【CVE-2024-10740】code-projects E-Health Care System 1.0にSQLインジェクションの脆弱性が発見、医療データ漏洩のリスクに警鐘

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

E-Health Care Systemにクリティカルな脆弱性を発見
consulting_detail.phpにSQLインジェクションの脆弱性
CVE-2024-10740として識別され公開済み

code-projects E-Health Care System 1.0のSQLインジェクション脆弱性

code-projectsは2024年11月3日にE-Health Care System 1.0のconsulting_detail.phpファイルにSQLインジェクションの脆弱性が存在することを公開した。consulting_idパラメータを操作することで不正なSQLクエリが実行可能となり、データベースへの不正アクセスのリスクが発生している。^[1]

この脆弱性は【CVE-2024-10740】として識別されており、CVSSスコアは3.1基準で6.3（MEDIUM）と評価されている。攻撃元区分はネットワーク経由であり、攻撃の複雑さは低く、必要な特権レベルは限定的だが、ユーザー操作は不要とされている。

脆弱性の影響範囲は機密性、完全性、可用性のいずれもスコアが低（Low）と評価されているものの、リモートからの攻撃が可能であり、エクスプロイトコードも公開されている状態である。影響を受けるバージョンはE-Health Care System 1.0およびそれ以前のバージョンとなっている。

E-Health Care System 1.0の脆弱性詳細

項目	詳細
CVE番号	CVE-2024-10740
影響を受けるバージョン	E-Health Care System 1.0以前
脆弱性の種類	SQLインジェクション（CWE-89）
CVSSスコア	CVSS 3.1: 6.3（MEDIUM）
攻撃条件	リモートから可能、特権レベル限定的
影響範囲	機密性・完全性・可用性がすべてLow

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SQLインジェクションについて

SQLインジェクションとは、Webアプリケーションに対する攻撃手法の一つで、悪意のあるSQLコードを入力することでデータベースを不正に操作する手法のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

入力値の検証が不十分な場合に発生する脆弱性
データベースの改ざんや情報漏洩のリスクがある
適切なパラメータのサニタイズが必要

E-Health Care System 1.0のconsulting_detail.phpで発見されたSQLインジェクション脆弱性は、consulting_idパラメータの入力値検証が不十分であることが原因となっている。攻撃者がこの脆弱性を悪用することで、患者の個人情報や診療記録などの機密データが漏洩するリスクが存在するため、早急な対策が必要である。

E-Health Care System 1.0の脆弱性に関する考察

医療システムにおける脆弱性の発見は、患者の個人情報保護という観点から非常に重要な意味を持っている。E-Health Care Systemの開発元であるcode-projectsが迅速に脆弱性情報を公開したことは評価できるが、医療システムの開発においてはより厳密なセキュリティテストが必要だったと考えられる。

今後の課題として、医療システムに特化したセキュリティガイドラインの整備や、定期的な脆弱性診断の実施が重要となるだろう。特にSQLインジェクション対策として、プリペアドステートメントの使用やORM（Object-Relational Mapping）の導入、入力値のバリデーション強化など、複数の防御層を設ける必要がある。

医療DXが進む中、E-Health Care Systemのような医療情報システムの重要性は今後さらに高まることが予想される。セキュリティ対策の強化と並行して、システムの可用性や使いやすさを両立させる開発アプローチが求められている。