MSISDN(Mobile Subscriber ISDN Number)とは？意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部

MSISDN(Mobile Subscriber ISDN Number)とは

MSISDNとは、Mobile Subscriber ISDN Numberの略称で、携帯電話の加入者番号を指します。この番号は、各携帯電話端末に割り当てられた固有の番号で、電話番号としての役割を果たしています。

MSISDNは、国際的な電気通信の標準化機関であるITU-Tにより定義されています。ITU-Tの勧告E.164で、MSISDNの構成が規定されており、国際電話番号の一部として扱われています。

MSISDNは、国番号、事業者識別番号、加入者番号の3つの部分で構成されます。例えば、日本の携帯電話番号の場合、国番号は81、事業者識別番号は70～90の番号が割り当てられています。加入者番号は、事業者ごとに割り当てられる番号です。

携帯電話サービスを利用する際、MSISDNは重要な役割を果たします。この番号は、携帯電話ネットワーク内での加入者の識別に使用され、音声通話やSMS、データ通信などのサービスを提供する際に必要となるのです。

また、MSISDNは、携帯電話の SIMカードに記録されています。SIMカードを携帯電話端末に挿入することで、その端末がMSISDNに紐づけられ、通信サービスを利用できるようになります。

MSISDNの構成要素と役割

MSISDNの構成要素と役割について、以下3つを簡単に解説していきます。

MSISDNを構成する3つの要素
MSISDNと電話番号の関係性
MSISDNとSIMカードの関係性

MSISDNを構成する3つの要素

MSISDNは、国番号、事業者識別番号、加入者番号の3つの要素で構成されています。国番号は、その番号が属する国を示す番号で、日本の場合は81が割り当てられています。事業者識別番号は、携帯電話サービスを提供する事業者を識別する番号です。

加入者番号は、事業者ごとに割り当てられる番号で、利用者を識別するために使用されます。この3つの要素を組み合わせることで、世界中のどの携帯電話ネットワークでも一意に識別できる番号となっているのです。

MSISDNと電話番号の関係性

MSISDNは、携帯電話の電話番号としての役割を果たしています。利用者が携帯電話で通話をする際、相手先の電話番号を入力しますが、その番号がMSISDNなのです。つまり、MSISDNは、携帯電話の電話番号そのものであると言えます。

固定電話の番号とは異なり、MSISDNは国際的な番号体系に基づいて割り当てられています。これにより、国をまたいだ通話も可能となっており、グローバルな通信を実現しているのです。

MSISDNとSIMカードの関係性

MSISDNは、SIMカードに記録されている重要な情報の1つです。SIMカードは、携帯電話のネットワークへの接続に必要な情報を記録したICカードで、MSISDNの他にも、ネットワーク認証に必要な情報などが記録されています。

SIMカードを携帯電話に挿入することで、その端末がMSISDNに紐づけられ、通信サービスを利用できるようになります。つまり、MSISDNとSIMカードは密接に関係しており、SIMカードが無ければMSISDNも機能しないのです。

MSISDNの利用シーンと注意点

MSISDNの利用シーンと注意点について、以下3つを簡単に解説していきます。

音声通話とSMSにおけるMSISDNの利用
データ通信におけるMSISDNの利用
MSISDNの管理における注意点

音声通話とSMSにおけるMSISDNの利用

音声通話を発信する際、相手先の電話番号としてMSISDNを入力します。携帯電話ネットワークは、そのMSISDNを基に、通話相手の端末を特定し、通話を接続します。着信する際も、相手先のMSISDNが表示されるため、誰からの電話かを識別できるのです。

SMSの送信においても、宛先としてMSISDNを指定します。SMSセンターは、そのMSISDNを基に、宛先の端末を特定し、メッセージを配信する仕組みになっています。

データ通信におけるMSISDNの利用

データ通信を行う際、携帯電話端末はMSISDNを使ってネットワークに接続します。ネットワークは、MSISDNを基に利用者を識別し、認証を行います。認証が完了すると、インターネットへの接続が可能となり、データ通信を行えるようになるのです。

また、MSISDNは、課金の際にも使用されます。データ通信の利用量や通信時間に応じて、MSISDNに紐づけられた契約に基づいて課金が行われるのです。

MSISDNの管理における注意点

MSISDNは、個人情報の1つとして扱われるため、その管理には注意が必要です。特に、他人にMSISDNを知られると、なりすましや不正利用のリスクがあります。そのため、MSISDNを公開する際は、十分な注意が必要となります。

また、MSISDNが変更になる場合、例えば携帯電話番号のポータビリティを利用して他社に乗り換える際などは、関連するサービスの設定変更が必要になります。単にSIMカードを変更するだけでは、一部のサービスが利用できなくなる恐れがあるのです。

MSISDNの将来展望とセキュリティ

MSISDNの将来展望とセキュリティについて、以下3つを簡単に解説していきます。

IoTとMSISDNの関係性
MSISDNを活用した新たなサービス
MSISDNのセキュリティ強化の必要性

IoTとMSISDNの関係性

IoT(Internet of Things)の普及に伴い、様々なデバイスがインターネットに接続されるようになっています。その際、デバイスの識別番号としてMSISDNが使用されるケースが増えています。例えば、自動車に組み込まれた通信モジュールがMSISDNを持ち、車両の位置情報や故障情報などをクラウドに送信する、といった使い方です。

今後、IoTのさらなる普及により、MSISDNを持つデバイスが増加することが予想されます。そうなると、MSISDNの管理がより重要になってくるでしょう。