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ECONOMY

公開：2024-09-26

フェイガーがベトナムLong An省と大規模カーボンクレジットプロジェクトを開始、AWD技術で10万haの水田からメタン削減へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• フェイガーがLong An省DARDとMOU締結
• 10万haの水田でAWDによるメタン削減
• カーボンクレジット創出を目指すプロジェクト

フェイガーとLong An省DARDのカーボンクレジットプロジェクト始動

株式会社フェイガーは2024年9月13日、ベトナムLong An省の農業農村開発局（DARD）と水田面積100,000haでのカーボンクレジット創出を目指すプロジェクトを推進するMOUを締結した。このプロジェクトでは、AWD（間断灌水）を行うことで水田からカーボンクレジットを構築するための実証実験を実施する。^[1]

プロジェクトの目的は、持続可能な農業生産において地域の農家を支援し、温室効果ガス排出を削減し、農業分野におけるグリーン変革を実施することだ。JCMやボランタリークレジットという資金源を活用することで、農家のGX推進と削減対策のための財源を確保し、2030年までに省内で10万ヘクタールの水田からカーボンクレジットの創出を目指している。

フェイガーは日本で培った水田中干しの方法論によるJークレジット申請の知見と経験を活かし、AWDを活用したカーボンクレジット創出のためのモデルの導入と、専門的かつ技術的サポートの提供、そして良質なカーボンクレジット生成のためのモニタリングを担当する。DARDはインフラを確保し、プロジェクトを実施するために地域の農家を調整し結び付ける技術スタッフを任命する予定だ。

フェイガーとLong An省DARDのプロジェクト概要

フェイガーのベトナム関連情報はこちら

AWD（間断灌水）について

AWD（Alternate wetting and drying）とは、温室効果ガス（GHG）排出量を抑制する水稲作技術の一つで、間断灌漑技術とも呼ばれる。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 水田の湛水と乾燥を交互に繰り返す灌漑方法
• メタンガスの発生を抑制し、温室効果ガスを削減
• 水資源の効率的な利用が可能

AWDは従来の常時湛水管理と比較して、水田からのメタン排出量を大幅に削減することができる。フェイガーとLong An省DARDのプロジェクトでは、このAWD技術を活用することで、大規模な水田からカーボンクレジットを創出し、農業分野における脱炭素化を推進することを目指している。

フェイガーとLong An省DARDのプロジェクトに関する考察

フェイガーとLong An省DARDのプロジェクトは、農業分野における脱炭素化の取り組みとして非常に重要だ。AWD技術の導入により、大規模な水田からのメタン排出量を削減しつつ、カーボンクレジットという新たな収入源を農家に提供できる可能性がある。一方で、技術導入に伴う農家の負担や、長期的な収量への影響などについても慎重に検討する必要があるだろう。

今後の課題として、AWD技術の現地適応や、カーボンクレジットの信頼性確保が挙げられる。ベトナムの気候条件や農業慣行に合わせたAWD技術の最適化が求められる一方、カーボンクレジットの測定・報告・検証（MRV）システムの確立も不可欠だ。これらの課題に対しては、地域の研究機関との連携強化や、国際的な認証基準の採用などが解決策として考えられる。

将来的には、このプロジェクトをモデルケースとして、ベトナム全土や他の東南アジア諸国への展開が期待される。また、AWD以外の農業技術も組み合わせることで、より包括的な農業分野の脱炭素化が実現できるかもしれない。フェイガーには、このプロジェクトを通じて得られた知見を活かし、グローバルな農業のサステナビリティに貢献することを期待したい。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「株式会社フェイガーは、ベトナムLong An省の農業農村開発局（DARD）とのMOUを締結しました | 株式会社フェイガーのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000114514.html, (参照 24-09-26).

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