ARIが横浜市立大学と戸塚共立第２病院と共同で全身麻酔患者状態のAI予測システムを開発、英国麻酔学会で発表へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

ARIが医療AI分野で共同研究を開始
全身麻酔患者状態のAI予測モデルを開発
2024年英国麻酔学会に演題登録を実施

ARIの医療AI分野における共同研究開始と全身麻酔患者状態のAI予測モデル開発

ＡＲアドバンストテクノロジ株式会社は横浜市立大学医学部麻酔科学教室及び医療法人横浜未来ヘルスケアシステム戸塚共立第２病院と共同で全身麻酔患者状態のAI予測及びナレッジ共有システムに関する研究を開始した。この研究の成果として7月10日付けで3者連名での特許申請を行い医療AI分野での新たな取り組みを進めている。^[1]

本研究では麻酔患者の血圧や心拍数をはじめとする電子化されたデータをリアルタイムでAIが分析し今後起こりうるイベントを予測するシステムの開発を目指している。このシステムは手術中の患者の安全性向上と手術後の回復を視野に入れた麻酔診療の実現を可能にし医療の質の向上に貢献することが期待されている。

さらにARIは本研究の新規性を示すため2024年9月25日から27日にかけて開催される英国麻酔科学会学術大会に演題登録を行い発表に採択された。この発表を通じて開発中のAI予測モデルの有効性や将来性を国際的な場で示すことができ医療AI分野での更なる発展が期待される。

全身麻酔患者状態のAI予測及びナレッジ共有システムの特徴

項目	詳細
研究内容	全身麻酔患者状態のAI予測及びナレッジ共有システム開発
共同研究機関	ARI、横浜市立大学医学部麻酔科学教室、戸塚共立第２病院
特許申請日	2024年7月10日
学会発表	2024年英国麻酔科学会学術大会（9月25日〜27日）
システムの目的	手術中の患者安全性向上、手術後の回復を視野に入れた麻酔診療
期待される効果	医療の質向上、リスクの高い患者の手術安全性向上

全身麻酔について

全身麻酔とは、手術中に患者の意識を完全に消失させ痛みを感じないようにする麻酔方法のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

患者の意識を完全に消失させる
体全体の痛みを遮断する
筋肉を弛緩させる

全身麻酔の効果を確実に達成するためには薬物投与の適切なコントロールが必要不可欠である。しかし同時に低血圧などの合併症のリスクもあるため常に患者の状態を慎重に監視し予測しながら麻酔管理を行う必要がある。ARIらの研究による全身麻酔患者状態のAI予測システムは、このような複雑な麻酔管理をサポートし医療の質と安全性の向上に寄与することが期待されている。

全身麻酔患者状態のAI予測システムに関する考察

全身麻酔患者状態のAI予測システムの開発は、麻酔科医の負担軽減と患者の安全性向上という点で画期的な取り組みだ。リアルタイムでのデータ分析と予測機能により、麻酔科医は複数の患者を同時に管理する際でも高い水準の注意力を維持することが可能になるだろう。一方で、AIの判断に過度に依存することで、麻酔科医の経験や直感に基づく判断力が低下する可能性も懸念される。

この問題に対する解決策として、AIシステムを補助ツールとして位置づけ麻酔科医の判断を最終的に尊重する運用方針の策定が考えられる。また、AIの予測結果と実際の患者の状態を常にフィードバックし、システムの精度を継続的に向上させる仕組みも重要だ。さらに、麻酔科医がAIシステムを適切に活用するためのトレーニングプログラムの開発も必要になるだろう。

今後、このAI予測システムが進化することで、個々の患者の特性や手術の種類に応じたよりパーソナライズされた麻酔管理が可能になることが期待される。また、蓄積されたデータを活用することで、新たな麻酔管理の知見や手法の発見につながる可能性もある。医療AIの発展が、麻酔科学の進歩と患者ケアの質向上にどのような影響を与えるか、今後の展開から目が離せない。

参考サイト

^ PR TIMES. 「【特許出願中】ARI、横浜市立大学医学部麻酔科学教室及び医療法人横浜未来ヘルスケアシステム戸塚共立第２病院と医療AI分野において共同研究開始 | ＡＲアドバンストテクノロジ株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000066765.html, (参照 24-09-04).

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