【CVE-2024-0107】NVIDIAの複数製品に境界外読み取りの脆弱性、情報漏洩やDoSのリスクに

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約
NVIDIAの複数製品における境界外読み取りの脆弱性
NVIDIA製品の脆弱性影響範囲
境界外読み取りについて
NVIDIAの製品脆弱性に関する考察
参考サイト

記事の要約

NVIDIAの複数製品に境界外読み取りの脆弱性
gpu display driverやVirtual GPUなどが影響
情報取得や改ざん、DoS状態のリスクあり

NVIDIAの複数製品における境界外読み取りの脆弱性

NVIDIA社は、自社の複数製品に境界外読み取りに関する脆弱性が存在することを公表した。この脆弱性は、gpu display driver、Virtual GPU、NVIDIA Cloud Gamingなど、広範な製品に影響を及ぼしている。CVSSによる深刻度基本値は7.8（重要）と評価されており、攻撃元区分はローカル、攻撃条件の複雑さは低いとされている。^[1]

影響を受ける製品の具体的なバージョンは、gpu display driver 470以上475.14未満、555以上556.12未満、535以上538.78未満、550以上552.74未満など多岐にわたる。また、Virtual GPUについては、13.12未満、14.0以上16.7未満、17.0以上17.3未満のバージョンが影響を受けることが明らかになっている。この脆弱性の存在により、情報の不正取得や改ざん、さらにはサービス運用妨害（DoS）状態に陥る可能性が指摘されている。

NVIDIAは、この脆弱性に対処するためのベンダアドバイザリやパッチ情報を公開している。利用者は参考情報を確認し、適切な対策を実施することが強く推奨される。この脆弱性は、共通脆弱性識別子（CVE）としてCVE-2024-0107が割り当てられており、CWEによる脆弱性タイプは境界外読み取り（CWE-125）に分類されている。

NVIDIA製品の脆弱性影響範囲

	gpu display driver	Virtual GPU	NVIDIA Cloud Gaming
影響を受けるバージョン	470以上475.14未満、555以上556.12未満、535以上538.78未満、550以上552.74未満	13.12未満、14.0以上16.7未満、17.0以上17.3未満	影響あり（詳細不明）
脆弱性の種類	境界外読み取り	境界外読み取り	境界外読み取り
CVSSスコア	7.8（重要）	7.8（重要）	7.8（重要）
攻撃元区分	ローカル	ローカル	ローカル
攻撃条件の複雑さ	低	低	低

境界外読み取りについて

境界外読み取り（Out-of-bounds Read）とは、プログラムが割り当てられたメモリ領域の範囲外のデータを読み取ろうとする脆弱性のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

メモリ破壊や情報漏洩のリスクが高い
バッファオーバーフローの一種として分類される
適切な境界チェックの欠如が主な原因となる

NVIDIAの製品における境界外読み取りの脆弱性は、攻撃者がローカルで特権レベルの低い状態から攻撃を実行できる点が特徴的だ。この脆弱性を悪用されると、機密情報の漏洩や完全性の侵害、さらにはシステムの可用性に影響を及ぼす可能性がある。対策としては、ベンダーが提供するパッチを適用し、最新のセキュリティアップデートを行うことが重要となる。

NVIDIAの製品脆弱性に関する考察

NVIDIAの複数製品に発見された境界外読み取りの脆弱性は、グラフィックス処理や仮想化技術の中核を担う製品に影響を及ぼすため、その影響範囲の広さが懸念される。特にgpu display driverやVirtual GPUは、多くの企業や個人ユーザーが利用しているため、迅速なパッチ適用が求められる状況だ。一方で、パッチ適用による性能への影響や、レガシーシステムとの互換性の問題が新たに浮上する可能性もあるだろう。

今後、このような脆弱性に対する予防的なアプローチとして、NVIDIAはセキュアコーディング practices のさらなる強化や、製品開発段階でのセキュリティテストの拡充を検討する必要がある。同時に、ユーザー側でも定期的なセキュリティ監査や、最新のセキュリティ情報の追跡が重要となってくる。特に企業ユーザーは、この脆弱性に関する情報をITセキュリティポリシーに反映し、パッチ管理プロセスを見直す好機ととらえるべきだ。

長期的には、NVIDIAがAIやマシンラーニングを活用した自動脆弱性検出システムを開発し、製品のセキュリティ強化に活用することが期待される。また、オープンソースコミュニティとの協力を深め、脆弱性の早期発見と修正のサイクルを加速させることも、今後の重要な課題となるだろう。NVIDIAの対応如何では、グラフィックス技術とセキュリティの両立における業界標準を新たに設定する可能性もある。