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理化学研究所と富士通が富岳の最新ランキング結果を発表、HPCGで世界一位を10期連続達成

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • 富岳がTOP500で世界6位を獲得
  • HPCGで10期連続の世界1位を達成
  • スーパーコンピューターの総合性能を実証

富岳のスーパーコンピューターランキング最新結果

理化学研究所と富士通は2024年11月19日、スーパーコンピュータ「富岳」が世界のスーパーコンピューター性能ランキングTOP500で第6位を獲得したことを発表した。さらにHPCGベンチマークでは16.00PFLOPSという高いスコアを記録し、10期連続で世界第1位を達成している。[1]

富岳は432筐体(158,976ノード)の構成でLINPACK性能442.01PFLOPSを記録し、実行効率は82.3%という高水準を維持している。TOP500の第1位は米国のEl Capitanで測定結果は1,742PFLOPSとなっており、世界のスーパーコンピューター開発競争が激化している。

また人工知能深層学習で主に用いられる単精度や半精度演算処理に関する性能ベンチマークHPL-MxPでは2.0EFLOPSを記録し、第4位を獲得した。第1位は米国のAuroraで測定結果は11.6EFLOPSとなっており、AI計算性能でも世界最高水準を維持している。

富岳の性能ベンチマーク詳細

ランキング名 測定結果 世界順位 1位との差
HPCG 16.00PFLOPS 1位 1.1倍優位
TOP500 442.01PFLOPS 6位 1,300PFLOPS差
HPL-MxP 2.0EFLOPS 4位 9.6EFLOPS差

共役勾配法について

共役勾配法とは、大規模な連立一次方程式を効率的に解くための反復計算手法の一つである。産業利用などの実際のアプリケーションでよく用いられる手法として、以下のような特徴がある。

  • 疎な係数行列からなる連立一次方程式に適している
  • 反復計算により正確な解に収束する
  • 前処理との組み合わせで高速な解法が可能

HPCGベンチマークは共役勾配法の性能を測定するために開発された指標で、実際のアプリケーションの処理性能をより正確に反映している。富岳は共役勾配法の処理において特に高い性能を発揮し、実用的なスーパーコンピューターとしての価値を証明している。

スーパーコンピューター富岳の性能に関する考察

富岳のHPCGベンチマークにおける10期連続世界一位の達成は、実用的なアプリケーション処理における卓越した性能を示している。特に産業利用において重要な共役勾配法の処理性能が高く評価されており、日本の科学技術計算インフラとしての重要性が改めて確認された。

一方でTOP500における順位の低下は、世界のスーパーコンピューター開発競争の激化を示唆している。特に米国のEl CapitanやAuroraなど、最新のシステムとの性能差は無視できない規模となっており、次世代システムの開発加速が求められている。

富岳の特徴である高い実行効率と安定した処理性能は、Society 5.0の実現に向けた基盤技術として重要な役割を果たすだろう。今後はAI処理性能のさらなる向上と、より広範な産業応用の展開が期待される。

参考サイト

  1. ^ FUJITSU. 「スーパーコンピュータ「富岳」HPCGのランキング結果について : 富士通」. https://pr.fujitsu.com/jp/news/2024/11/19-1.html, (参照 24-11-21).

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