セキュリティ

SECURITY

公開：2024-11-06

【CVE-2024-8599】AutoCAD 2025.1のACTranslatorsにメモリ破損の脆弱性、任意コード実行のリスクが発生

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• AutoCADのACTranslators.exeにメモリ破損の脆弱性
• 悪意のあるSTPファイル解析時に任意のコード実行が可能
• CVSSスコア7.8の高リスク脆弱性として評価

AutoCAD 2025.1のACTranslatorsにおける重大な脆弱性

Autodeskは2024年10月29日、AutoCAD 2025.1のACTranslators.exeにおいて深刻なメモリ破損の脆弱性【CVE-2024-8599】が発見されたことを公開した。この脆弱性は悪意のあるSTPファイルを解析する際に発生し、攻撃者によってシステムのクラッシュやセンシティブデータの書き込み、任意のコード実行などが可能になる状況である。^[1]

この脆弱性はCVSSv3.1で7.8の高リスクと評価されており、攻撃元区分はローカル、攻撃条件の複雑さは低く、特権は不要だがユーザーの関与が必要とされている。影響範囲はシステムに制限されているが、機密性・完全性・可用性のすべてで高い影響度を示している。

SSVCによる評価では、自動化された悪用は現時点では確認されていないものの、技術的な影響は深刻なレベルに分類されている。Autodeskはこのような重大な脆弱性に対して迅速な対応を行い、セキュリティアドバイザリを通じて詳細な情報を提供している。

AutoCAD 2025.1の脆弱性詳細

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メモリ破損について

メモリ破損とは、プログラムが意図しない方法でメモリ領域にアクセスまたは変更を行うことで発生する脆弱性であり、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• バッファオーバーフローやメモリリークの原因となる
• システムクラッシュや任意コード実行のリスクがある
• データの整合性や機密性に重大な影響を及ぼす可能性がある

AutoCAD 2025.1で発見されたメモリ破損の脆弱性は、ACTranslators.exeがSTPファイルを解析する際に発生する問題である。この種の脆弱性は攻撃者によって悪用された場合、システムのクラッシュや機密データの漏洩、さらには任意のコード実行による深刻な被害をもたらす可能性がある。

AutoCAD 2025.1の脆弱性に関する考察

AutoCADのような広く使用されているCADソフトウェアにおける脆弱性の発見は、製造業や建築業界に大きな影響を与える可能性がある。特にSTPファイルは3Dモデルの交換フォーマットとして一般的に使用されているため、この脆弱性は業務の中断やデータの損失につながる重大なリスクとなっているだろう。

今後はファイル解析時のメモリ管理をより厳密に行い、入力値の検証を強化することが求められる。また、サードパーティ製のSTPファイルを扱う際には、信頼できるソースからのファイルのみを使用するなど、運用面での対策も重要になってくるだろう。

長期的には、AutoCADのセキュリティ機能の強化とともに、ファイルフォーマットの安全性検証機能の実装が期待される。特にAIを活用した不正なファイルの検出や、サンドボックス環境でのファイル解析など、より高度なセキュリティ対策の導入が望まれる。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-8599, (参照 24-11-06).

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