【CVE-2024-9742】Tungsten Automation Power PDFにバッファオーバーフローの脆弱性、任意のコード実行が可能な状態に
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記事の要約
- Power PDFのPSDファイル解析に脆弱性が発見される
- 攻撃者による任意のコード実行が可能な状態
- ユーザーの操作による悪意のあるファイルの開封が必要
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Tungsten Automation Power PDFのバッファオーバーフロー脆弱性
2024年11月22日、Tungsten Automation社のPower PDFにおいて、PSDファイル解析時のヒープベースのバッファオーバーフローによる任意のコード実行の脆弱性が発見された。この脆弱性は【CVE-2024-9742】として識別され、CVSSスコアは7.8(High)と評価されている。[1]
この脆弱性は、ユーザーが悪意のあるページを訪問するか悪意のあるファイルを開くことで攻撃が可能となる状態だ。具体的には、PSDファイルの解析時にユーザーが提供したデータの長さを適切に検証せずに固定長のヒープベースバッファにコピーすることで発生する問題である。
攻撃者はこの脆弱性を利用して、現在のプロセスのコンテキスト内でコードを実行することが可能となっている。Zero Day Initiativeによって追跡されており、ZDI-CAN-24458として管理されている状態だ。
Power PDF 5.0.0.10.0.23307の脆弱性詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
CVE番号 | CVE-2024-9742 |
影響を受けるバージョン | Power PDF 5.0.0.10.0.23307 |
脆弱性の種類 | ヒープベースのバッファオーバーフロー |
CVSSスコア | 7.8(High) |
攻撃の前提条件 | ユーザーの操作が必要 |
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ヒープベースのバッファオーバーフローについて
ヒープベースのバッファオーバーフローとは、プログラムのヒープ領域で発生するメモリ破壊の一種であり、以下のような特徴がある。
- 固定長のバッファに対して想定以上のデータを書き込む脆弱性
- メモリの整合性を破壊し、任意のコード実行を可能にする
- 適切な入力値の検証により防止可能
Power PDFの事例では、PSDファイルの解析時にユーザーが提供したデータの長さを適切に検証せずにヒープバッファにコピーすることで脆弱性が発生している。攻撃者はこの脆弱性を利用して、プログラムの実行フローを制御し任意のコードを実行することが可能となっている。
Power PDFの脆弱性に関する考察
Power PDFの脆弱性は、一般的なPDFソフトウェアにおける画像処理機能の実装における課題を浮き彫りにしている。特にPSDファイルのような複雑な構造を持つファイル形式の処理には、より慎重な入力値の検証とメモリ管理が必要となるだろう。
今後は同様の脆弱性を防ぐため、開発段階での静的解析ツールの活用や、サンドボックス環境での実行など、多層的なセキュリティ対策の実装が求められる。特にユーザー入力を含むファイル処理においては、より厳密なバウンダリチェックとメモリ管理が重要となってくるだろう。
企業のセキュリティ対策として、PDFソフトウェアの定期的なアップデートと、不審なファイルを開く際の注意喚起が重要となる。また開発者側には、セキュアコーディングガイドラインの遵守と、定期的なセキュリティ監査の実施が望まれる。
参考サイト
- ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-9742, (参照 24-11-27).
※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。
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