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【CVE-2024-44999】Linux Kernelに初期化されていないリソース使用の脆弱性、広範囲のバージョンに影響

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • Linux Kernelに初期化されていないリソースの使用の脆弱性
  • CVSS v3による深刻度基本値は7.1(重要)
  • 影響を受けるLinux Kernelバージョンが多数存在

Linux Kernelの初期化されていないリソース使用の脆弱性が発見される

Linuxの Linux Kernelにおいて、初期化されていないリソースの使用に関する脆弱性が発見された。この脆弱性は、CVSS v3による深刻度基本値が7.1(重要)と評価されており、攻撃元区分はローカル、攻撃条件の複雑さは低いとされている。また、攻撃に必要な特権レベルは低く、利用者の関与は不要であることが明らかになった。[1]

影響を受けるLinux Kernelのバージョンは多岐にわたっており、4.7以上4.19.321未満、4.20以上5.4.283未満、5.5以上5.10.225未満、5.11以上5.15.166未満、5.16以上6.1.107未満、6.2以上6.6.48未満、6.7以上6.10.7未満、6.11が対象となっている。この脆弱性により、攻撃者は情報を取得したり、サービス運用妨害(DoS)状態を引き起こしたりする可能性があるとされている。

ベンダーからは正式な対策が公開されており、Kernel.org git repositoriesにて、各バージョンに対応したパッチが提供されている。ユーザーは、これらのパッチを適用することで脆弱性に対処することができる。また、この脆弱性はCVE-2024-44999として識別されており、CWEによる脆弱性タイプは初期化されていないリソースの使用(CWE-908)に分類されている。

Linux Kernel脆弱性の影響を受けるバージョンまとめ

バージョン範囲 影響を受けるバージョン
4.x系 4.7以上4.19.321未満
5.x系(前半) 4.20以上5.4.283未満, 5.5以上5.10.225未満
5.x系(後半) 5.11以上5.15.166未満, 5.16以上6.1.107未満
6.x系 6.2以上6.6.48未満, 6.7以上6.10.7未満, 6.11

CVSSについて

CVSSとは、Common Vulnerability Scoring Systemの略称で、情報システムの脆弱性の深刻度を評価するための業界標準指標である。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 0.0から10.0までのスコアで脆弱性の重大度を表現
  • 攻撃の難易度や影響度など複数の要素を考慮して評価
  • バージョン3が最新で、より詳細な評価が可能

本脆弱性のCVSS v3による深刻度基本値は7.1(重要)と評価されている。これは、攻撃元区分がローカルで、攻撃条件の複雑さが低く、攻撃に必要な特権レベルが低いことを示している。また、利用者の関与が不要であり、機密性への影響が高く、可用性への影響も高いことから、重要度の高い脆弱性であることがわかる。

Linux Kernelの脆弱性に関する考察

Linux Kernelの初期化されていないリソースの使用に関する脆弱性が発見されたことは、オープンソースコミュニティにとって重要な警鐘となるだろう。この脆弱性は広範囲のバージョンに影響を及ぼしており、多くのLinuxシステムが潜在的なリスクにさらされている可能性がある。特に、攻撃条件の複雑さが低く、特権レベルも低いため、攻撃者にとって比較的容易な標的となり得る点は懸念材料だ。

今後、この脆弱性を悪用したサイバー攻撃が増加する可能性があり、特に重要インフラや企業システムを狙った攻撃が懸念される。対策としては、ベンダーが提供するパッチを迅速に適用することが最も効果的だが、大規模なシステムでは即座の適用が困難な場合もあるだろう。そのような状況下では、ネットワークセグメンテーションの強化やアクセス制御の見直しなど、多層防御の観点からのセキュリティ対策が重要となる。

今後、Linux Kernelの開発プロセスにおいて、初期化処理の厳格化やリソース管理の改善など、根本的な対策が講じられることが期待される。また、脆弱性の早期発見と迅速な対応を可能にするため、オープンソースコミュニティとセキュリティ研究者の協力体制をより強化していく必要があるだろう。この事例を教訓に、ソフトウェア開発における安全性の重要性が再認識され、より堅牢なシステム設計につながることを期待したい。

参考サイト

  1. ^ JVN. 「JVNDB-2024-007581 - JVN iPedia - 脆弱性対策情報データベース」. https://jvndb.jvn.jp/ja/contents/2024/JVNDB-2024-007581.html, (参照 24-09-11).

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