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MBR(Master Boot Record)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部


MBR(Master Boot Record)とは

MBRとはMaster Boot Recordの略称で、ハードディスクの先頭セクターに存在する特別な領域のことを指します。MBRは、オペレーティングシステム(OS)を起動するために必要不可欠な情報が格納されている重要な部分です。

MBRは、ハードディスクの最初の512バイトに位置しており、そのうちの446バイトがブートローダーと呼ばれるプログラムに割り当てられています。ブートローダーは、OSを起動するために必要な初期化処理を行い、OSのカーネルをメモリにロードする役割を担っています。

MBRには、パーティションテーブルと呼ばれる情報も含まれています。パーティションテーブルは、ハードディスクをいくつかの論理的な領域(パーティション)に分割するための情報を保持しています。各パーティションには、ファイルシステムが割り当てられ、OSやデータが格納されます。

MBRは、ハードディスクの容量が2TBまでの制限があります。この制限を超えるハードディスクを使用する場合は、GPT(GUID Partition Table)と呼ばれる新しいパーティション方式を使用する必要があります。GPTは、MBRの制限を解消し、より大容量のハードディスクに対応しています。

MBRが破損したり、ウイルスに感染したりすると、OSが起動しなくなる可能性があります。そのため、MBRのバックアップを取ったり、ウイルス対策ソフトでMBRを保護したりすることが重要です。MBRに問題が発生した場合は、専門的な知識を持つ技術者による修復が必要になることがあります。

MBRの構造と役割

MBRの構造と役割に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • MBRの構成要素とそれぞれの役割
  • MBRとブートプロセスの関係
  • MBRとパーティションテーブルの関連性

MBRの構成要素とそれぞれの役割

MBRは、主に3つの構成要素から成り立っています。1つ目は、ブートローダーと呼ばれるプログラムです。ブートローダーは、OSを起動するために必要な初期化処理を行い、OSのカーネルをメモリにロードする役割を担っています。

2つ目は、パーティションテーブルです。パーティションテーブルは、ハードディスクをいくつかの論理的な領域に分割するための情報を保持しています。各パーティションには、ファイルシステムが割り当てられ、OSやデータが格納されます。

3つ目は、シグネチャと呼ばれる特別な値です。シグネチャは、MBRの最後の2バイトに格納され、MBRが有効であることを示すために使用されます。シグネチャの値は、通常「55AA」に設定されています。

MBRとブートプロセスの関係

MBRは、コンピュータの起動時に重要な役割を果たします。電源を入れると、BIOSがMBRを読み込み、ブートローダーを実行します。ブートローダーは、MBRに格納されているパーティションテーブルを参照し、起動可能なパーティションを特定します。

起動可能なパーティションが見つかると、ブートローダーはそのパーティションのブートセクタを読み込み、OSのカーネルをメモリにロードします。その後、カーネルが初期化処理を行い、OSが起動します。つまり、MBRはOSを起動するための重要な情報を提供しているのです。

MBRが破損していたり、ウイルスに感染していたりすると、ブートローダーが正常に機能せず、OSが起動しなくなる可能性があります。そのため、MBRの整合性を維持することがコンピュータの安定動作に不可欠なのです。

MBRとパーティションテーブルの関連性

MBRには、パーティションテーブルと呼ばれる重要な情報が含まれています。パーティションテーブルは、ハードディスクをいくつかの論理的な領域に分割するための情報を保持しており、各パーティションの開始位置やサイズ、種類などが記録されています。

パーティションテーブルは、最大4つのパーティションを定義できます。これらのパーティションは、プライマリパーティションとエクステンデッドパーティションに分類されます。プライマリパーティションは、直接OSをインストールできる領域であり、エクステンデッドパーティションは、さらに複数の論理パーティションに分割できる領域です。

MBRのパーティションテーブルが破損すると、OSがパーティションを認識できなくなり、データへのアクセスが困難になります。そのため、パーティションテーブルのバックアップを取ったり、定期的にディスクの健全性をチェックしたりすることが重要です。

MBRの制限と代替手段

MBRの制限と代替手段に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • MBRの2TB制限とその理由
  • GPTによるMBRの制限の解消
  • MBRからGPTへの移行方法

MBRの2TB制限とその理由

MBRには、ハードディスクの容量が2TBまでという制限があります。この制限は、MBRのパーティションテーブルが使用する32ビットのアドレッシング方式に起因しています。32ビットでは、最大で2^32個のセクターしか扱えないため、セクターサイズが512バイトの場合、2TBまでしか対応できないのです。

近年、ハードディスクの容量は飛躍的に増大しており、2TBを超える大容量のディスクが一般的になってきました。そのため、MBRの2TB制限は、現代のストレージ需要に対応しきれなくなっています。この制限を解消するために、新しいパーティション方式であるGPTが開発されました。

GPTは、64ビットのアドレッシング方式を採用しており、理論上は最大で2^64個のセクターを扱うことができます。これにより、GPTは、事実上無制限のディスク容量に対応できるようになりました。

GPTによるMBRの制限の解消

GPTは、MBRの2TB制限を解消するために開発された新しいパーティション方式です。GPTは、MBRとは異なる構造を持ち、より柔軟で信頼性の高いディスク管理を可能にします。

GPTでは、ディスクの先頭に GPT ヘッダーと呼ばれる特別な領域が配置されます。GPT ヘッダーには、パーティションテーブルのバックアップや CRC(巡回冗長検査)の情報が格納されており、データの整合性を確保します。また、GPTのパーティションテーブルは、MBRとは異なり、ディスクの複数の場所に分散して配置されるため、一部が破損しても他の部分でリカバリできる可能性があります。

GPTは、最大128個のプライマリパーティションを作成できます。これにより、MBRの4つのプライマリパーティションという制限も解消されます。さらに、GPTは、各パーティションにGUID(グローバル一意識別子)を割り当てるため、パーティションの識別が容易になります。

MBRからGPTへの移行方法

MBRからGPTへの移行は、慎重に行う必要があります。移行には、データのバックアップと、互換性のあるOSやソフトウェアが必要です。以下に、一般的な移行手順を示します。

まず、ディスク上のすべてのデータをバックアップします。移行作業中にデータが失われる可能性があるため、バックアップは必須です。次に、ディスクをGPT形式に変換します。この作業は、Windows の「ディスクの管理」やサードパーティ製のパーティション管理ソフトを使用して行うことができます。

変換が完了したら、OSを再インストールします。GPTへの移行後は、MBRでインストールされたOSは起動しなくなるため、クリーンインストールが必要です。OSのインストール後、バックアップしたデータを復元し、必要なソフトウェアをインストールします。これで、GPTへの移行が完了です。

MBRのトラブルシューティングと保護

MBRのトラブルシューティングと保護に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • MBRが破損した際の症状と対処法
  • MBRのバックアップと復元方法
  • MBRのウイルス感染の予防と対策

MBRが破損した際の症状と対処法

MBRが破損すると、コンピュータが起動しなくなったり、エラーメッセージが表示されたりするなど、さまざまな症状が現れます。具体的には、「Operating System not found」や「Invalid partition table」などのエラーメッセージが表示されることがあります。

MBRが破損した場合の対処法は、状況に応じて異なります。軽度の破損であれば、Windowsの修復ツールを使用して復旧できる可能性があります。Windowsのインストールメディアから起動し、「スタートアップ修復」や「コマンドプロンプト」を使用して、MBRを修復します。

ただし、深刻な破損の場合は、専門的な知識を持つ技術者による修復が必要になることがあります。その際は、データのバックアップを取ったうえで、MBRの再構築やOSの再インストールを行う必要があります。

MBRのバックアップと復元方法

MBRのバックアップは、トラブルに備えて定期的に行うことが推奨されます。Windowsの「ディスクの管理」や、サードパーティ製のバックアップソフトを使用して、MBRを含むディスク全体のイメージバックアップを作成できます。

バックアップを作成する際は、ディスクの健全性を確認し、エラーがないことを確認します。バックアップは、外付けハードディスクやクラウドストレージなど、安全な場所に保存しておきます。

MBRを復元する必要がある場合は、バックアップしたイメージファイルを使用します。復元作業は、Windowsの「回復ドライブ」や、バックアップソフトの復元機能を使用して行います。復元前に、現在のディスクのデータをバックアップしておくことが重要です。

MBRのウイルス感染の予防と対策

MBRは、ウイルスの格好の標的になることがあります。MBRに感染したウイルスは、コンピュータの起動を妨害したり、データを破壊したりする可能性があります。MBRのウイルス感染を予防するためには、信頼できるウイルス対策ソフトを使用し、定期的にスキャンを行うことが重要です。

また、不審なWebサイトや添付ファイルを開かないことも、ウイルス感染を防ぐ効果的な方法です。ソフトウェアやオペレーティングシステムを最新の状態に保ち、セキュリティパッチを適用することも重要です。

MBRがウイルスに感染してしまった場合は、ウイルス対策ソフトを使用して駆除を試みます。駆除できない場合は、前述のバックアップからMBRを復元するか、専門家に相談する必要があります。感染したMBRをそのままにしておくと、システムに深刻なダメージを与える可能性があるため、速やかな対応が求められます。

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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