの解決策が考えられるだろう。また、医療機関側のシステム導入コストや運用負担の軽減も重要な課題となる可能性がある。

今後の展開としては、AIを活用した症状予測機能の追加や、他の慢性疾患への応用が期待される。さらに、蓄積されたデータを活用した新たな医学的知見の創出や、個別化医療の実現にも貢献する可能性がある。「ありがとうサポート」を起点として、患者中心の医療サービスの在り方が大きく変革されることを期待したい。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「TXP Medical、がん患者向けスマートフォン患者問診プラットフォームをリリース | TXP Medical株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000095.000031630.html, (参照 24-09-12).

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