GoogleがiOS向けWorkspaceアプリのデータ共有設定を強化、個人と企業アカウント間のセキュリティ向上へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

iOSデバイスのデータ共有設定が強化
個人と企業アカウント間のデータ共有を制御
管理者による詳細な設定が可能に

GoogleがiOSデバイスのWorkspaceアプリデータ共有設定を強化

Googleは2024年9月19日、iOSデバイスにおけるGoogle Workspaceアプリのデータ共有設定を強化する新機能をリリースした。この機能により、管理者は個人のWorkspaceアカウントでのコンテンツ共有を許可しつつ、企業のWorkspaceアカウントからのデータ共有を防ぐことが可能になった。個人と企業のアカウント間でのデータ保護が強化されることで、セキュリティリスクの軽減が期待される。^[1]

さらに、管理者は未知のソース（主にGoogle Workspace以外のアプリ）から個人のWorkspaceアカウントへのデータ共有を制限する設定も可能になった。この設定はGmail、Drive、Docs、Sheets、Chatなど主要なWorkspaceアプリに適用され、iOSの共有シート上のすべての非Google Workspaceアプリからの業務データ送信をブロックすることができる。

これらの新機能は、Enterprise StandardおよびPlus、Education StandardおよびPlus、Enterprise Essentials Plus、Frontline Standard、Cloud Identity Premiumの各エディションで利用可能となっている。管理者は管理コンソールのDevices > Mobile and endpoints > iOS settingsセクションから、OUレベルでこれらの設定を構成することができる。

iOS向けWorkspaceアプリのデータ共有設定強化機能まとめ

機能	詳細
アカウントレベルのデータ共有制御	個人アカウントの共有許可と企業アカウントの共有制限が可能
未知のソースからのデータ共有制限	非Google Workspaceアプリからの個人アカウントへのデータ共有を制限
適用範囲	Gmail、Drive、Docs、Sheets、Chat等の主要Workspaceアプリ
設定方法	管理コンソールのiOS設定セクションからOUレベルで構成
対象エディション	Enterprise、Education、Frontline、Cloud Identity Premiumの各プラン

データ共有設定について

データ共有設定とは、アプリケーションやデバイス間でのデータの転送や共有を管理・制御する機能のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

ユーザーや管理者がデータの共有範囲を指定可能
個人情報や機密情報の保護に貢献
組織のセキュリティポリシーに応じたカスタマイズが可能

今回のGoogle Workspaceの新機能では、iOSデバイス上での個人アカウントと企業アカウント間のデータ共有を細かく制御できるようになった。これにより、企業の機密情報が意図せず個人アカウントに流出するリスクを軽減しつつ、ユーザーの利便性を維持することが可能になる。管理者は各組織のセキュリティ要件に応じて、柔軟にデータ共有設定を構成できるようになった。

iOSデバイスのWorkspaceアプリデータ共有設定強化に関する考察

Googleによる今回のiOSデバイス向けWorkspaceアプリのデータ共有設定強化は、企業のデータ保護とユーザーの利便性のバランスを取る上で重要な一歩だと言える。個人アカウントと企業アカウントの分離管理が可能になったことで、セキュリティリスクを軽減しつつ、従業員の柔軟な働き方を支援することができるようになった。この機能は特に、リモートワークやBYOD（個人所有デバイスの業務利用）が一般化する中で、その重要性を増していくだろう。

一方で、この新機能の導入に伴い、ユーザーの混乱や生産性の低下といった問題が発生する可能性もある。例えば、これまで自由にデータを共有していたユーザーが、突然制限を受けることで業務に支障をきたす可能性がある。また、管理者側も複雑化した設定を適切に構成し、維持管理していく必要があり、その負担は無視できないものになるかもしれない。

今後、Googleには更なる機能の拡充と、ユーザーエクスペリエンスの向上が求められるだろう。例えば、AIを活用した自動設定推奨機能や、ユーザーへの分かりやすい通知機能などが有効かもしれない。また、他のプラットフォームやデバイスにも同様の機能を展開し、一貫したデータ保護ポリシーを適用できるようにすることも重要だ。企業のデジタルトランスフォーメーションが進む中、セキュリティと利便性の両立は今後も重要な課題であり続けるだろう。

参考サイト

^ Google Workspace. 「 Google Workspace Updates: Additional iOS data exfiltration enhancement: account level data sharing between Google Workspace apps and non-Google Workspace apps on or off 」. https://workspaceupdates.googleblog.com/2024/09/additional-ios-data-exfiltration-enhancements.html, (参照 24-09-22).
Google. https://blog.google/intl/ja-jp/

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