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JOGMECがマレーシアCCS事業の設計作業を受託、日本企業8社が参画し国際的なCO₂貯留プロジェクトを推進

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • JOGMECがマレーシアCCS事業の設計作業等を受託
  • 日本側8社とPETRONASがCCSバリューチェーン構築を検討
  • サラワク州沖合の枯渇ガス田をCO₂貯留地として調査

JOGMECがマレーシアでのCCS事業設計作業を受託、日本企業8社が参画

独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、令和6年度「先進的CCS事業に係る設計作業等」に関する業務公募において、マレーシア サラワク州におけるCCS事業に係る設計作業等の受託契約を2024年9月11日に締結した。この契約には、石油資源開発、日揮HD、川崎汽船、JFEスチール、三菱ガス化学、三菱ケミカル、中国電力、日本ガスラインの日本側8社が参画している。[1]

日本側8社は、国内の製鉄所、発電所、化学工場等から排出されるCO₂の分離・回収・液化に必要な設備やコストの検討作業を進める。また、プロジェクトの共同推進者であるPETRONAS CCS Ventures Sdn. Bhd.(PCCSV)と共に、サラワク州までの海上輸送、圧入・貯留までに必要な設備ならびにコストの検討を共同で進めていく。

このプロジェクトは、日本国内およびマレーシア国内で排出されるCO₂の回収、輸送、貯留を含む包括的なCCSバリューチェーンの構築を目指している。サラワク州沖合のM3ガス田を始めとする枯渇ガス田をCO₂貯留地として活用し、事業の採算性調査を進めている。

マレーシアCCS事業の主要ポイント

日本側 マレーシア側
主要参加企業 JAPEX、日揮HD、川崎汽船など8社 PETRONAS CCS Ventures、Petroleum Sarawak Berhad
主な役割 CO₂分離・回収・液化、海上輸送 CO₂受入、圧入・貯留
対象施設 製鉄所、発電所、化学工場等 サラワク州沖合枯渇ガス田
契約状況 JOGMEC設計作業等受託契約締結 CO₂貯留地契約締結

CCSについて

CCSとは、Carbon Capture and Storage(CO₂の回収・貯留)の略称で、温室効果ガス削減のための重要な技術の一つだ。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • 大規模排出源からCO₂を分離・回収
  • 回収したCO₂を地中や海底下に長期間貯留
  • 既存の化石燃料利用と両立可能な脱炭素技術

本プロジェクトでは、日本国内の製鉄所や発電所などから排出されるCO₂を回収し、液化して海上輸送によりマレーシアまで運搬する。その後、サラワク州沖合の枯渇ガス田に圧入・貯留することで、国際的なCCSバリューチェーンの構築を目指している。これにより、日本とマレーシア両国の脱炭素化に貢献することが期待されている。

マレーシアCCS事業に関する考察

マレーシアでのCCS事業は、日本の技術力と資金力、そしてマレーシアの地理的優位性を組み合わせた画期的なプロジェクトだ。特に、日本国内で排出されるCO₂を海外で貯留するという国際的なスキームは、国内に適地が少ない日本にとって重要な脱炭素戦略となり得る。一方で、長距離の海上輸送に伴うコストやリスク、そして国際的な法規制の整備など、克服すべき課題も多く存在している。

今後、このプロジェクトの成功は、アジア地域全体のCCS事業展開にも大きな影響を与える可能性がある。特に、同様の地理的条件を持つ東南アジア諸国にとっては、重要なケーストイデーとなるだろう。また、日本企業にとっては、CCS関連技術の海外展開や、国際的な排出権取引への参画など、新たなビジネス機会の創出にもつながる可能性がある。

長期的には、このようなCCS事業の大規模展開が、アジア地域全体の脱炭素化を加速させることが期待される。しかし、技術の進歩や再生可能エネルギーの普及状況、そして国際的な環境規制の動向など、様々な要因がCCSの将来的な位置づけに影響を与える可能性がある。今後も継続的な技術革新と国際協力の強化が、このプロジェクトの成功と持続可能な展開には不可欠だろう。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「JOGMEC令和6年度「先進的CCS事業に係る設計作業等」公募においてマレーシア サラワク州におけるCCS事業に係る設計作業等を受託 | 日揮ホールディングス株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000232.000065135.html, (参照 24-09-16).

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