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GoogleがSheetsとSlidesのクライアントサイドEncryption機能を拡張、コメントとアクションアイテムの利用が可能に

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • Google Sheetsとスライドで暗号化機能が拡充
  • コメントやアクションアイテムの機能が利用可能に
  • Enterprise PlusとEducation向けに提供開始

Google WorkspaceのクライアントサイドEncryptionがSheetsとスライドに拡張

Googleは2024年10月2日、クライアントサイド暗号化されたGoogle SheetsとSlidesでコメントとアクションアイテムの機能を利用可能にすると発表した。この機能拡張により、暗号化された文書でのコラボレーションがより容易になる。すでにGoogle Docsで利用可能だったこの機能が、SheetsとSlidesにも拡張されることで、暗号化された文書全般での協働作業の効率が向上するだろう。[1]

新機能では、コメントの追加・編集・返信・フィルタリング・削除が可能になり、さらに自分や他のユーザーにアクションアイテムを割り当てることもできる。ただし、暗号化されたファイルの共有時には、「閲覧者」または「編集者」の権限のみが付与可能で、「コメント可能」の権限は対応していない。コメントは文書が自動保存されるたびに保存され、以前のバージョンに復元した際にはそのバージョンのコメントも復元される仕組みだ。

この機能はGoogle Workspace Enterprise Plus、Education Standard、Education Plusの顧客向けに提供される。管理者は管理コンソールのセキュリティ > アクセスとデータ制御 > クライアントサイド暗号化から、ドメイン、組織単位、グループレベルでクライアントサイド暗号化を有効にできる。エンドユーザーは、管理者が有効にした後、Googleのヘルプセンターを参照してDrive、Docs、Sheets、Slidesでの暗号化ファイルの扱い方を学ぶことができる。

Google WorkspaceのクライアントサイドEncryption機能まとめ

Google Sheets Google Slides Google Docs
コメント機能 追加・編集・返信・フィルタリング・削除可能 追加・編集・返信・フィルタリング・削除可能 既に利用可能
アクションアイテム 割り当て可能 割り当て可能 既に利用可能
共有権限 閲覧者・編集者のみ 閲覧者・編集者のみ 閲覧者・編集者のみ
コメントの保存 自動保存時に保存 自動保存時に保存 自動保存時に保存
バージョン管理 復元時にコメントも復元 復元時にコメントも復元 復元時にコメントも復元

クライアントサイド暗号化について

クライアントサイド暗号化とは、データがサーバーに送信される前にユーザーのデバイス上で暗号化される技術のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • データがクラウドサーバーに到達する前に暗号化されるため、サービス提供者でも復号できない
  • ユーザーが暗号鍵を管理するため、高度なデータ保護が可能
  • 規制の厳しい業界や機密性の高い情報を扱う組織に適している

Google Workspaceでのクライアントサイド暗号化の実装により、企業や教育機関はより安全にクラウドサービスを利用できるようになる。この技術は、データのプライバシーとセキュリティを強化しつつ、コラボレーション機能を維持することで、組織のデジタル化とリモートワークの促進に貢献する。今回のSheetsとSlidesへの機能拡張は、セキュアなコラボレーション環境の構築において重要な一歩となるだろう。

Google Workspaceのクライアントサイド暗号化に関する考察

Google WorkspaceのクライアントサイドEncryptionがSheetsとSlidesに拡張されたことは、企業のデータセキュリティとコラボレーションの両立という観点から非常に重要だ。特に、規制の厳しい業界や機密性の高いデータを扱う組織にとって、この機能は安全なクラウド利用を可能にする強力なツールとなる。ただし、暗号化キーの管理や運用面での複雑さが増すため、ユーザーの教育や管理者の負担が増加する可能性もあるだろう。

今後の課題として、暗号化されたデータに対する検索機能の制限や、サードパーティアプリケーションとの連携の難しさが挙げられる。これらの問題に対しては、暗号化されたメタデータの活用や、セキュアな API の開発などが解決策として考えられる。さらに、エンドツーエンドの暗号化をより多くの機能やファイル形式に拡張することで、Workspaceのセキュリティ機能をさらに強化できるだろう。

長期的には、量子コンピューティングの発展に伴う暗号化アルゴリズムの更新や、ゼロ知識証明などの先進的な暗号技術の導入が期待される。Googleには、これらの技術革新を積極的に取り入れつつ、ユーザビリティとセキュリティのバランスを保ったサービス開発を続けてほしい。クラウドサービスの信頼性向上は、デジタルトランスフォーメーションを加速させる重要な要素となるはずだ。

参考サイト

  1. ^ Google Workspace. 「 Google Workspace Updates: Comments and action items are now available for client-side encrypted Google Sheets and Slides 」. https://workspaceupdates.googleblog.com/2024/10/comments-action-items-for-client-side-encrypted-google-sheets-google-slides-files.html, (参照 24-10-04).
  2. Google. https://blog.google/intl/ja-jp/

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