CTBE社が再生型人工靭帯の米国展開加速、R Accelerator Programに採択され戦略策定へ

text: XEXEQ編集部

CTBE社が再生型人工靭帯の米国展開加速、R Accelerator Programに採択され戦略策定へ

PR TIMES より


記事の要約

  • CTBE社がR Accelerator Programに採択
  • 再生型人工靭帯の米国事業化を加速
  • MCAとFogarty Innovationが支援

CTBE社の再生型人工靭帯開発と米国進出支援

CoreTissue BioEngineering株式会社(CTBE社)は、北米三菱商事(MCA)によるアクセラレータープログラム「R Accelerator Program」に採択された。CTBE社は、MCAシリコンバレー支店とFogarty Innovationのインキュベーションセンターを拠点とし、膝前十字靭帯再建用の再生型人工靭帯の米国での事業戦略、薬事戦略、保険償還戦略を策定する。[1]

膝前十字靭帯再建術を受ける患者は世界で年間80万人以上と推定され、日本では年間約2万人、米国では年間約20万人が手術を受けている。CTBE社は、早稲田大学から開発された脱細胞化技術と凍結乾燥・滅菌技術を応用し、再生型人工靭帯の製品化を世界に先駆けて進めている。

R Accelerator Programは、約6か月間、MCAとFogarty Innovationが伴走支援を行うプログラムだ。CTBE社は、シリコンバレーの医療機器エコシステムを活用し、米国市場への参入準備を進めている。このプログラムを通じて、CTBE社の革新的な技術が米国市場で展開される可能性が高まっている。

CTBE社 R Accelerator Program 再生型人工靭帯
特徴 早稲田大学発スタートアップ MCAによる米国進出支援 脱細胞化技術を応用
目的 米国での事業化 日本発スタートアップ支援 膝前十字靭帯再建
支援内容 戦略策定支援 6ヶ月間の伴走支援 製品化支援
提携先 MCA、Fogarty Innovation シリコンバレー企業 医療機関
市場規模 世界80万人以上/年 - 米国20万人/年

脱細胞化組織について

脱細胞化組織とは、動物組織から拒絶反応を引き起こす可能性のある細胞成分を除去し、体内に移植するとそれを足場として自己の組織を再生させる組織のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 拒絶反応のリスクを低減
  • 自己組織再生の足場として機能
  • 生体適合性が高い

CTBE社が開発中の再生型人工靭帯は、この脱細胞化組織技術を応用している。早稲田大学で開発された厚い組織でも脱細胞化が可能な技術と、強度が保持され再水和が容易に行える凍結乾燥・滅菌技術を組み合わせることで、従来の人工靭帯よりも生体適合性が高く、長期的な機能維持が期待できる製品の開発を目指しているのだ。

CTBE社の米国進出に関する考察

CTBE社の米国進出は、再生医療技術の国際展開における重要な一歩となるだろう。しかし、FDA承認取得や保険償還の交渉など、規制面での課題が予想される。特に、脱細胞化組織を用いた新規デバイスの安全性と有効性を証明するためのデータ収集や、長期的な追跡調査の実施が求められる可能性が高い。

今後、CTBE社には臨床試験データの蓄積や、米国の整形外科医との連携強化が期待される。さらに、脱細胞化技術を応用した他の組織再生デバイスへの展開も視野に入れるべきだろう。例えば、靭帯以外の軟組織再建や、軟骨再生などへの応用可能性を探ることで、製品ラインナップの拡大と市場シェアの拡大が見込めるのではないか。

R Accelerator Programを通じた支援は、CTBE社の米国市場戦略構築に大きく寄与するはずだ。特に、シリコンバレーの医療機器エコシステムへのアクセスは、投資家や提携先の獲得、現地人材の採用などに有利に働くだろう。日本発の再生医療技術が、グローバル市場で競争力を持つ製品として確立されることを期待したい。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「CTBE社、北米三菱商事・Fogarty Innovationによるアクセラレータープログラム 「R Accelerator Program」に採択 | CoreTissue BioEngineering株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000090723.html, (参照 24-07-30).

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