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公開：2024-05-15

Outlookでスパム対策を大幅強化、フィッシング防止とユーザビリティ向上へ。送信者情報の可視化やワンクリック配信停止など

text: XEXEQ編集部

Outlookのスパム対策に関する記事の要約

• Outlookのスパム対策機能が強化、送信者のメールアドレス表示でフィッシング防止
• 迷惑フォルダ内のリンクをクリックする際に警告表示、不審なメールの判断が容易に
• 迷惑メールの報告時に送信者のブロックや配信停止も同時に設定可能に
• 高頻度で届くメールの配信停止提案機能で受信トレイのクリーンアップを支援

Outlook for iOSとAndroidで新たなスパム対策機能が利用可能に

Microsoft は2024年5月14日、Outlook for iOSとAndroidにおけるスパム対策機能の強化を発表した。ユーザーは迷惑フォルダ内のメッセージリストで送信者のメールアドレスを確認できるようになり、フィッシングメールの判別がより容易になることが期待される。^[1]

さらに、迷惑フォルダ内のメッセージに含まれるリンクをクリックする際には、警告が表示されるようになった。不審なメールの危険性を事前に知らせることで、ユーザーの安全性が高まるだろう。加えて、迷惑メールを報告する際に送信者のブロック、配信停止の設定を同時に行えるオプションも追加された。

また、高頻度で届くプロモーションメールなどを検知し、ワンクリックで配信停止できる機能も実装される。受信トレイの整理やクリーンアップを支援することで、重要なメールに集中しやすい環境づくりに貢献するはずだ。

Outlook on the webで迷惑メール対策が強化、配信停止提案やなりすまし検知も

Outlook on the webでは、迷惑メールの報告と同時に送信者のブロックや配信停止が設定できるようになった。ユーザーの手間を減らしつつ、より効果的にスパムメールを排除することが可能だ。不要なメールを受信し続けるストレスから解放されることだろう。

高頻度で届くメールを検知し、ワンクリックで配信停止できる機能もウェブ版に実装された。受信トレイのクリーンアップを支援し、生産性の向上につなげるねらいがある。さらに、送信者のなりすましを検知する機能も追加され、フィッシング詐欺などのリスク回避に役立つはずだ。

これらの機能強化は、2024年6月以降に順次ロールアウトされる予定である。セキュリティ意識の高まりを受け、メールクライアントにもより高度な保護機能が求められている。ユーザーの利便性と安全性を両立させる継続的な改善に期待したい。

新Outlook for WindowsとMacでもスパム対策が順次強化へ

スパム対策の強化は、新Outlook for WindowsとMacでも順次適用されていく計画のようだ。具体的なスケジュールは明らかになっていないが、各プラットフォームでの統一的なセキュリティ体験の提供を目指すMicrosoftの方針が感じられる。

PCにおけるメールの利用は、スマートフォンと比べても根強い。特にビジネスシーンでは欠かせないコミュニケーションツールであり、情報漏洩のリスクを常にはらんでいる。デスクトップ版Outlookの防御力強化は、企業の情報セキュリティ対策に直結する重要な施策と言えるだろう。

一方で、過剰な保護機能はユーザビリティを損なう恐れもあり、利便性とのバランスを考慮した慎重な設計が求められる。ビジネスユーザーの生の声を反映し、現場で使いやすいスパム対策の実現に向けて、Microsoftの真価が問われることになりそうだ。

考察

Outlookのスパム対策強化は、巧妙化するフィッシング詐欺やビジネスメール詐欺（BEC）の脅威に対する有効な一手となるだろう。メールはサイバー攻撃の主要な侵入経路の一つであり、ユーザー自身による適切な判断を促すUXの設計は非常に重要だ。送信者情報の可視化や警告表示、ワンクリックでの配信停止など、一連のアップデートはその方向性に沿ったものと評価できる。

同時に、セキュリティ意識の低いユーザーをどう守るかという課題もある。スパム対策機能の初期設定を安全側に寄せることはもちろん、定期的な注意喚起やフィッシング訓練など、ユーザーの意識向上に向けた施策も欠かせない。機能強化と平行して、わかりやすいガイダンスやリテラシー教育にも力を入れてほしい。

将来的には、AIを活用した高度なスパム検知の実現にも期待が集まる。メールの内容や送信パターンから怪しい兆候を自動検知し、ユーザーに警告を発するような仕組みだ。プライバシーとのバランスに配慮しつつ、Microsoftの持つビッグデータとAI技術を結集することで、さらに一歩進んだ防御策が講じられるかもしれない。

いずれにせよ、メールのセキュリティ対策に終わりはない。新たな脅威が次々と登場する中、ユーザーを守るための不断の努力が求められている。定番メールクライアントとしての地位を確立したOutlookには、業界をリードする存在としての役割を果たしてもらいたい。

参考サイト

1. ^ Microsoft 365 Insider. 「Improvements to tackle spam in Outlook」. https://insider.microsoft365.com/en-us/blog/improvements-to-tackle-spam-in-outlook, (参照 24-05-28).
2. Microsoft. https://www.microsoft.com/ja-jp

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