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【CVE-2024-45107】Adobe Acrobat/Readerに解放済みメモリ使用の脆弱性、ASLR回避のリスクに注意

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • Adobe Acrobat/Readerに解放済みメモリ使用の脆弱性
  • CVSS v3基本値5.5の警告レベルの脆弱性
  • ベンダーから正式な対策が公開済み

Adobe Acrobat/Readerの脆弱性によりASLR回避のリスク

アドビは、Adobe AcrobatおよびReaderに解放済みメモリの使用に関する脆弱性が存在することを公表した。この脆弱性は、CVSS v3による深刻度基本値が5.5(警告)と評価されており、攻撃者により悪意のあるファイルを介してASLRなどの緩和策を回避される可能性がある。また、重要なメモリ情報が公開されるリスクも指摘されている。[1]

影響を受けるバージョンは、Windows/macOS向けのAdobe Acrobat 2024 (Classic 2024) 24.001.30159未満、Adobe Acrobat 2020 (Classic 2020) 20.005.30655未満、Adobe Acrobat DC (連続トラック) 24.002.21005未満、Adobe Acrobat Reader DC (連続トラック) 24.002.21005未満、Adobe Acrobat Reader DC 2020 (Classic 2020) 20.005.30655未満である。アドビは、この脆弱性に対する正式な対策を既に公開しており、ユーザーに対して適切な対応を求めている。

この脆弱性は、CVE-2024-45107として識別されており、CWEによる脆弱性タイプは解放済みメモリの使用(CWE-416)に分類されている。NVDの評価によると、攻撃元区分はローカルであり、攻撃条件の複雑さは低いとされている。また、攻撃に必要な特権レベルは不要だが、利用者の関与が必要とされており、影響の想定範囲に変更はないとされている。

Adobe Acrobat/Reader脆弱性の影響範囲

製品 影響を受けるバージョン プラットフォーム
Adobe Acrobat 2024 (Classic 2024) 24.001.30159未満 Windows/macOS
Adobe Acrobat 2020 (Classic 2020) 20.005.30655未満 Windows/macOS
Adobe Acrobat DC (連続トラック) 24.002.21005未満 Windows/macOS
Adobe Acrobat Reader DC (連続トラック) 24.002.21005未満 Windows/macOS
Adobe Acrobat Reader DC 2020 (Classic 2020) 20.005.30655未満 Windows/macOS

解放済みメモリの使用について

解放済みメモリの使用とは、プログラムが既に解放されたメモリ領域にアクセスしようとする脆弱性のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • プログラムのクラッシュや予期せぬ動作を引き起こす可能性がある
  • 攻撃者によって悪用され、任意のコード実行につながる可能性がある
  • メモリ管理の不適切な実装によって発生することが多い

Adobe AcrobatおよびReaderの脆弱性では、この解放済みメモリの使用が攻撃者によって悪用される可能性がある。攻撃者は悪意のあるファイルを介してASLRなどのセキュリティ緩和策を回避し、重要なメモリ情報を公開させる可能性がある。この脆弱性は、PDFファイルの処理において発生する可能性が高く、ユーザーが悪意のあるPDFを開くことで攻撃が成功する可能性がある。

Adobe Acrobat/Readerの脆弱性対応に関する考察

Adobe AcrobatおよびReaderの脆弱性対応において評価すべき点は、アドビが迅速に正式な対策を公開したことだ。これにより、ユーザーは速やかに脆弱性を修正し、セキュリティリスクを低減することが可能となった。一方で、この種の脆弱性が繰り返し発見されることは、PDFファイルの複雑さとセキュリティ維持の難しさを示唆している。

今後の課題としては、PDFファイルの処理におけるメモリ管理の更なる強化が挙げられる。特に、解放済みメモリへのアクセスを防ぐためのより堅牢なチェック機構の実装や、メモリ割り当て・解放のライフサイクル管理の改善が必要となるだろう。また、ASLRなどの既存のセキュリティ緩和策を回避されないよう、新たな保護機能の開発や既存機能の強化も検討すべきだ。

将来的には、Adobe AcrobatおよびReaderにAI技術を活用したセキュリティ機能の導入が期待される。例えば、機械学習を用いて不審なファイルや異常な動作を検出し、事前に脅威を防御する仕組みの実装などが考えられる。さらに、ユーザーへのセキュリティ教育やアップデート促進の取り組みも重要であり、脆弱性対策の迅速な適用率向上につながるだろう。

参考サイト

  1. ^ JVN. 「JVNDB-2024-007573 - JVN iPedia - 脆弱性対策情報データベース」. https://jvndb.jvn.jp/ja/contents/2024/JVNDB-2024-007573.html, (参照 24-09-11).

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