プログラミング

PROGRAMMING

公開：2024-07-20

埼玉大学工学部情報工学科がTechFULを導入、プログラミング授業の効率化と学習環境の向上を実現

text: XEXEQ編集部

記事の要約

• 埼玉大学工学部情報工学科が『TechFUL』を導入
• プログラミング授業の採点業務を大幅に効率化
• 学生の自己学習促進と授業の質向上を実現

埼玉大学がTechFULを導入し、プログラミング授業を革新

埼玉大学工学部情報工学科は、プログラミング授業の効率化と学習環境の向上を目指し、４４４株式会社が提供する『TechFUL キャンパス』を2023年度から導入した。この取り組みは、教員の採点業務の負担軽減と学生の学習効果向上を同時に実現する画期的な試みである。従来の授業では、教員が学生のコードを目視で確認する必要があり、1回の授業で4-5時間、全15回の授業で60-70時間もの時間を要していた。^[1]

『TechFUL キャンパス』の導入により、自動採点機能を活用して採点業務の大幅な効率化が図られた。この結果、教員は創出された時間を授業の質向上や学生へのきめ細かいフィードバックに充てることが可能となった。また、学生にとっても、自身のコードの合否をリアルタイムで確認できるようになり、より効果的な学習環境が整備されたといえる。

この新しいシステムの導入は、単に採点業務の効率化だけでなく、教育の質的向上にも寄与している。教員は従来のカリキュラムに加えて、より多くの演習問題を提供することが可能となり、学生の自己学習を促進する環境が整備された。さらに、学生のプログラミングスキルの向上と、より実践的な教育の実現にも貢献している。

TechFULとは

TechFULとは、プログラミングの測定、教育、学習、就職、採用を包括的にサポートするプラットフォームのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• プログラミング基礎、アルゴリズム、数学、データベース、人工知能基礎の5カテゴリーを網羅
• 18のプログラミング言語とSQLに対応した700問以上の問題を提供
• 自動採点機能によるリアルタイムでの学習進捗確認が可能
• スキルのヒートマップ可視化機能を搭載
• 教育機関向けの『TechFUL キャンパス』や企業向けの採用支援サービスも展開

TechFULは、単なるプログラミング学習ツールにとどまらず、教育機関と企業、学習者を繋ぐ包括的なプラットフォームとして機能している。このシステムを通じて、学生は自己のスキルを客観的に把握し、継続的な学習を行うことができる。一方、教育機関や企業は、学生や社員のスキルを可視化し、効果的な教育や評価、採用活動に活用することが可能となっている。

TechFUL導入に関する考察

TechFULの導入は、教育現場におけるデジタルトランスフォーメーション（DX）の一例として捉えることができる。この取り組みにより、教員の業務効率化だけでなく、学生の学習体験の向上や、より実践的なプログラミング教育の実現が可能となった。今後は、他の教育機関でも同様のシステム導入が進み、プログラミング教育の質的向上が加速する可能性がある。

一方で、自動採点システムの導入により、教員と学生の直接的なコミュニケーションが減少する可能性も懸念される。教育の本質は人間同士の相互作用にあるため、テクノロジーの活用と人間的な指導のバランスをいかに取るかが今後の課題となるだろう。また、システムの導入初期には一時的な負担増加も予想されるため、円滑な移行のためのサポート体制の充実も重要となる。

長期的には、TechFULのような統合的なプラットフォームの普及により、教育機関と産業界の連携がより密接になることが期待される。学生のスキルが可視化され、企業のニーズとのマッチングが容易になることで、より効果的な人材育成と採用が実現する可能性がある。このような取り組みが、日本のIT人材育成と産業競争力の向上に寄与することを期待したい。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「埼玉大学 工学部情報工学科のプログラミング授業で『TechFUL』を導入。オブジェクト指向言語の受講生対象 | ４４４株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000109393.html, (参照 24-07-20).

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