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【CVE-2024-34057】Triangle MicroWorksのIEC 61850ライブラリに古典的バッファオーバーフローの脆弱性、シーメンス製品にも影響

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • Triangle MicroWorksのIEC 61850ライブラリに脆弱性
  • 古典的バッファオーバーフローの脆弱性が存在
  • シーメンスの複数製品も影響を受ける

Triangle MicroWorksのIEC 61850ライブラリに古典的バッファオーバーフローの脆弱性

Triangle MicroWorksは、自社のIEC 61850ソースコードライブラリに古典的バッファオーバーフローの脆弱性が存在することを2024年9月18日に公開した。この脆弱性はCVE-2024-34057として識別されており、CVSS v3による深刻度基本値は7.5(重要)と評価されている。影響を受けるバージョンは12.2.0未満であり、攻撃者によってサービス運用妨害(DoS)状態に陥る可能性がある。[1]

この脆弱性は、Triangle MicroWorksの製品だけでなく、シーメンスの複数の製品にも影響を与えている。具体的には、SICAM S8000、SITIPE AT、SICAM A8000ファームウェア、SICAM EGSファームウェア、SICAM SCCファームウェアの特定バージョンが影響を受ける。これらの製品は、産業用制御システムやエネルギー管理システムで広く使用されているため、影響範囲は非常に広いと考えられる。

CWEによる脆弱性タイプ分類では、この問題は「古典的バッファオーバーフロー(CWE-120)」に分類されている。攻撃元区分はネットワークであり、攻撃条件の複雑さは低いとされている。また、攻撃に必要な特権レベルは不要で、利用者の関与も不要とされているが、可用性への影響は高いと評価されている。

IEC 61850ライブラリの脆弱性影響まとめ

製品 影響を受けるバージョン 深刻度(CVSS v3)
Triangle MicroWorks IEC 61850ライブラリ 12.2.0未満 7.5(重要)
シーメンス SICAM S8000 05.30未満 7.5(重要)
シーメンス SITIPE AT - 7.5(重要)
シーメンス SICAM A8000ファームウェア 05.30未満 7.5(重要)
シーメンス SICAM EGSファームウェア 05.30未満 7.5(重要)
シーメンス SICAM SCCファームウェア 10.0未満 7.5(重要)

古典的バッファオーバーフローについて

古典的バッファオーバーフローとは、プログラムがバッファ(データを一時的に格納する領域)に書き込む際に、その領域の境界を超えてデータを書き込んでしまう脆弱性のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • メモリ破壊や意図しないコード実行の可能性
  • プログラムのクラッシュやセキュリティ侵害のリスク
  • C言語などの低レベル言語で頻繁に発生

この種の脆弱性は、特にネットワーク経由で攻撃可能な場合、重大なセキュリティリスクとなる。IEC 61850ライブラリの場合、電力系統の制御や監視に関わる重要なインフラストラクチャで使用されているため、潜在的な影響は非常に大きい。適切なバウンダリチェックやメモリ管理、セキュアコーディング practices の適用が、この種の脆弱性を防ぐ上で重要となる。

IEC 61850ライブラリの脆弱性に関する考察

IEC 61850ライブラリの脆弱性が複数のベンダー製品に影響を与えている点は、サプライチェーンセキュリティの重要性を再認識させる事例だ。特に、電力系統の制御や監視といった重要インフラに関わるシステムでこのような脆弱性が発見されたことは、潜在的な影響の大きさを考慮すると非常に深刻である。今後、ベンダーやシステム管理者は、使用しているライブラリやコンポーネントのセキュリティ状況を継続的に監視し、迅速にアップデートを適用する体制を強化する必要があるだろう。

この脆弱性の影響を受ける製品の多くが産業用制御システムであることから、パッチ適用のタイミングや方法に関して慎重な検討が必要となる。システムの稼働停止を最小限に抑えつつ、セキュリティアップデートを行うための計画立案が求められる。また、パッチ適用が困難な場合のための代替緩和策の検討も重要だ。ネットワークセグメンテーションの強化やアクセス制御の厳格化など、多層防御アプローチの採用が有効な対策となり得るだろう。

長期的な観点からは、このような脆弱性を早期に発見し、迅速に対応するためのセキュリティ体制の強化が不可欠だ。ソフトウェア開発プロセスにおけるセキュリティレビューの徹底や、定期的な脆弱性診断の実施、さらには脆弱性報奨金プログラムの導入など、複合的なアプローチが求められる。また、業界全体でのセキュリティ情報共有の促進も、類似の脆弱性による被害を最小限に抑える上で重要な役割を果たすだろう。

参考サイト

  1. ^ JVN. 「JVNDB-2024-009065 - JVN iPedia - 脆弱性対策情報データベース」. https://jvndb.jvn.jp/ja/contents/2024/JVNDB-2024-009065.html, (参照 24-09-28).

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