高島屋グループと日揮HDらが国産SAF製造に向け廃食用油供給で基本合意、2025年から年間3000万リットル供給へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

高島屋グループと日揮HDなどが廃食用油供給で基本合意
国産SAF製造に向けた「Fry to Fly Project」に参画
2025年から年間約3000万リットルのSAF供給を見込む

高島屋グループと日揮HDらによる国産SAF製造に向けた取り組み

高島屋、東神開発、RTCは日揮HD、レボインターナショナル、SAFFAIRE SKY ENERGYと国産の持続可能な航空燃料（SAF）の原料となる廃食用油の継続的な供給および利用に関する基本合意書を2024年9月30日に締結した。この取り組みは「Fry to Fly Project」と呼ばれるSAFを飛行機の燃料とするプロジェクトの一環である。6社は相互協力のもと廃食用油の収集や啓発活動を通じて脱炭素社会の実現に貢献する方針だ。^[1]

本事業では高島屋グループの商業施設やRTCが運営する飲食店などから排出される廃食用油をレボインターナショナルが収集し、SAFFAIRE SKY ENERGYのSAF製造工場でSAFが生産される。製造工場は2024年内に完工し2025年から運転を開始する予定で100％廃食用油を原料とした年間約3000万リットルのSAF供給を見込んでいる。高島屋グループ全体では年間約28万リットルの廃食用油のポテンシャルがあるという。

高島屋グループはこれまでも電力使用量の削減や再エネ電力への転換、廃棄プラスチック削減や食品ロス削減に取り組んできた。今回の合意により商業施設を中心に廃食用油を国産SAFに再利用する取り組みに参加することで航空業界という新たなフィールドでの脱炭素社会実現に向けさらなるCO2削減につなげる方針だ。SAFは従来の航空燃料に比べて温室効果ガスの排出量の大幅な削減が期待できるとともに既存のインフラをそのまま活用できる持続可能な航空燃料である。

国産SAF製造プロジェクトの概要

	参加企業	役割	目標
廃食用油供給	高島屋グループ	商業施設からの廃食用油提供	年間約28万リットル
収集	レボインターナショナル	廃食用油の収集	効率的な回収システムの構築
SAF製造	SAFFAIRE SKY ENERGY	SAFの製造	年間約3000万リットル
プロジェクト推進	日揮HD	全体統括・技術支援	国産SAFサプライチェーン構築

SAFについて

SAFとは「Sustainable Aviation Fuel（持続可能な航空燃料）」の略称で、従来の石油由来のジェット燃料に代わる、環境負荷の少ない航空機用燃料を指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

バイオマスや廃食用油、都市ごみなどを原料として製造
従来の航空燃料に比べて温室効果ガスの排出量を大幅に削減
既存の航空機や給油設備をそのまま利用可能

SAFは原料となるバイオマスや廃食用油、都市ごみなどの生産・収集から製造、燃焼までのサイクルで従来の航空燃料に比べて温室効果ガスの排出量を大幅に削減できる点が最大の特徴だ。既存のインフラをそのまま活用できるため航空業界の脱炭素化に向けた即効性のある解決策として注目されている。本プロジェクトでは国内で発生する廃食用油のみを原料としたSAFの製造・流通を加速させることで航空産業界全体の持続可能な発展を目指している。

国産SAF製造プロジェクトに関する考察

高島屋グループと日揮HDらによる国産SAF製造プロジェクトは日本の航空業界における脱炭素化の取り組みを大きく前進させる可能性を秘めている。特に商業施設から排出される廃食用油を有効活用する点は資源の循環利用という観点からも評価できるだろう。一方で課題として廃食用油の安定的な供給体制の構築や製造コストの低減が挙げられる。

今後の展開として廃食用油以外の原料を用いたSAF製造技術の開発や航空会社との連携強化が期待される。また国内の他の商業施設や外食チェーンなどにも同様の取り組みが広がることで供給量の拡大につながるだろう。政府による支援策や規制緩和などの制度面でのバックアップも重要な鍵となるだろう。

長期的には国産SAFの製造技術や運用ノウハウを海外に展開することで国際的な競争力を高めることも視野に入れるべきだ。日本の技術力と環境への取り組みを世界にアピールする好機となる可能性もある。国産SAF製造プロジェクトの成功は日本の航空業界だけでなく関連産業全体の持続可能な発展に寄与することが期待される。

参考サイト

^ PR TIMES. 「高島屋グループと国産SAF製造に向け、廃食用油供給に関する基本合意書を締結 | 日揮ホールディングス株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000236.000065135.html, (参照 24-10-11).

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。