【CVE-2024-9752】Tungsten Automation Power PDFのJPGファイル解析に脆弱性、情報漏洩のリスクが発覚
スポンサーリンク
記事の要約
- Power PDFにJPGファイル解析の脆弱性が発見
- ユーザー入力データの検証が不十分で情報漏洩の可能性
- 悪意のあるファイルやページによって攻撃が可能
スポンサーリンク
Tungsten Automation Power PDFのJPGファイル解析における脆弱性
Zero Day Initiativeは2024年11月22日、Tungsten Automation Power PDFにおいてJPGファイル解析時の脆弱性【CVE-2024-9752】を発見したことを公開した。この脆弱性は適切なユーザー入力データの検証が行われないことに起因しており、割り当てられたオブジェクトの範囲を超えて読み取りが可能になることが判明している。[1]
Zero Day Initiativeによると、この脆弱性を悪用するには攻撃者が作成した悪意のあるページやファイルをユーザーが開く必要があるとされている。Power PDFバージョン5.0.0.10.0.23307において、攻撃者は他の脆弱性と組み合わせることで任意のコード実行が可能になる可能性が指摘された。
CVSSスコアは3.3(深刻度:低)と評価されており、攻撃元区分はローカル、攻撃条件の複雑さは低いとされている。また、特権レベルは不要だがユーザーの関与が必要であり、影響範囲はスコープ外に及ばないものの、機密性への影響が確認されている。
Power PDFの脆弱性詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
CVE番号 | CVE-2024-9752 |
影響を受けるバージョン | 5.0.0.10.0.23307 |
CWE分類 | CWE-125: Out-of-bounds Read |
CVSSスコア | 3.3(LOW) |
影響 | 情報漏洩の可能性 |
攻撃条件 | ユーザーの操作が必要 |
スポンサーリンク
Out-of-bounds Readについて
Out-of-bounds Readとは、プログラムが割り当てられたメモリ領域の範囲外のデータを読み取ろうとする脆弱性のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- バッファオーバーフローの一種で情報漏洩につながる可能性
- メモリ破壊やプログラムのクラッシュを引き起こす可能性
- 他の脆弱性と組み合わせて攻撃に悪用される可能性
Tungsten Automation Power PDFで発見されたOut-of-bounds Read脆弱性は、JPGファイルの解析時にユーザー入力データの検証が適切に行われないことが原因となっている。攻撃者は悪意のあるJPGファイルを作成し、この脆弱性を他の攻撃と組み合わせることで、現在のプロセスのコンテキストで任意のコード実行が可能になる危険性がある。
Power PDFの脆弱性に関する考察
Power PDFの脆弱性がCVSSスコア3.3と比較的低い評価になっているのは、攻撃に必要な条件が厳しく設定されているためだろう。しかし、ユーザーが悪意のあるファイルを開くという条件は、ソーシャルエンジニアリングなどの手法と組み合わせることで容易に達成される可能性がある。企業環境での利用が想定されるPDFツールにおいて、この種の脆弱性は深刻な情報漏洩リスクをもたらす可能性が高い。
今後はJPGファイル解析時のユーザー入力データの検証機能を強化する必要があるだろう。特にメモリ管理の観点から、バッファサイズの確認やバウンダリチェックの実装が重要になってくる。また、PDFファイルに埋め込まれた画像ファイルのサニタイズ機能の追加も、セキュリティ向上に有効な対策となるはずだ。
長期的には、Power PDFの開発においてセキュアコーディングプラクティスの徹底が求められる。特にメモリ安全性に関する脆弱性は、情報漏洩だけでなく任意のコード実行につながる可能性もあり、製品の信頼性に大きく関わってくる。今後のアップデートでは、このような基本的なセキュリティ課題への対応が期待される。
参考サイト
- ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-9752, (参照 24-11-27).
※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。
- 【CVE-2024-50300】Linux kernelのregulator rtq2208で未初期化使用の脆弱性を修正、複数バージョンで対策を実施
- 【CVE-2024-50301】Linuxカーネルで発見されたslab-out-of-bounds脆弱性、key_task_permissionの問題に対処完了
- 【CVE-2024-51669】WordPressプラグインDynamic Widgetsにクロスサイトリクエストフォージェリの脆弱性、バージョン1.6.5で修正完了
- 【CVE-2024-52392】WordPress W3SPEEDSTERプラグインにCSRF脆弱性、バージョン7.25以前のユーザーに影響
- 【CVE-2024-52595】lxml_html_cleanにXSS脆弱性、特殊タグでスクリプト実行が可能に
- 【CVE-2024-53043】Linuxカーネルのmctp i2cモジュールにNULLアドレス処理の脆弱性、セキュリティ更新で対処
- 【CVE-2024-53049】Linuxカーネルslub_kunitの警告問題が修正、システムの安定性向上に貢献
- Linux kernelのio_uringに脆弱性、フリーズ処理時のデッドロックリスクが判明
- 【CVE-2024-53053】LinuxカーネルでUFS CoreのRTCアップデート時のデッドロック問題が修正、システムの安定性向上へ
- 【CVE-2024-53056】Linux kernelのmediatekドライバーでNULLポインタ参照の脆弱性が発見され修正完了
スポンサーリンク