セキュリティ

SECURITY

公開：2024-11-07

【CVE-2024-9996】AutoCAD 2025.1にOut-of-bounds Write脆弱性が発見、任意のコード実行のリスクが浮上

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• AutoCAD 2025.1にOBW脆弱性が発見
• 影響範囲は高く、任意のコード実行が可能
• Windows版AutoCADのacdb25.dllに問題

AutoCAD 2025.1のDWGファイル解析における脆弱性

Autodeskは2024年10月29日、AutoCAD 2025.1のDWGファイル解析機能においてOut-of-Bounds Write脆弱性を発見したことを公開した。脆弱性はacdb25.dllにおけるDWGファイルの解析処理に存在しており、悪意のあるDWGファイルを介して攻撃者が任意のコードを実行できる可能性が指摘されている。^[1]

CVE-2024-9996として識別されたこの脆弱性は、Common Weakness Enumeration（CWE）においてCWE-787のOut-of-bounds Writeに分類されている。共通脆弱性評価システムCVSSでは、基本評価値7.8の高リスクと評価されており、機密性・完全性・可用性のすべてに高い影響があるとされている。

脆弱性の影響を受けるのはWindows版のAutoCAD 2025.1であり、攻撃者は特別に細工されたDWGファイルを使用することで、プロセスのクラッシュや機密データの書き込み、任意のコードの実行が可能になる。このため、AutoCADユーザーには早急なセキュリティアップデートの適用が推奨されている。

AutoCAD 2025.1の脆弱性詳細

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Out-of-bounds Writeについて

Out-of-bounds Writeとは、プログラムが確保されたメモリ領域の範囲外にデータを書き込もうとする脆弱性のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• バッファオーバーフローの一種として分類される
• メモリ破壊やプログラムのクラッシュを引き起こす可能性がある
• 任意のコード実行につながる重大な脆弱性となり得る

AutoCADの脆弱性では、悪意のあるDWGファイルを解析する際にacdb25.dllがメモリ領域外への書き込みを行う可能性がある。この脆弱性を悪用されると、攻撃者はプログラムをクラッシュさせたり、機密データを書き込んだり、さらには任意のコードを実行したりする可能性があるため、早急な対応が必要とされている。

AutoCAD 2025.1の脆弱性に関する考察

AutoCADのような産業用ソフトウェアにおける脆弱性は、企業の設計データや機密情報の漏洩につながる可能性があるため、その影響は甚大である。特にDWGファイルは設計業界で広く使用されているファイル形式であり、悪意のあるファイルが外部から持ち込まれるリスクも高く、組織全体のセキュリティ対策の見直しが必要になるだろう。

今後は同様の脆弱性を防ぐため、ファイル解析処理におけるバウンダリチェックの強化やサンドボックス環境での実行など、多層的な防御策の実装が求められる。また、設計データの取り扱いに関するガイドラインの整備や、従業員向けのセキュリティ教育の強化も重要な課題となるだろう。

長期的には、DWGファイルフォーマット自体のセキュリティ設計の見直しも検討する必要がある。デジタル署名の導入やファイル構造の検証機能の強化など、より堅牢なファイルフォーマットへの進化が期待される。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-9996, (参照 24-11-07).

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