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公開：2024-10-15

東北大学とNECが新メモリ暗号化機構を開発、テラバイト級メモリの安全性と性能を向上

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 新たなメモリ暗号化機構を開発
• 安全性を保ちつつ性能と利便性を向上
• テラバイト級の大容量メモリに対応

東北大学とNECによる新メモリ暗号化機構の開発

東北大学電気通信研究所の本間尚文教授らのグループは、日本電気株式会社（NEC）と共同で、安全性を担保しつつ性能と利便性を飛躍的に向上させたメモリ暗号化機構の新方式を開発した。この新方式は、テラバイト級の大容量メモリにも効率的に適用が可能であり、コンピュータの負荷を大きく削減することができる。^[1]

開発された新方式は、従来の方式と比較して暗号化による遅延を最大約63％、メモリの性能低下を約44％抑制することが可能になった。さらに、偶発的なメモリエラーやメモリ改ざん等のメモリデータへの攻撃検知から復旧までの時間を数千倍高速化することに成功している。この成果により、多様なコンピュータにおけるデータ保護と安全なデータ利活用に大きく貢献することが期待されている。

本研究成果は、2024年10月14日から18日に米国計算機学会（ACM）が開催するコンピュータセキュリティに関する国際会議 ACM SIGSAC Conference on Computer Communications Security（CCS）において発表される予定だ。この新たな暗号化機構の開発により、今後のクラウドサービスやPCなど、様々な分野でのデータセキュリティの向上が見込まれている。

新メモリ暗号化機構の特徴まとめ

メモリ暗号化について

メモリ暗号化とは、コンピュータのメインメモリに格納されるデータを暗号化して保護する技術のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 機密情報や個人情報の保護が可能
• メモリデータの改ざんを検知可能
• 物理的な攻撃やサイドチャネル攻撃からの防御に有効

メモリ暗号化は、PCやスマートフォンなどの個人用デバイスからクラウドサーバーまで、幅広いコンピューティング環境で重要な役割を果たしている。今回開発された新方式は、テラバイト級の大容量メモリにも効率的に適用可能であり、データの機密性を確保しつつ、コンピュータの性能低下を最小限に抑えることができる画期的な技術として注目されている。

新メモリ暗号化機構に関する考察

東北大学とNECが共同開発した新メモリ暗号化機構は、安全性を維持しつつ性能と利便性を大幅に向上させた点が非常に評価できる。特に、テラバイト級の大容量メモリに対応した点は、今後のビッグデータ処理やAI応用などの分野で重要な役割を果たす可能性が高い。しかし、この新技術を実際のシステムに導入する際には、既存のハードウェアやソフトウェアとの互換性の問題が生じる可能性があるだろう。

また、暗号化技術の進化に伴い、新たな攻撃手法が開発される可能性も考慮する必要がある。そのため、継続的な脆弱性評価と改善が不可欠だ。解決策として、オープンソースコミュニティとの協力や、定期的なセキュリティ監査の実施が考えられる。さらに、今後はこの技術を量子コンピュータの登場に備えたポスト量子暗号にも適用できるよう、研究開発を進めることが望ましいだろう。

今後、この新メモリ暗号化機構がさらに進化し、より幅広いデバイスやシステムに適用されることを期待したい。特に、IoTデバイスやエッジコンピューティング環境での活用が進めば、セキュアなデータ処理の実現に大きく貢献するだろう。また、この技術を基盤として、プライバシー保護技術や秘密計算などの高度なセキュリティ技術との統合が進むことで、より安全で信頼性の高い情報システムの構築につながることを期待する。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「テラバイトスケールのコンピュータメモリを安全で高効率に暗号化できる新技術を開発 | 日本電気株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000722.000078149.html, (参照 24-10-15).
2. NEC. https://jpn.nec.com/

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