三菱地所が丸の内エリアで飲食店向け共同調達プラットフォーム「MEC PANTRY」を開始、第一弾は「丸の内精米店」でお米を共同調達

text: XEXEQ編集部

記事の要約

三菱地所が飲食店向け共同調達プラットフォームを開始
第一弾は「丸の内精米店」でお米の共同調達を実施
飲食店の運営コスト低減と地域振興を目指す

三菱地所の飲食店向け共同調達プラットフォーム「MEC PANTRY」の試験運用開始

三菱地所株式会社は、丸の内エリア（大手町・丸の内・有楽町）の飲食店を対象とした共同調達プラットフォーム「MEC PANTRY」の試験運用を2024年8月6日より開始した。第一弾プロジェクトとして、三菱ＨＣキャピタル株式会社と協働し、お米の共同調達「丸の内精米店」のサービス提供を同日より開始している。^[1]

このプラットフォームは、食材やエネルギーなど増大する飲食店の運営コスト低減を目的としている。三菱地所が各地の農家から直接お米を仕入れ、受注ごとに精米し、エリア内の各飲食店へ配送するシステムを構築した。飲食店は精米したての高品質な白米をタイムリーにオンライン発注し、小ロットから仕入れることが可能になった。

「MEC PANTRY」は三菱地所の「新事業提案制度」から生まれたプロジェクトだ。商業部門の社員が、食材費や人件費・エネルギーコスト増大、配送費高騰といった厳しい事業環境に着目し企画・立案した。今後は農作物を提供する地域の自治体とも連携し、丸の内エリアのワーカーや来街者に対して、地域の名産品や産直品のプロモーションを通じた地域振興への貢献も目指している。

「MEC PANTRY」と「丸の内精米店」の特徴まとめ

	MEC PANTRY	丸の内精米店
主な目的	飲食店の運営コスト低減	お米の共同調達
対象エリア	丸の内エリア（大手町・丸の内・有楽町）	丸の内エリア（大手町・丸の内・有楽町）
主な特徴	共同調達プラットフォーム	受注ごとの精米と配送
期待される効果	運営コストの削減、効率的な食材供給	高品質な白米の提供、小ロット仕入れ
将来的な展望	地域振興への貢献	地域の名産品・産直品のプロモーション

共同調達プラットフォームについて

共同調達プラットフォームとは、複数の企業や組織が協力して商品やサービスを一括で調達するシステムのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

大量発注によるコスト削減効果
調達業務の効率化と標準化
サプライヤーとの交渉力強化

共同調達プラットフォームは、参加企業のスケールメリットを活かすことで、個別調達よりも有利な条件で商品やサービスを調達することが可能になる。また、調達業務の一元化により、各企業の業務負担軽減やコスト削減にもつながる。特に中小企業にとっては、大企業と同等の調達力を得られる機会となり、競争力向上に寄与する可能性がある。

三菱地所の共同調達プラットフォームに関する考察

三菱地所の「MEC PANTRY」は、飲食店の運営コスト低減という明確な目的を持っているが、今後の展開次第ではいくつかの課題に直面する可能性がある。例えば、参加飲食店の増加に伴う配送の効率化や、多様な食材への対応など、スケールアップに伴う運営面での課題が予想される。また、地域の農家や生産者との持続可能な関係構築も重要な課題となるだろう。

今後、このプラットフォームがさらに発展していくためには、AIやIoTを活用した需要予測や在庫管理システムの導入が有効だと考えられる。また、参加飲食店同士のコミュニティ形成や情報交換の場を提供することで、新たなビジネスチャンスの創出や地域経済の活性化にもつながる可能性がある。さらに、食品ロスの削減や環境負荷の低減など、SDGsの観点からの取り組みも期待したい。

三菱地所の不動産デベロッパーとしての強みを活かし、物流や飲食業界との連携を深めることで、新たな都市型サービスモデルの確立も期待できる。「MEC PANTRY」を通じて蓄積されるデータを活用し、都市の食を巡る課題解決や新たな価値創造につなげていくことが、今後のプロジェクトの成功と持続可能な都市開発につながるだろう。