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公開：2024-09-04

大和ハウスグループがAIスタートアップRUTILEAに出資、建設業の生産性向上とAI活用の加速へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 大和ハウスベンチャーズがRUTILEAに出資
• RUTILEAはAI導入プロセスの簡素化を目指す
• バーティカルAIとAI開発プラットフォーム事業を展開

大和ハウスグループによるRUTILEAへの出資とAIサービス展開

大和ハウスグループの大和ハウスベンチャーズ株式会社は2024年7月31日、"将来の夢"ファンドからAIスタートアップのRUTILEA（ルティリア）へ出資を行った。RUTILEAは「AIの導入プロセスを簡単にし、すべての業務プロセスにAIが組み込まれた社会を実現します。」をビジョンとして掲げており、バーティカルAI事業とAI開発プラットフォーム事業の2つのセグメントでAIサービスを提供する予定だ。^[1]

バーティカルAI事業では、官公庁やメーカーなどの特定市場や業種に特化したAIを開発するサービスを展開する。業界特化型の独自データセットを構築し、これを用いてLLMを含む生成AIの開発・運用を請け負う。製品や部品の外観検査の自動化支援や工場などの生産ラインにおける動画分析による効率化支援を実現することが可能になる。

一方、AI開発プラットフォーム事業では、GPUクラウドと一般公開されているAIを利用できるAI開発環境の提供を予定している。このプラットフォームでは、高度かつ大量の計算処理に必要なGPUを安定的に調達しているため、サービス利用者は効率的で快適な環境でAI開発を行うことができる。RUTILEAは経済産業省より経済安全保障推進法に基づくクラウドプログラムの認定も受けており、小規模データセンターの開発において当制度の助成金を活用する予定だ。

RUTILEAのAIサービス概要

RUTILEAの公式サイトはこちら

LLMについて

LLMとは「Large Language Model（大規模言語モデル）」の略称で、膨大なテキストデータを学習し、人間のような自然言語処理を行うAIモデルのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 大量のテキストデータを学習し、文脈を理解
• 自然言語での対話や文章生成が可能
• 多様なタスクに適用可能な汎用性の高さ

RUTILEAのバーティカルAI事業では、LLMを含む生成AIの開発・運用を請け負うことが予定されている。業界特化型の独自データセットを用いることで、特定の市場や業種に最適化されたAIサービスを提供することが可能になる。これにより、製品検査や生産ライン効率化など、より専門的で高度なAI活用が実現できるだろう。

RUTILEAへの出資に関する考察

大和ハウスグループによるRUTILEAへの出資は、建設業界におけるAI活用の可能性を大きく広げる取り組みだと言える。RUTILEAが提供するバーティカルAI事業は、建設現場での品質管理や安全監視などへの応用が期待でき、業界全体の生産性向上に貢献する可能性が高い。一方で、AI技術の急速な進化に伴い、個人情報保護やAI倫理の問題が顕在化する可能性もあるだろう。

これらの課題に対しては、業界団体と連携した明確なガイドラインの策定や、AI利用に関する従業員教育の徹底が解決策として考えられる。また、今後はAIを活用した建設プロジェクトの最適化や、環境負荷低減のためのスマートビルディング管理など、より高度なAI機能の開発が期待される。建設業界特有の知見とAI技術の融合により、安全性の向上や環境配慮型の建築設計など、社会的価値の創出につながる新たなイノベーションが生まれる可能性も高い。

大和ハウスグループとRUTILEAの協業は、単なる技術導入にとどまらず、建設業界全体のデジタルトランスフォーメーションを加速させる契機となるだろう。今後は、AIの実用化に向けた実証実験の推進や、他業界との連携によるオープンイノベーションの促進など、より幅広い視点での取り組みに期待がかかる。建設業とAI技術の融合がもたらす新たな価値創造に、引き続き注目していく必要がある。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「大和ハウスグループからＡＩスタートアップのＲＵＴＩＬＥＡに出資（ニュースレター） | 大和ハウス工業株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002166.000002296.html, (参照 24-09-04).
2. 経済産業省. https://www.meti.go.jp/index.html

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