西海市役所がばりぐっどくんを導入、2ヶ月で2072時間の業務時間削減を実現し自治体AI活用の先駆けに

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

西海市役所が生成AI「ばりぐっどくん」を全庁導入
2ヶ月で2,072時間相当の業務時間削減を実現
職員の57%がAIを利用し、87%が継続利用

西海市役所の生成AI導入で業務効率化を実現

株式会社西海クリエイティブカンパニーは、長崎県西海市役所に自治体向け生成AIサービス「ばりぐっどくん」を全庁導入したことを2024年9月3日に発表した。西海市役所情報推進課が実施した全職員対象のアンケート結果によると、導入開始から2ヶ月で顕著な業務効率化を達成し、地方自治体におけるAI推進のベンチマークとなりうるデータが確認された。^[1]

アンケート結果から、職員の57%がAIにログインし、そのうち87%が継続的に利用していることが明らかになった。利用頻度調査では、触ったことがある職員のうち、最初のログイン後に利用を中止した職員は13%にとどまり、高い継続利用率を示している。また、本部セクションほど有用性の認識が高く、いずれの部署でも概ね8割以上が有用性を認識している。

業務時間の削減効果も顕著で、職員1人当たり平均12分/日の時間削減効果が確認された。これは年間で延べ124,344時間の削減に相当する。議会業務や企画立案業務においても高い有用性が確認され、特にマネジメント層で高い削減効果が見られた。全体で88%の職員が「大いに役に立ちそう」「それなりに役に立ちそう」と回答している。

西海市役所の生成AI導入効果まとめ

	利用状況	時間削減効果	有用性認識
全体	57%がAIにログイン	1人当たり12分/日	88%が有用性を認識
継続利用率	87%	年間124,344時間相当	本部セクションで80-90%
部門別効果	議会業務で高効果	企画立案業務で高効果	管理職層で90%以上

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生成AIについて

生成AIとは、人工知能技術の一種で、新しいデータや情報を自動的に生成する能力を持つシステムのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

大量のデータから学習し、新しい情報を生成
テキスト、画像、音声など多様な形式のデータを扱える
業務効率化や創造的タスクの支援に活用可能

西海市役所が導入した「ばりぐっどくん」は、自治体業務に特化した生成AIサービスである。このサービスは自治体の独特でセキュリティ要件の高い職場環境に適合するよう設計されており、議会特化、議事録特化、要約特化、音声文字起こしなど、多岐にわたる自治体業務プロセスに対応している。LGWAN対応やISMS国際標準規格「ISO27001」認証取得など、セキュリティ面でも信頼性が高い。

ばりぐっどくんの全庁導入に関する考察

西海市役所による生成AI「ばりぐっどくん」の全庁導入は、自治体業務の効率化に大きな可能性を示している。特に、導入からわずか2ヶ月で2,072時間相当の業務時間削減を実現したことは、AIの即効性と高い有用性を証明している。一方で、AI導入による業務プロセスの変化に適応できない職員が出てくる可能性もあり、継続的な研修やサポート体制の整備が必要になるだろう。

今後の課題として、AIの判断や提案の精度向上が挙げられる。自治体業務は多岐にわたり、また地域特性も考慮する必要があるため、AIの学習データの質と量の確保が重要となる。解決策としては、他の自治体との連携によるデータ共有や、専門家による定期的なAIの精度評価と調整が考えられる。また、セキュリティ面での継続的な強化も不可欠だ。

将来的には、AIによる政策立案支援や市民サービスの自動化など、より高度な機能の追加が期待される。例えば、過去の政策データや市民の声を分析し、新たな施策を提案するAIアシスタントの開発などが考えられる。西海市役所の取り組みが他の自治体のモデルケースとなり、行政のデジタル化とサービス向上が加速することを期待したい。

参考サイト

^ PR TIMES. 「生成AI「ばりぐっどくん」を全庁導入した西海市役所、業務効率化の顕著な成果を実現。年間のKPI 3,500時間削減の6割にあたる2,072時間相当の業務時間削減を2ヶ月で実現。 | 株式会社西海クリエイティブカンパニーのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000056.000036415.html, (参照 24-09-04).

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