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OLE DB(Object Linking and Embedding Database)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部


OLE DB(Object Linking and Embedding Database)とは

OLE DBとはObject Linking and Embedding Databaseの略称で、マイクロソフトが開発したデータアクセス技術の一つです。OLE DBは、異なるデータソースへの統一的なアクセスを可能にするAPIであり、データベースやファイルなど多様なデータソースを扱うことができます。

OLE DBは、COM(Component Object Model)ベースのインターフェースを提供しており、プログラミング言語に依存しない柔軟性の高い設計となっています。これにより、C++、Visual Basic、JavaC#など様々な言語からOLE DBを利用してデータアクセスを行うことが可能となっているのです。

OLE DBは、データプロバイダとコンシューマの概念を導入しています。データプロバイダは、特定のデータソースに対する実際のアクセスを担当するコンポーネントであり、コンシューマはデータプロバイダを介してデータにアクセスするアプリケーションやツールを指します。

OLE DBのアーキテクチャは、データアクセスに関する様々な機能を複数のインターフェースに分割して定義しているのが特徴です。主要なインターフェースとしては、データソースへの接続を管理するIDBInitialize、データの読み書きを行うIRowsetなどがあります。

OLE DBは、ADO(ActiveX Data Objects)やADO.NETといった高レベルのデータアクセス技術の基盤としても利用されており、これらの技術はOLE DBを内部的に使用してデータソースとのやり取りを行っています。OLE DBは、データアクセスの標準化と抽象化に大きく貢献したと言えるでしょう。

OLE DBのデータプロバイダとデータコンシューマ

OLE DBに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • OLE DBにおけるデータプロバイダの役割
  • OLE DBのデータコンシューマの種類
  • OLE DBのデータプロバイダとデータコンシューマの連携

OLE DBにおけるデータプロバイダの役割

OLE DBのデータプロバイダは、特定のデータソースに対する実際のアクセスを担当するコンポーネントです。データプロバイダは、データソースの種類に応じて個別に実装され、OLE DBが定義するインターフェースを実装しています。

データプロバイダは、データソースへの接続の確立や切断、データの読み書き、クエリの実行などの機能を提供します。これにより、OLE DBのコンシューマはデータソースの詳細を意識することなく、統一的な方法でデータにアクセスできるようになるのです。

マイクロソフトは、様々なデータソースに対応するOLE DBプロバイダを提供しており、例えばSQL Serverに対応するSQLOLEDB、Oracleに対応するMSDATAORAなどがあります。また、サードパーティ製のOLE DBプロバイダも数多く存在し、幅広いデータソースをカバーしているのが特徴だ。

OLE DBのデータコンシューマの種類

OLE DBのデータコンシューマは、データプロバイダを介してデータにアクセスするアプリケーションやツールを指します。データコンシューマは、OLE DBのインターフェースを使用してデータプロバイダと通信し、必要なデータの読み書きや操作を行います。

データコンシューマには、様々な種類があります。例えば、C++やVisual Basicなどのプログラミング言語で作成されたアプリケーション、ADOやADO.NETを使用したデータアクセス層、Excelなどのオフィスアプリケーション、レポーティングツールなどがデータコンシューマとして機能するでしょう。

データコンシューマは、OLE DBのインターフェースを直接使用することもできますが、ADOやADO.NETのようなより高レベルのデータアクセス技術を使用することで、より簡単かつ効率的にデータにアクセスすることが可能となります。これらの技術は、OLE DBの複雑性を隠蔽し、開発者に使いやすいAPIを提供しているのです。

OLE DBのデータプロバイダとデータコンシューマの連携

OLE DBにおいて、データプロバイダとデータコンシューマは密接に連携して動作します。データコンシューマは、必要なデータソースに対応するデータプロバイダを選択し、そのプロバイダを介してデータにアクセスします。

データコンシューマは、OLE DBのインターフェースを使用してデータプロバイダとの接続を確立し、データの読み書きやクエリの実行などの操作を行います。一方、データプロバイダは、データコンシューマからの要求を受け取り、実際のデータソースとの通信を行って結果を返します。

この連携により、データコンシューマはデータソースの種類や場所を意識することなく、統一的な方法でデータにアクセスできるようになります。また、新しいデータソースが追加された場合でも、対応するデータプロバイダを用意することで、既存のデータコンシューマを変更することなく対応できるのが利点です。

OLE DBの主要なインターフェース

OLE DBに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • データソース接続に関するインターフェース
  • データ操作に関するインターフェース
  • トランザクション管理に関するインターフェース

データソース接続に関するインターフェース

OLE DBは、データソースへの接続を確立するためのインターフェースを提供しています。主要なインターフェースとしては、IDBInitializeとIDBCreateSessionがあります。

IDBInitializeは、データソースへの接続を初期化するためのインターフェースです。このインターフェースを使用して、接続文字列やセキュリティ情報などの接続プロパティを設定し、接続を確立します。一方、IDBCreateSessionは、確立された接続を使用してセッションを作成するためのインターフェースとなっています。

これらのインターフェースを使用することで、データコンシューマはデータソースへの接続を確立し、データにアクセスするための準備を整えることができます。また、接続のプーリングやトランザクション管理などの機能も、これらのインターフェースを通じて実現されているのです。

データ操作に関するインターフェース

OLE DBは、データの読み書きや操作を行うためのインターフェースを提供しています。主要なインターフェースとしては、IRowsetとICommandがあります。

IRowsetは、データの読み取りを行うためのインターフェースです。このインターフェースを使用して、データソースから取得したデータを行単位で読み取ることができます。一方、ICommandは、SQLクエリやストアドプロシージャの実行を行うためのインターフェースとなっています。

これらのインターフェースを使用することで、データコンシューマはデータの読み書きや操作を柔軟に行うことができます。また、バインディングやカーソル管理などの機能も、これらのインターフェースを通じて実現されているのです。

トランザクション管理に関するインターフェース

OLE DBは、トランザクション管理を行うためのインターフェースを提供しています。主要なインターフェースとしては、ITransactionLocalとITransactionJoinがあります。

ITransactionLocalは、ローカルトランザクションを管理するためのインターフェースです。このインターフェースを使用して、トランザクションの開始や終了、コミットやロールバックなどの操作を行うことができます。一方、ITransactionJoinは、分散トランザクションに参加するためのインターフェースとなっています。

これらのインターフェースを使用することで、データコンシューマはトランザクション管理を柔軟に行うことができます。また、トランザクションの分離レベルやタイムアウト設定などの機能も、これらのインターフェースを通じて実現されているのです。

OLE DBとADO、ADO.NETの関係

OLE DBに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • ADOとOLE DBの関係
  • ADO.NETとOLE DBの関係
  • ADO、ADO.NET、OLE DBの使い分け

ADOとOLE DBの関係

ADO(ActiveX Data Objects)は、マイクロソフトが提供する高レベルのデータアクセス技術の一つであり、OLE DBの上に構築されています。ADOは、OLE DBの複雑性を隠蔽し、より簡単にデータアクセスを行うためのオブジェクトモデルを提供しています。

ADOは、Connection、Command、Recordsetなどのオブジェクトを使用してデータアクセスを行います。これらのオブジェクトは、内部的にOLE DBのインターフェースを使用してデータプロバイダと通信し、データの読み書きや操作を行います。

ADOを使用することで、開発者はOLE DBの詳細を意識することなく、簡単かつ効率的にデータアクセスを行うことができます。また、ADOは、レコードセットのナビゲーションやフィルタリング、パラメータ化されたクエリなどの機能も提供しているのが特徴です。

ADO.NETとOLE DBの関係

ADO.NETは、.NETフレームワークのデータアクセス技術であり、ADOの後継として位置付けられています。ADO.NETは、OLE DBとは異なるアーキテクチャを採用しており、データセットとデータプロバイダの分離を実現しています。

ADO.NETでは、データセットがメモリ上にデータのコピーを保持し、データプロバイダがデータソースとの通信を担当します。この分離により、オフラインでのデータ操作や、マルチティアアプリケーションの開発が容易になっています。

ADO.NETは、OLE DBプロバイダとネイティブに連携することができます。ADO.NETのデータプロバイダの一つであるOleDbDataProviderは、OLE DBプロバイダを使用してデータソースにアクセスします。これにより、ADO.NETからOLE DBを介して様々なデータソースにアクセスすることが可能となっているのです。

ADO、ADO.NET、OLE DBの使い分け

ADO、ADO.NET、OLE DBは、それぞれ特徴や適用シナリオが異なるため、状況に応じて適切に使い分ける必要があります。一般的には、以下のような使い分けが考えられます。

OLE DBは、低レベルのデータアクセス技術であり、高度な制御が必要な場合や、特殊なデータソースにアクセスする必要がある場合に適しています。一方、ADOは、OLE DBを使用しながらも、より簡単にデータアクセスを行うことができるため、一般的なデータアクセスに適しています。

ADO.NETは、.NETアプリケーションの開発に適しており、データセットとデータプロバイダの分離により、オフラインでのデータ操作や、マルチティアアプリケーションの開発が容易になります。また、ADO.NETは、SQLクエリの生成やパラメータ化、トランザクション管理などの機能も提供しているため、高度なデータアクセスにも対応できるのです。

参考サイト

  1. Oracle. https://www.oracle.com/jp/

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