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公開：2024-09-11

MiRESSOが「J-Startup TOHOKU」に選定、フュージョンエネルギー実現に向けた低温精製技術で注目を集める東北発スタートアップ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• MiRESSOが「J-Startup TOHOKU」に選定
• 低温精製技術でベリリウム生産問題を解決
• 東北発スタートアップとして鉱物資源に貢献

MiRESSOが「J-Startup TOHOKU」に選定され東北発スタートアップとして注目

株式会社MiRESSOは経済産業省東北経済産業局及び仙台市が進める「J-Startup TOHOKU」に選定された。MiRESSOは青森県三沢市に本社を置き、"鉱物資源の可能性を引き出し、明るい未来を次世代につなぐ"をミッションとして掲げるスタートアップ企業だ。今回の選定は3次選定として行われ、6社のうちの1社として選ばれている。^[1]

MiRESSOの主力事業は、フュージョンエネルギー実現のボトルネックとなっているベリリウムの生産量不足と高コスト問題の解決だ。同社は化学処理とマイクロ波加熱を複合させた低温精製技術により、従来2,000℃の高温処理が必要だったベリル鉱石の溶解を300℃以下の低温且つ常圧で実現している。

代表取締役CEOの中道勝氏は、東北地方の貴重な自然や文化的遺産を活かしつつ、次世代エネルギー源のフュージョンエネルギーの早期実現を目指すとコメントしている。MiRESSOは東北発スタートアップとして、鉱物資源の安定供給、新産業と雇用の創出の観点から貢献することを目指している。

MiRESSOの事業概要まとめ

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フュージョンエネルギーについて

フュージョンエネルギーとは、核融合反応を利用して発電を行うエネルギー生成方式のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 水素同位体を燃料とし、CO2を排出しないクリーンエネルギー
• 少量の燃料から大量のエネルギーを取り出せる高効率な発電方式
• 燃料となるトリチウムを運転しながら自己生産可能

フュージョンエネルギーの実現には、中性子増倍材としてベリリウムが大量に必要となる。しかし、現状ではベリリウムの生産量不足と高コストが課題となっている。MiRESSOの低温精製技術は、この課題を解決し、フュージョンエネルギーの社会実装を加速させる可能性を秘めている。

MiRESSOの「J-Startup TOHOKU」選定に関する考察

MiRESSOの「J-Startup TOHOKU」選定は、東北地域のスタートアップエコシステム強化という点で重要な意味を持つ。特にフュージョンエネルギーという次世代技術に貢献する企業が選ばれたことは、東北地方が先端技術の発信地となる可能性を示している。ただし、ベリリウム生産には環境への配慮が不可欠であり、低温精製技術の安全性と持続可能性の検証が今後の課題となるだろう。

MiRESSOの技術が実用化されれば、フュージョンエネルギーの実現が大きく前進する可能性がある。一方で、ベリリウムの大量生産に伴う鉱山開発や資源の偏在化といった新たな問題が浮上する可能性も考えられる。これらの課題に対しては、国際的な協力体制の構築や代替材料の研究開発など、多角的なアプローチが求められるだろう。

今後、MiRESSOには技術開発の加速とともに、環境保全や地域貢献といった社会的責任も求められる。東北地方の自然や文化的遺産を活かしつつ、グローバルな視点で事業を展開することが期待される。また、同社の成功例が他の東北発スタートアップの励みとなり、地域全体のイノベーション創出につながることを期待したい。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「株式会社MiRESSO、「J-Startup TOHOKU」に選定 | 株式会社MiRESSOのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000129969.html, (参照 24-09-11).
2. 経済産業省. https://www.meti.go.jp/index.html

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