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公開：2024-10-04

ABEJAが戦略的イノベーション創造プログラムに参画、日本語版医療LLMの開発と臨床現場での実装検証を実施へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• ABEJAがNCGMの戦略的イノベーション創造プログラムに参画
• 日本語版医療LLMの開発と臨床現場での実装検証を実施
• さくらインターネットと協力し、LLMシステムの開発を担当

ABEJAの戦略的イノベーション創造プログラム参画と日本語版医療LLM開発

株式会社ABEJAは、国立研究開発法人 国立国際医療研究センター（NCGM）が公募した戦略的イノベーション創造プログラム（第3期）「統合型ヘルスケアシステムの構築における生成AIの活用」に共同研究開発機関として参画することを2024年10月2日に発表した。本プロジェクトでは、日本語版医療LLM（Large Language Model）の開発と臨床現場における社会実装検証を行う。^[1]

ABEJAは、さくらインターネット株式会社の組織内研究所であるさくらインターネット研究所と協力し、さくらインターネットが提供する生成AI向けクラウドサービスを用いて研究開発を進める。具体的には、各ユースケースに合わせたシステムアプリケーションの共通基盤を提供し、日本語版医療LLMの追加学習の開発を担当する。

本プロジェクトの研究開発テーマは「医療LLM基盤の研究開発・実装」であり、研究開発課題名は「日本語版医療LLMの開発ならびに臨床現場における社会実装検証」となっている。研究開発期間は令和６年度研究開始から令和６年度末までを予定している。ABEJAは、今後、参画各社と連携し、医療LLMの社会実装に貢献していく方針だ。

戦略的イノベーション創造プログラム参画の概要

LLMについて

LLMとは、「Large Language Model」の略称で、大規模言語モデルのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 膨大なテキストデータから学習した高度な言語理解・生成能力
• 自然言語処理タスクにおける高い汎用性と性能
• 様々な応用分野での活用可能性（翻訳、要約、質問応答など）

医療分野におけるLLMの活用は、診断支援や医療文献の解析、患者とのコミュニケーション支援など、幅広い可能性を秘めている。ABEJAが参画する本プロジェクトでは、日本語版医療LLMの開発を通じて、日本の医療現場特有のニーズや言語的特性に対応した高度な言語モデルの構築を目指している。

日本語版医療LLM開発に関する考察

日本語版医療LLMの開発は、日本の医療現場におけるAI活用の重要なマイルストーンとなる可能性が高い。特に、日本語特有の医療用語や表現に対応したモデルの構築は、診断支援や医療文書作成の効率化につながるだろう。しかし、医療情報の機密性や個人情報保護の観点から、データの取り扱いには細心の注意が必要となる。

今後の課題として、医療LLMの精度向上と同時に、臨床現場での実用性の検証が重要になる。医師や看護師などの医療従事者との協力体制を構築し、実際の使用感やフィードバックを迅速に開発プロセスに反映させる仕組みづくりが求められる。また、医療LLMの判断根拠の透明性確保や、誤診のリスク軽減のための安全機構の実装も不可欠だろう。

将来的には、日本語版医療LLMを基盤とした、より高度な医療AIシステムの開発が期待される。例えば、電子カルテシステムとの連携による診療支援や、医学論文の自動要約・翻訳機能など、医療現場の効率化と質の向上に貢献する機能の実装が考えられる。ABEJAには、この革新的なプロジェクトを通じて、日本の医療DXを加速させる役割が期待されている。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「ABEJA、NCGMが公募した 戦略的イノベーション創造プログラム（第3期）「統合型ヘルスケアシステムの構築における生成AIの活用」に共同研究開発機関として参画 | 株式会社ABEJAのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000164.000010628.html, (参照 24-10-04).

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