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RIP-1とは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部


RIP-1とは

RIP-1はルーティング情報プロトコル(Routing Information Protocol)のバージョン1を指します。RIP-1は、小規模なネットワークにおいてルーティングテーブルを交換するために使用される、距離ベクトル型のルーティングプロトコルです。

RIP-1は、1988年にRFC 1058で定義されました。RIP-1は、ホップ数を指標としてルーティングテーブルを構築し、最大15ホップまでのルートを扱うことができます。

RIP-1は、30秒ごとにルーティングテーブルを定期的に交換します。これにより、ネットワークトポロジの変更を検知し、ルーティングテーブルを更新することができます。

RIP-1は、ブロードキャストまたはマルチキャストを使用してルーティング情報を送信します。これにより、ネットワーク内の全てのルーターにルーティング情報を効率的に伝達できます。

RIP-1は、シンプルで構成が容易なルーティングプロトコルですが、大規模なネットワークには適していません。また、RIP-1はクラスフルルーティングのみをサポートしており、可変長サブネットマスク(VLSM)には対応していません。

RIP-1のルーティングアルゴリズム

RIP-1に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • RIP-1のベルマンフォードアルゴリズム
  • RIP-1のホップ数の制限
  • RIP-1のルーティングテーブルの更新

RIP-1のベルマンフォードアルゴリズム

RIP-1は、ベルマンフォードアルゴリズムを使用してルーティングテーブルを計算します。ベルマンフォードアルゴリズムは、グラフ理論に基づく最短経路問題を解決するアルゴリズムの一種です。

RIP-1では、各ルーターが隣接するルーターからルーティング情報を受信し、その情報をもとに最短経路を計算します。この計算は、ホップ数を指標として行われ、最小ホップ数の経路が選択されます。

ベルマンフォードアルゴリズムは、ルーティングループを防ぐために、ルーティング情報の更新時に無限大のホップ数(RIP-1では16)を使用します。これにより、ルーティングループが発生した場合、そのルートは無効化されます。

RIP-1のホップ数の制限

RIP-1は、ホップ数を指標としてルーティングテーブルを構築します。RIP-1では、最大15ホップまでのルートを扱うことができます。

16ホップ以上離れた宛先は、到達不可能と判断されます。この制限により、RIP-1は大規模なネットワークには適していません。

RIP-1のホップ数の制限は、ネットワークの規模に応じて適切なルーティングプロトコルを選択する必要性を示唆しています。大規模なネットワークには、より拡張性の高いルーティングプロトコル(OSPF、EIGRPBGPなど)の使用が推奨されます。

RIP-1のルーティングテーブルの更新

RIP-1は、30秒ごとにルーティングテーブルを定期的に交換します。各ルーターは、自身のルーティングテーブルを隣接するルーターに送信し、受信したルーティング情報をもとにルーティングテーブルを更新します。

ルーティングテーブルの更新は、フルテーブルアップデートとして行われます。つまり、各ルーターは自身の完全なルーティングテーブルを隣接するルーターに送信します。

RIP-1は、トリガーアップデートもサポートしています。ネットワークトポロジに変更が生じた場合、変更を検知したルーターはすぐにルーティング情報を送信し、他のルーターに変更を通知します。これにより、ネットワークの収束時間を短縮できます。

RIP-1の欠点と制限事項

RIP-1に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • RIP-1のスケーラビリティの問題
  • RIP-1のクラスフルルーティング
  • RIP-1のセキュリティの欠如

RIP-1のスケーラビリティの問題

RIP-1は、小規模なネットワークには適していますが、大規模なネットワークにはスケーラビリティの問題があります。RIP-1は、最大15ホップまでのルートしか扱えないため、ネットワークの規模が大きくなるとルーティング情報の交換に時間がかかり、収束が遅くなります。

また、RIP-1はフルテーブルアップデートを使用するため、ネットワークの規模が大きくなるとルーティング情報の交換に多くの帯域幅を消費します。これにより、ネットワークのパフォーマンスが低下する可能性があります。

RIP-1のクラスフルルーティング

RIP-1は、クラスフルルーティングのみをサポートしています。つまり、RIP-1はサブネットマスクを通知せず、クラスフルなネットワーク境界でルーティングを行います。

このため、RIP-1は可変長サブネットマスク(VLSM)をサポートしておらず、柔軟なIPアドレスの割り当てができません。これは、IPアドレスの効率的な利用を妨げ、ネットワーク設計の柔軟性を制限します。

RIP-1のクラスフルルーティングの制限を解決するために、RIP-2ではサブネットマスクの通知がサポートされています。RIP-2は、クラスレスルーティングを可能にし、VLSMをサポートしています。

RIP-1のセキュリティの欠如

RIP-1は、セキュリティ機能が欠如しています。RIP-1では、認証機能が提供されておらず、誰でもルーティング情報を送信できます。

この脆弱性を利用して、悪意のあるユーザーが不正なルーティング情報を送信し、ネットワークを混乱させる可能性があります。RIP-1は、ルーティング情報の改ざんや盗聴に対する保護機能を備えていません。

RIP-2では、平文認証とMD5認証がサポートされており、ルーティング情報の送信元を検証できます。セキュリティを重視するネットワークでは、RIP-2やより安全なルーティングプロトコルの使用が推奨されます。

RIP-1からRIP-2への移行

RIP-1に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • RIP-2の主な改良点
  • RIP-1からRIP-2への移行手順
  • RIP-1とRIP-2の互換性

RIP-2の主な改良点

RIP-2は、RIP-1の欠点を解消し、より高度な機能を提供するために開発されました。RIP-2の主な改良点は、クラスレスルーティング、認証機能、マルチキャストアップデートのサポートです。

クラスレスルーティングにより、RIP-2はVLSMをサポートし、柔軟なIPアドレスの割り当てが可能になります。認証機能により、ルーティング情報の送信元を検証し、セキュリティを強化できます。

マルチキャストアップデートにより、RIP-2はルーティング情報の送信に必要な帯域幅を削減できます。これにより、ネットワークのパフォーマンスが向上します。

RIP-1からRIP-2への移行手順

RIP-1からRIP-2への移行は、段階的に行うことが推奨されます。まず、RIP-2をサポートするルーターを特定し、RIP-2を有効化します。

次に、RIP-1とRIP-2が混在するネットワークで、RIP-2のブロードキャストモードを有効にします。これにより、RIP-1ルーターはRIP-2のアップデートを受信できます。

最後に、全てのルーターでRIP-2を有効化し、認証を設定します。これにより、ネットワーク全体がRIP-2に移行され、セキュリティが強化されます。

RIP-1とRIP-2の互換性

RIP-1とRIP-2は、一定の互換性を持っています。RIP-2ルーターは、RIP-1のアップデートを受信し、処理することができます。

ただし、RIP-1ルーターはRIP-2のアップデートを理解できないため、RIP-2ルーターはRIP-1との互換性を維持するために、RIP-1互換モードで動作する必要があります。

RIP-2のブロードキャストモードを有効にすることで、RIP-1ルーターはRIP-2のアップデートを受信できます。これにより、RIP-1とRIP-2が混在するネットワークでも、ルーティング情報の交換が可能になります。

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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