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公開：2024-09-19

AutoX3がAI自動車診断技術で日本市場に進出、整備士の技術依存からの脱却を目指す

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• AutoX3が日本市場に進出、AIによる自動車診断技術を提供
• 画像解析で不具合予測、3Dモデルで車両状態を可視化
• 2024年末までに日本での販売実績を目指す

AutoX3の日本市場進出とAI自動車診断技術

シンガポールに本社を置くスタートアップ企業AutoX3が、自動車の販売・修理に関するデジタル技術を提供する事業で日本市場に進出した。2024年9月18日、同社は人工知能（AI）による画像解析で自動車の不具合を予測し、車両の状態を3Dモデル画像でオーナーに分かりやすく伝えるソフトウエアの受注活動を日本で開始したことを発表した。^[1]

AutoX3の共同創業者である黎鋭煒CEOは、自動車の修理を巡る3つの課題を背景に同社を創業した。一つ目は自動車オーナーの修理工場選択基準、二つ目は整備士の給料高騰と高離職率、三つ目は車齢の長期化だ。これらの課題に対し、AutoX3は「AI-Empowered Vehicle Health Check」というソフトウエアを開発した。

このソフトウエアは、整備士らがスマートフォンで撮影した故障車の画像データをAI技術で分析し、自動車オーナーへの説明や修理作業の効率向上に使えるデータを導き出す。既に中国や東南アジアなどで導入実績があり、日本では自動車メーカー、販売店、修理工場を潜在顧客と位置付け、2024年末までに販売実績を作る意向だ。

AutoX3のAI自動車診断技術の特徴

大規模言語モデル（LLM）について

大規模言語モデル（LLM）とは、膨大なテキストデータを学習し、人間の言語を理解・生成する能力を持つAIモデルのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 大量のテキストデータから言語パターンを学習
• 自然言語処理タスクで高い性能を発揮
• 文脈を理解し、適切な応答を生成可能

AutoX3のソフトウエアでは、LLMを活用して自動車の不具合を予測している。一つの車種につき700～800台、合計で300万台分の修理データを学習させることで、車種や走行距離などの情報から、実際に車を検査する前から不具合をほぼ正確に予測できる機能を実現している。この技術により、修理工場は予防的なメンテナンスを提案することが可能になった。

AutoX3の日本市場進出に関する考察

AutoX3の日本市場進出は、国内の自動車産業にとって重要な意味を持つ可能性がある。AIによる画像解析と大規模言語モデルを組み合わせた診断技術は、整備士の技術力に過度に依存しない修理サービスの実現につながるだろう。一方で、既存の修理工場や整備士との軋轢が生じる可能性も考えられ、導入にあたっては慎重なアプローチが必要となるかもしれない。

今後の課題として、日本の自動車メーカーや修理工場との協力関係の構築が挙げられる。AutoX3の技術が日本市場で受け入れられるためには、国内の自動車産業の慣行や規制に適応することが求められる。また、日本の自動車オーナーの期待に応えるためには、プライバシーやデータセキュリティに関する懸念に対処することも重要だ。

将来的には、AutoX3の技術が電気自動車（EV）やコネクテッドカーにも対応することが期待される。自動車のデジタル化が進む中、AI診断技術はテレマティクスデータと連携することで、より精度の高い予防保全を実現する可能性がある。AutoX3には、日本の自動車産業のデジタルトランスフォーメーション（DX）を加速させる触媒としての役割が期待されている。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「自動車の販売・修理に関するデジタル技術を提供する「AutoX3」、日本市場に進出。AIによる画像解析で自動車の不具合を予測 | 株式会社36Kr Japanのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000036271.html, (参照 24-09-19).

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