DX

ディーエックス

公開：2024-09-04

KDDIなど4社が3D点群データのリアルタイム伝送に成功、トンネル建設現場の施工管理効率化へ前進

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 3D点群データのリアルタイム伝送に成功
• トンネル建設現場の施工管理効率化を実現
• Satellite Mobile Linkを活用した通信環境構築

KDDIらが3D点群データのリアルタイム伝送実証に成功

KDDI株式会社、株式会社KDDI総合研究所、KDDIスマートドローン株式会社、清水建設株式会社は2024年8月6日、北海道新幹線の渡島トンネル上二股工区において、トンネル建設現場からの3D点群データのリアルタイム伝送実証に成功したことを発表した。この実証では、Starlinkによる「Satellite Mobile Link」を活用し、auの通信エリアを構築している。^[1]

本実証では、四足歩行ロボットやドローンに搭載したLiDAR 3Dスキャナーで撮影した3D点群データを、清水建設のイノベーション創出拠点「温故創新の森NOVARE」へリアルタイムで伝送することに成功した。KDDI総合研究所が開発した3D点群データのリアルタイムエンコーダーにより、伝送に必要な帯域を約1/20に圧縮することが可能となっている。

この技術を活用することで、施工進捗や壁面のずれ・亀裂などの異常を遠隔からリアルタイムで確認できるようになる。従来は数時間かかっていたデータ確認が10秒以内に短縮され、建設現場の定期巡回や施工管理にかかる時間を大幅に削減することが可能になる。今後も人手がかかる作業のDXを目指し、実用化に向けた取り組みを進めていく方針だ。

3D点群データのリアルタイム伝送実証の概要

3D点群データについて

3D点群データとは、3次元空間内の物体や環境を点の集合として表現したデジタルデータのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• x、y、z座標を持つ点の集合で物体や空間を表現
• 高精度な3次元形状の再現が可能
• 測量や建設現場での活用が進んでいる

建設現場での3D点群データの活用は、施工管理や進捗確認の効率化に大きく貢献する。今回の実証では、KDDI総合研究所が開発したG-PCC（Geometry-based point cloud compression）に対応したリアルタイムエンコーダーを使用することで、3D点群データの圧縮と高速伝送を実現している。これにより、遠隔地からのリアルタイムな現場状況の把握が可能となり、建設プロジェクトの効率化と安全性向上に寄与することが期待される。

3D点群データのリアルタイム伝送に関する考察

3D点群データのリアルタイム伝送技術は、建設業界のDXを大きく推進する可能性を秘めている。特に、遠隔地からのリアルタイムな現場監視や施工管理が可能になることで、人手不足や作業効率の向上といった建設業界の課題解決に大きく貢献すると考えられる。さらに、この技術は建設現場だけでなく、災害時の状況把握や都市計画など、幅広い分野での活用が期待できるだろう。

一方で、大容量データの伝送に伴うネットワーク負荷や、データのセキュリティ管理などの課題も考えられる。特に、建設現場のような屋外環境では、安定した通信環境の確保が重要になってくる。今後は、5G/6Gなどの次世代通信技術との連携や、エッジコンピューティングの活用など、より安定的かつ効率的なデータ伝送システムの開発が求められるだろう。

また、3D点群データの活用範囲をさらに拡大するためには、AIによるデータ解析技術の発展も重要だ。例えば、機械学習を用いた異常検知システムと組み合わせることで、人間の目では見落としがちな微細な変化や異常を自動的に検出し、事故や災害の未然防止につなげることができるかもしれない。今後は、建設業界のみならず、様々な産業分野でのデジタルツイン実現に向けた取り組みが加速することが期待される。

参考サイト

1. ^ KDDI. 「Starlink活用によるトンネル建設現場からの3D点群データのリアルタイム伝送に成功 | KDDI News Room」. https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-232_3493.html, (参照 24-09-04).

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

「DX」に関するコラム一覧「DX」に関するニュース一覧