ispaceとUELが月面探査ミッション実現に向けた覚書を締結、ローバー技術の実証と国際協力を推進

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

ispaceとUELが月面探査ミッションで提携
UELの探査車をispaceのランダーで輸送予定
月面技術実証と国際協力の推進を目指す

ispaceとUELの月面探査ミッション提携

株式会社ispaceは、韓国の宇宙ロボティックス企業Unmanned Exploration Laboratory（UEL）との間で、月面におけるローバーを用いた探査ミッションの実現に向けた覚書に調印したことを2024年10月15日に発表した。この提携により、UELの宇宙ロボティックス技術を実証するため、将来の月面ミッションにおいてUELの開発する探査車をispaceのランダーで輸送することが想定されている。^[1]

ispaceは日本・米国・欧州の3法人で構成されるグローバル企業として、地球と月の間にシスルナ経済圏の構築を目指している。最速2024年12月に日本法人主導のミッション2、2026年に米国法人主導のミッション3、さらに2027年には日本で開発中のシリーズ3ランダーを用いたミッション6を予定している。

UELは韓国唯一の宇宙ロボティクス専門企業であり、月面探査ローバーの開発に取り組んでいる。自社生産の人工月面レゴリス（KOHLS-1）を活用し、月面環境の課題に積極的に取り組んでおり、韓国航空宇宙研究所（KARI）の主要パートナーとして韓国の宇宙産業、特に宇宙ロボティクス分野をリードすることを約束している。

ispaceとUELの月面探査ミッション提携の概要

	ispace	UEL
主な役割	月面輸送サービス提供	月面探査ローバー開発
本社所在地	日本（東京）	韓国（大田）
主要ミッション	シスルナ経済圏構築	宇宙ロボティクス技術実証
今後の予定	ミッション2（2024年）、ミッション3（2026年）、ミッション6（2027年）	ispaceのランダーを利用した月面探査
特徴	グローバル企業（日・米・欧の3法人）	韓国唯一の宇宙ロボティクス専門企業

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シスルナ経済圏について

シスルナ経済圏とは、地球と月の間の空間における経済活動の領域を指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

地球と月の間の空間資源の活用
民間企業による宇宙ビジネスの展開
持続可能な宇宙開発の推進

ispaceが目指すシスルナ経済圏の構築は、月面資源開発を含む宇宙ビジネスの新たな領域を開拓する取り組みである。このビジョンの実現に向け、ispaceは月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型ランダーと月探査用ローバーを開発している。UELとの提携は、この構想を具体化する重要な一歩となるだろう。

ispaceとUELの月面探査ミッション提携に関する考察

ispaceとUELの提携は、国際的な宇宙開発協力の新たなモデルケースとなる可能性がある。両社の技術と知見を組み合わせることで、月面探査技術の飛躍的な進歩が期待できるだろう。しかし、国際プロジェクトならではの調整やコミュニケーションの課題、技術の互換性の確保など、乗り越えるべき障壁も存在する。

この提携がもたらす可能性として、月面での持続可能な経済活動の基盤構築が挙げられる。ispaceのランダー技術とUELのローバー技術の融合は、月面での資源探査や環境調査を効率化し、将来的な月面基地建設や資源利用の実現に大きく貢献するだろう。一方で、宇宙デブリの増加や月面環境への影響など、環境面での懸念にも適切に対処していく必要がある。

今後、この提携を通じて得られる技術やノウハウが、地球上の課題解決にも応用されることが期待される。例えば、極限環境下での自律型ロボット技術は、災害救助や深海探査などの分野にも活用できる可能性がある。ispaceとUELには、宇宙開発の成果を広く社会に還元し、人類の持続可能な発展に寄与することが求められるだろう。

参考サイト

^ PR TIMES. 「ispace、月面探査車を活用するミッション実施を目指し、韓国の宇宙ロボティックス企業UELとの覚書を締結 | 株式会社ispaceのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000140640.html, (参照 24-10-18).

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