【CVE-2024-20091】GoogleのAndroid 12.0に境界外読み取りの脆弱性、情報漏洩のリスクに要注意

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約
GoogleのAndroid 12.0に境界外読み取りの脆弱性が発見
Android 12.0の脆弱性詳細
境界外読み取りについて
Android 12.0の脆弱性に関する考察
参考サイト

記事の要約

GoogleのAndroidに境界外読み取りの脆弱性
CVSS基本値4.4の警告レベルの脆弱性
Android 12.0が影響を受ける

GoogleのAndroid 12.0に境界外読み取りの脆弱性が発見

Googleは、Android 12.0に境界外読み取りに関する脆弱性が存在することを公表した。この脆弱性は、Common Vulnerabilities and Exposures（CVE）によってCVE-2024-20091として識別されており、Common Weakness Enumeration（CWE）による脆弱性タイプは境界外読み取り（CWE-125）に分類されている。National Vulnerability Database（NVD）の評価によると、攻撃元区分はローカルであり、攻撃条件の複雑さは低いとされている。^[1]

この脆弱性のCVSS（Common Vulnerability Scoring System）v3による基本値は4.4であり、警告レベルに分類されている。攻撃に必要な特権レベルは高く設定されており、利用者の関与は不要とされている。影響の想定範囲に変更はないものの、機密性への影響は高いと評価されている。一方で、完全性および可用性への影響はないとされている。

GoogleはAndroid 12.0ユーザーに対し、この脆弱性に対処するためのベンダアドバイザリまたはパッチ情報を公開している。ユーザーは参考情報を確認し、適切な対策を実施することが推奨されている。この脆弱性の影響により、攻撃者が情報を取得する可能性があるため、速やかな対応が求められる。

Android 12.0の脆弱性詳細

項目	詳細
CVE番号	CVE-2024-20091
CVSS基本値	4.4（警告）
攻撃元区分	ローカル
攻撃条件の複雑さ	低
攻撃に必要な特権レベル	高
利用者の関与	不要
影響の想定範囲	変更なし
機密性への影響	高
完全性への影響	なし
可用性への影響	なし

境界外読み取りについて

境界外読み取り（CWE-125）とは、プログラムが意図した範囲外のメモリを読み取ってしまう脆弱性のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

バッファオーバーリードとも呼ばれる
配列やバッファの範囲外のデータにアクセスする
機密情報の漏洩やプログラムのクラッシュを引き起こす可能性がある

Android 12.0における境界外読み取りの脆弱性は、攻撃者が特権レベルの高い状態でローカルから攻撃を行うことで、本来アクセスできないはずの機密情報を取得できる可能性がある。この脆弱性は機密性への影響が高いと評価されているため、個人情報や重要なシステム情報が漏洩するリスクがあり、早急な対策が必要である。

Android 12.0の脆弱性に関する考察

GoogleのAndroid 12.0における境界外読み取りの脆弱性は、攻撃条件の複雑さが低いにもかかわらず高い特権レベルを必要とする点が特徴的だ。この特性により、一般ユーザーが意図せず攻撃を受ける可能性は低いものの、標的型攻撃などで悪用される危険性がある。また、機密性への影響が高いとされている点から、企業や組織のセキュリティ管理者は特に注意を払う必要があるだろう。

今後、この脆弱性を悪用したマルウェアの出現や、他のバージョンのAndroidでも類似の脆弱性が発見される可能性がある。Googleは迅速にパッチを提供しているが、エンドユーザーや端末メーカーがアップデートを適用するまでにタイムラグが生じる可能性がある。この問題に対しては、Googleがセキュリティアップデートの自動適用をより強化することや、ユーザーへのセキュリティ教育を充実させることが解決策として考えられる。

将来的には、Androidのセキュリティアーキテクチャをさらに強化し、境界外読み取りのような基本的な脆弱性を設計段階で防ぐことが期待される。また、AIを活用した脆弱性検出システムの導入や、オープンソースコミュニティとの協力強化により、脆弱性の早期発見と修正のサイクルを短縮することも重要だ。Googleには、モバイルOSのリーディングカンパニーとして、さらなるセキュリティ強化とユーザー保護に努めてほしい。