ビーマップが長距離無線通信活用のFAソリューション検討会を設置、製造業DXの加速に期待

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

長距離無線通信活用の製造業向けFAソリューション検討会発足
シスコ、華為技術、元キリンHD役員らが参画
9月17日に製造業向けセミナーを開催予定

ビーマップが長距離無線通信活用のFAソリューション検討会を設置

株式会社ビーマップは、シスコシステムズ合同会社、華為技術日本株式会社、元キリンホールディングス株式会社取締役常務執行役員の小林憲明氏と共に、「長距離無線通信を活用した製造業向けFAソリューション実現」に関する検討会を2024年8月26日に設置したことを発表した。本検討会は、一般社団法人無線LANビジネス推進連絡会の協力のもと、各社の立場から意見を交換し、現状を学び合い、課題に取り組むことを目的としている。^[1]

検討会発足の背景には、日本の無線出力規制の厳しさがある。海外の先進国と比べてIoT導入に遅れをとっている日本において、中国やアメリカなど無線出力が強い国々の製造業における無線技術活用の先進的な取り組みを学び、日本の課題を検討する必要性が高まっているのだ。製造現場では、ネットワークのダウンタイムが生産ラインの停止や製品品質低下につながるため、高い信頼性と安定性が求められている。

本検討会では、長距離無線通信技術の応用や工場などの一部エリアにおける無線通信機器の出力値制限解除によるネットワーク構築の実現を目指している。これにより、より効率的に無線通信技術を活用し、製造業の現場におけるFAソリューションを実現することで、生産効率の向上や人的不足の課題解決に貢献することを目的としている。検討会の活動第一弾として、2024年9月17日に製造業向けセミナーを開催する予定だ。

製造業向けセミナーの概要

項目	詳細
講演テーマ	製造業の観点から見る無線の現状とこれから
実施日時	2024年9月17日（火）10:00 ～ 12:00（受付開始9:30）
会場	シスコシステムズ合同会社会議室（東京都港区赤坂）
参加方法	事前申込制（会場出席またはWeb参加）
参加費	無料（事前申し込みのみ）
参加人数	会場100名、リモート参加500名まで

会場出席希望者登録はこちら

長距離無線通信について

長距離無線通信とは、広範囲にわたってデータを送受信できる無線通信技術のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

広範囲のカバレッジを実現
低消費電力で長距離通信が可能
IoTデバイスの接続に適している

製造業の現場では、この長距離無線通信技術を活用することで、工場内の広範囲にわたる機器やセンサーのネットワーク化が可能になる。これにより、生産ラインの監視や制御、設備の稼働状況の把握、さらには予知保全など、様々なFAソリューションの実現が期待されている。本検討会では、この技術の日本での適用可能性や規制緩和の必要性について議論が行われる予定だ。

長距離無線通信を活用したFAソリューションに関する考察

長距離無線通信を活用したFAソリューションの実現は、日本の製造業にとって大きな転換点となる可能性がある。特に、工場内の柔軟なレイアウト変更や、大規模な配線工事が不要になることによるコスト削減効果は高く評価されるだろう。また、リアルタイムでのデータ収集と分析が可能になることで、生産性の向上や品質管理の精度向上にもつながると期待される。

一方で、セキュリティの確保や無線通信の信頼性維持が大きな課題となる可能性がある。製造業の現場では、生産ラインの停止が大きな損失につながるため、無線通信のダウンタイムを極限まで減らす必要がある。この課題に対しては、冗長性の高いネットワーク設計や、AIを活用した予知保全システムの導入が解決策として考えられるだろう。

今後、本検討会を通じて、日本の製造現場に適した長距離無線通信の活用方法が確立されることが期待される。特に、日本の厳しい電波法規制の中でも効果的に運用できるソリューションの開発や、国際競争力の維持・向上につながる技術革新が求められる。製造業のデジタル化を加速させる本取り組みが、日本のものづくりの未来を大きく変える可能性を秘めているのだ。