アスソラがコーポレートPPAを締結、NTTドコモに再エネ電力を供給、地域の脱炭素化に貢献へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

アスソラがコーポレートPPAを締結
東北電力を通じNTTドコモに再エネ供給
年間10GWh以上の電力供給を予定

アスソラのコーポレートPPA締結によるNTTドコモへの再エネ供給

株式会社アスソラは、ES太陽光合同会社を通じて東北電力株式会社とコーポレートPPA契約を締結し、NTTドコモに再生可能エネルギーによる電力を供給することを2024年8月30日に発表した。この取り組みは、アスソラが脱炭素社会の実現に向けて進める再生可能エネルギー発電事業の一環であり、同社にとって第1号のコーポレートPPA案件となる。^[1]

本プロジェクトでは、ES太陽光が東北エリア（秋田県、青森県、岩手県）に建設・運営する6か所の太陽光発電所（計約9MW）から、東北電力を介してNTTドコモに再エネを供給する。年間の電力供給量は10GWh以上を見込んでおり、これは一般家庭約2,300世帯以上の年間電力使用量に相当し、年間約4,740トンのCO2排出削減効果が期待されている。

アスソラは本プロジェクトを通じて、NTTドコモの東北各地の拠点に対して地域で生産された再エネを供給することで、重要な通信インフラを担うNTTドコモの事業活動を支援するとともに、エネルギーの地産地消と脱炭素化に貢献する。また、本事業に必要な資金は秋田県の北都銀行からのプロジェクトファイナンスによって調達されており、地域金融機関との連携も図られている。

アスソラのコーポレートPPA事業の概要

	発電事業者	電力供給者	電力需要家
関係会社	ES太陽光合同会社	東北電力株式会社	株式会社NTTドコモ
発電所概要	太陽光発電所6か所（計約9MW）	-	-
供給電力量	年間10GWh以上	-	-
CO2削減効果	年間約4,740トン	-	-
地域	東北エリア（秋田県、青森県、岩手県）	-	東北各地の拠点

コーポレートPPAについて

コーポレートPPAとは、発電事業者と需要家との間で再生可能エネルギーによる電力を長期に供給する契約のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

再エネの調達手段として国際的に評価されている
再エネ設備を社会に新たに増やす「追加性」が認められる
電力需要家も再エネの拡大に貢献できる

アスソラの今回のプロジェクトでは、ES太陽光合同会社が発電事業者、東北電力が電力供給者、NTTドコモが電力需要家という役割を担っている。このような仕組みを通じて、新たな再生可能エネルギー発電設備の導入が促進され、電力需要家の脱炭素化ニーズに応えつつ、社会全体の再エネ比率向上にも寄与することが期待されている。

アスソラのコーポレートPPA事業に関する考察

アスソラのコーポレートPPA事業は、再生可能エネルギーの普及と企業の脱炭素化ニーズを効果的に結びつける取り組みとして評価できる。特に、地域で生産された再エネを地元企業に供給するという点で、エネルギーの地産地消モデルを構築している点が注目される。この取り組みが成功すれば、他の地域や企業にも同様のモデルが広がり、日本全体の再エネ導入率向上に寄与する可能性がある。

一方で、今後の課題として、再生可能エネルギーの安定供給や天候による発電量の変動への対応が挙げられる。太陽光発電は天候に左右されやすいため、需要家であるNTTドコモの電力需要を常に満たせるかという点に不安が残る。この問題に対しては、蓄電システムの導入や他の再生可能エネルギー源との組み合わせなど、より柔軟で安定したエネルギー供給システムの構築が求められるだろう。

今後、アスソラには単なる電力供給にとどまらず、エネルギーマネジメントやデジタル技術を活用した需給調整サービスなど、より付加価値の高いソリューションの開発が期待される。また、このようなプロジェクトを通じて得られるノウハウを活かし、他の地域や企業とも連携を広げていくことで、日本全体のエネルギー転換と脱炭素化に貢献していくことが期待されるだろう。