不二サッシが瞬時損傷判定技術の実証実験を開始、LED光センサアラートシステムを活用し建物の安全性評価を迅速化

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

不二サッシが瞬時損傷判定技術の実証実験を開始
愛知県豊橋市立磯辺小学校で実験を実施
LED光センサアラートシステムを活用

不二サッシによる瞬時損傷判定技術の実証実験開始

不二サッシ株式会社は2024年10月15日、愛知県豊橋市、防災科学技術研究所、東京大学、名古屋大学、文化シヤッターと共同で、実建物を対象とする瞬時損傷判定技術の実証実験を開始したことを発表した。この実験は愛知県豊橋市立磯辺小学校の協力を得て行われ、将来の地震に備えた建物全体の機能維持を目的としている。^[1]

実験では、建物の構造だけでなく非構造部材や設備機器を含めた建物全体の機能維持状況を瞬時に判断するシステムの開発が進められる。特に注目すべきは、AIを活用した画像データからの被害判定技術と、建物に内蔵されたセンサが変形度合いを検知し損傷度合いを光で知らせるLED光センサアラートシステムの検証だ。

不二サッシは光センサアラートシステムの設計・製作・施工を担当し、実用化に向けた検証に参画している。この実験を通じて、災害時の避難所として使用される小学校を対象に、自治体と協力して社会のニーズに合ったシステムの開発を進めていく方針だ。実験期間は2024年10月12日から2027年3月末までを予定している。

瞬時損傷判定技術の実証実験の概要

項目	詳細
実験場所	愛知県豊橋市立磯辺小学校
実験期間	2024年10月12日～2027年3月末（予定）
主な技術	LED光センサアラートシステム、AI画像解析
目的	建物全体の機能維持状況の瞬時判断
参加企業・機関	不二サッシ、豊橋市、防災科研、東京大学、名古屋大学、文化シヤッター

LED光センサアラートシステムについて

LED光センサアラートシステムとは、建物に内蔵されたセンサが建物の変形度合いを検知し、損傷度合いを光で知らせるシステムのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

建物の変形度合いをリアルタイムで検知
損傷度合いをLED光で可視化
地震直後の建物安全性判断を迅速化

このシステムは2023年2月に実施された「10層鉄骨造オフィス試験体による建物の動的特性評価実験」でも検証されており、その有用性が確認されている。今回の実証実験では、実際の学校建築に適用することで、より実践的な環境下でのシステムの性能評価と改良が行われる。これにより、災害時の避難所としての建物の安全性をより迅速かつ正確に判断できるようになることが期待されている。

瞬時損傷判定技術の実証実験に関する考察

不二サッシによる瞬時損傷判定技術の実証実験は、地震大国日本における防災・減災対策の革新的な一歩となる可能性を秘めている。LED光センサアラートシステムと AI 画像解析技術の組み合わせは、地震直後の建物安全性評価を大幅に迅速化し、避難所の開設判断や二次災害の防止に貢献するだろう。一方で、システムの信頼性確保や誤判定のリスク管理が今後の課題となる可能性がある。

実験期間中に想定される問題として、センサーの経年劣化や誤作動、AI画像解析の精度向上などが挙げられる。これらの課題に対しては、定期的なシステムの点検・校正や、AI学習データの継続的な更新、さらには人間の専門家による判断とAIシステムの併用などの解決策が考えられる。また、将来的には気象データや地盤情報との連携機能の追加や、VR/ARを活用した損傷状況の可視化など、より高度な機能の実装が期待される。

今後、この実証実験の成果が広く共有され、他の自治体や民間企業にも展開されることで、日本全体の防災力向上につながることを期待したい。さらに、この技術が国際的にも注目され、地震多発国を中心に世界中で活用されることで、グローバルな防災・減災に貢献する可能性も秘めている。不二サッシをはじめとする参加企業・機関には、この先進的な取り組みを通じて、安全・安心な社会の実現に向けたさらなる技術革新を期待したい。