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Moxa製MXview OneとCentral Managerに複数の脆弱性、構成ファイルの改ざんなどのリスクあり

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • Moxa製MXview OneとCentral Managerに脆弱性
  • 構成ファイルの読み取り・変更等のリスクあり
  • 開発者がアップデートを提供し対策を呼びかけ

Moxa製品の脆弱性発見とその影響

Moxaは2024年9月25日、同社が提供するMXview OneおよびMXview One Central Managerに複数の脆弱性が存在することを公開した。これらの脆弱性は、ファイル内またはディスク上の平文保存(CVE-2024-6785)、パストラバーサル(CVE-2024-6786)、Time-of-check Time-of-use(TOCTOU)競合状態(CVE-2024-6787)に分類されている。影響を受けるバージョンは、MXview Oneシリーズが1.4.0以前、MXview One Central Managerシリーズが1.0.0となっている。[1]

これらの脆弱性が悪用された場合、深刻な影響が懸念される。ローカルアクセス権を持つ攻撃者によって構成ファイルを読み取られたり変更されたりする可能性があり、さらに当該システム上の任意のファイルを読み取られたり、任意のファイルを書き込まれたりするリスクがある。これらの脆弱性は、産業用制御システムのセキュリティに関する重大な懸念を提起している。

Moxaは、これらの脆弱性に対処するためのアップデートを提供している。ユーザーに対しては、開発者が提供する情報を確認し、速やかにアップデートを適用することを強く推奨している。また、ICS Advisory(ICSA-24-268-05)も発行され、Moxa MXview Oneの脆弱性に関する注意喚起がなされている。この問題に関しては、JPCERT/CCも分析結果を公開し、対策の重要性を訴えている。

Moxa製品の脆弱性まとめ

CVE-2024-6785 CVE-2024-6786 CVE-2024-6787
脆弱性の種類 平文保存 パストラバーサル TOCTOU競合状態
影響を受ける製品 MXview One, Central Manager MXview One MXview One
想定される影響 構成ファイルの読み取り・変更 任意ファイルの読み取り 任意ファイルの書き込み
対象バージョン 1.3.0以前, 1.0.0 1.4.0以前 1.4.0以前

パストラバーサルについて

パストラバーサルとは、Webアプリケーションのセキュリティ脆弱性の一種で、攻撃者がアプリケーションの意図しないディレクトリにアクセスできてしまう問題を指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • ファイルパスの操作により制限外のファイルにアクセス可能
  • 機密情報の漏洩やシステム全体の危殆化につながる可能性
  • 入力値の適切なバリデーションで防止可能

MXview Oneの脆弱性CVE-2024-6786は、このパストラバーサルに分類されている。攻撃者がこの脆弱性を悪用すると、システム上の任意のファイルを読み取ることが可能になる。これは、機密情報の漏洩やさらなる攻撃の足がかりとなる可能性があり、産業用制御システムのセキュリティにとって重大な脅威となる。

Moxa製品の脆弱性対応に関する考察

Moxaが迅速に脆弱性情報を公開し、アップデートを提供したことは評価に値する。産業用制御システムのセキュリティは、重要インフラの安全性に直結するため、このような迅速な対応は極めて重要だ。しかし、脆弱性が発見されたこと自体が、製品開発段階でのセキュリティ設計や検証プロセスに課題があることを示唆している可能性がある。

今後、同様の脆弱性が他の産業用制御システム製品でも発見される可能性は否定できない。特に、IoTデバイスの増加に伴い、これらのシステムがサイバー攻撃の標的となるリスクは高まっている。製品開発者は、セキュリティ・バイ・デザインの原則に基づき、設計段階から脆弱性を排除する取り組みを強化する必要があるだろう。また、定期的な脆弱性診断や、外部の研究者による脆弱性報告制度の整備なども有効な対策になるはずだ。

ユーザー側の対応も重要だ。脆弱性情報を常に監視し、提供されたアップデートを迅速に適用することが求められる。さらに、ネットワークの分離やアクセス制御の強化など、多層防御の考え方に基づいたセキュリティ対策を実施することで、脆弱性が悪用されるリスクを低減できる。産業用制御システムのセキュリティ強化は、サイバーレジリエンスの向上につながり、重要インフラの安定運用に寄与するだろう。

参考サイト

  1. ^ JVN. 「JVNVU#92841828: Moxa製MXview OneおよびMXview One Central Managerにおける複数の脆弱性」. https://jvn.jp/vu/JVNVU92841828/, (参照 24-09-28).

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