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公開：2024-09-20

エクサウィザーズのAIモデルがE-Flowで稼働開始、系統用蓄電池の電力取引を最適化し複数市場での運用を実現

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• エクサウィザーズがE-Flow向けAIモデルを本格稼働
• 系統用蓄電池の電力取引を最適化するAI
• 複数電力市場での運用開始、3市場展開を計画

エクサウィザーズのAIモデルがE-Flowで本格稼働開始

株式会社エクサウィザーズは2024年9月18日、E-Flow合同会社に提供したAIモデルが本格稼働を開始したことを発表した。このAIモデルは系統用蓄電池の電力を最適に取引する条件を算出するもので、E-Flowのシステムが複数の電力市場を対象とする運用を開始している。最終的には3つの電力市場での運用を計画しており、多種多様なビッグデータを考慮した上で日々の市場への入札案を作成することが可能になった。^[1]

E-Flowは関西電力株式会社の100％出資会社として2023年4月に設立され、同年7月から分散エネルギーの運用事業を開始した。サービスプラットフォーム「K-VIPs+」を基盤とし、系統用蓄電池のほか需要側の顧客が保有する設備や再生可能エネルギーの発電設備など、多様な分散型エネルギーリソースを一元的に管理している。

エクサウィザーズは本格運用に合わせて、複雑な電力市場のルールや動向をAIが理解し最適な判断を下せるようアルゴリズムを設計し、K-VIPs+に実装した。AIモデルは稼働、需給、予測、取引などのビッグデータから日々の入札計画案を作成し、複数の市場の変動に応じて最適な戦略を立てることが可能になっている。

系統用蓄電池運用のAI活用まとめ

系統用蓄電池のマルチユース運用開始についての詳細はこちら

系統用蓄電池について

系統用蓄電池とは、電力系統に直接接続し、電力系統の安定化のために運用される蓄電池のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 電力系統の需給バランス調整に貢献
• 再生可能エネルギーの出力変動の吸収
• 電力品質の維持と停電リスクの低減

エクサウィザーズが開発したAIモデルは、この系統用蓄電池の運用を最適化することで、電力系統の安定性向上と運用収益の最大化を同時に実現しようとしている。複数の電力市場での取引を考慮しながら、日々変動する需給状況や市場価格に応じて最適な充放電計画を立案することで、系統用蓄電池の価値を最大限に引き出すことが期待されている。

系統用蓄電池のAI運用に関する考察

エクサウィザーズのAIモデル導入により、系統用蓄電池の運用が大きく効率化される可能性が高い。特に複数の電力市場を対象とした運用は、蓄電池の価値を最大化する上で重要であり、人間の判断のみでは最適化が困難な領域だ。一方で、AIの判断が常に最適とは限らず、予期せぬ市場変動や系統トラブルに対する柔軟な対応が課題となる可能性がある。

この課題に対しては、AIモデルの継続的な学習と改善、そして人間の専門家による監視と介入のバランスが重要になるだろう。また、今後はより多様な分散型エネルギーリソースへのAI活用拡大が期待される。例えば、需要側の設備や再生可能エネルギー発電設備などを含めた統合的な運用最適化が実現すれば、電力系統全体の効率性と安定性が大きく向上する可能性がある。

長期的には、AIによる系統用蓄電池の最適運用が、再生可能エネルギーの大量導入を支える重要な技術となることが期待される。エクサウィザーズのような先進的な取り組みが、日本のエネルギー転換と脱炭素化を加速させる原動力となるだろう。今後は、AIモデルの精度向上や運用実績の蓄積、さらには他の電力会社や事業者への展開など、更なる発展が期待される。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「エクサウィザーズ、関西電力グループの 系統用蓄電池における運用事業でAIモデルが本格稼働 | 株式会社エクサウィザーズのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000286.000030192.html, (参照 24-09-20).

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