パナソニックとArmがSDVの標準化へ戦略的提携、自動車ソフトウェア開発の効率化を目指す新たな取り組みを開始

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約
パナソニックとArmによるソフトウェア・ディファインド・ビークルの標準化
SDV標準化における主要な取り組みまとめ
ソフトウェア・ディファインド・ビークルについて
SDV標準化に関する考察
参考サイト

記事の要約

PASとArmがSDVの標準化に向けて戦略的提携
VirtIOを採用し自動車ソフトウェア開発を効率化
SOAFEEを通じて業界全体の標準化を推進

パナソニックとArmによるソフトウェア・ディファインド・ビークルの標準化

パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社とArmは、2024年11月7日にソフトウェア・ディファインド・ビークルのための自動車アーキテクチャの標準化を目指す戦略的パートナーシップを発表した。両社は柔軟なソフトウェアスタックを構築するという共通のビジョンを持ち、業界全体のソフトウェア開発の標準化を推進する取り組みであるSOA FEEへの積極的な参加を通じて実現を目指すのだ。^[1]

自動車業界では電子制御ユニットの統合が進み、コックピット・ドメインコントローラーやハイパフォーマンスコンピューターなどの強力なECUに集約される傾向にある。ベンダー特有の独自インターフェースによって自動車メーカーやTier1サプライヤーは他のベンダーソリューションへの移行時にコストと納期が増加するという課題に直面しているのだ。

このような課題に対処するために、ハードウェア中心の開発モデルからソフトウェアファーストな開発モデルへの変革が必要とされている。自動車メーカーとTier1サプライヤーのソフトウェアスタックと、プラットフォーム基盤であるハイパーバイザーおよびチップセットとの間のインターフェースを標準化することで最新技術の採用が容易になるだろう。

SDV標準化における主要な取り組みまとめ

項目	詳細
取り組み1	VirtIOベースのUnified HMIを利用したゾーンアーキテクチャの標準化
取り組み2	クラウドから車両にわたる環境同一性の確保
取り組み3	VirtIO標準化の拡大
連携体制	SOAFEEへの積極的な参加を通じた標準化推進
目的	AI対応のSDVを実現するための自動車・ソフトウェア業界の連携強化

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ソフトウェア・ディファインド・ビークルについて

ソフトウェア・ディファインド・ビークルとは、車両の機能や特性をソフトウェアによって定義・制御する次世代の自動車システムのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

ソフトウェアによる柔軟な機能更新と制御が可能
ハードウェアとソフトウェアの分離による開発効率の向上
標準化されたインターフェースによるベンダー間の互換性確保

自動車業界ではECUの統合が進み、より強力なコンピューティングリソースへの集約が進んでいる状況にある。ソフトウェア・ディファインド・ビークルの実現には、ハイパーバイザーやチップセットの選択肢を柔軟に確保しつつ、ベンダー間の移行コストを抑制する標準化された開発環境が不可欠となっているのだ。

SDV標準化に関する考察

VirtIOベースのインターフェース標準化は、自動車業界のソフトウェア開発における重要な転換点となる可能性が高い。特にベンダーロックインの解消とソフトウェア開発の効率化という点で、自動車メーカーやTier1サプライヤーにとって大きなメリットをもたらすことが期待できるだろう。

一方で、標準化の推進には既存のベンダー固有の技術やノウハウをどのように移行するかという課題が存在する。業界全体での合意形成やレガシーシステムとの互換性確保など、クリアすべき技術的・組織的な課題は少なくないのだ。

今後は自動車のソフトウェア開発においてクラウドネイティブな開発手法の導入が加速すると予想される。SOAFEEを通じた標準化の取り組みが、自動車業界のデジタルトランスフォーメーションを後押しすることになるだろう。

参考サイト

^ PR TIMES. 「パナソニックオートモーティブシステムズとArmがソフトウェア・ディファインド・ビークルの標準化に向けて提携 | パナソニックグループのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005985.000003442.html, (参照 24-11-08).

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