九電工とスカイマティクス社が資本業務提携、ドローン測量システム「くみき」の展開と森林資源量解析の共同研究開発を推進

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

九電工とスカイマティクス社が資本業務提携
ドローン測量システム「くみき」の国内外展開を推進
森林資源量解析の共同研究開発を実施

九電工とスカイマティクス社の資本業務提携による新たな展開

株式会社九電工は、産業用リモートセンシングサービスを提供する株式会社スカイマティクスと資本業務提携を2024年9月27日に発表した。この提携により、両社の強みを融合させ、建設・再生エネルギー・林業DXの分野で新たなビジネス機会の創出を目指している。スカイマティクス社のドローン測量システム「くみき」の国内シェア拡大と海外展開も視野に入れている。^[1]

スカイマティクス社は、衛星やドローンなどのリモートセンシングデバイスで取得される地理空間情報を処理解析するクラウド型ドローン測量サービス「くみき」を開発・販売している。このサービスは、ドローンで撮影したデータから自動的に三次元点群データ等の地形データを生成し、測量業務と現地調査業務を効率化する純国産サービスとして、既に約20業種・4万件を超える現場で利用されている。

両社は現在、プロジェクトとして「ドローン画像と衛星画像の類推適用解析による森林資源量解析」の研究開発を共同で実施している。この研究開発では、九電工グループで運営している木質バイオマス発電所の燃料となる森林樹木の賦存量を解析するもので、ドローン撮影によって得られた画像のAIデータを利用することで、これまで衛星画像では詳細が不明であった樹種・本数・幹材積等の類推を行い、広範囲の森林資源量を効率的に解析することが可能になる。

九電工とスカイマティクス社の資本業務提携の概要

	九電工	スカイマティクス社
主な事業	建設・再生エネルギー・林業DX	産業用リモートセンシングサービス
提携の目的	新たなビジネス機会の創出	「くみき」の国内シェア拡大・海外展開
共同研究開発	森林資源量解析	ドローン画像と衛星画像の解析技術
期待される効果	バイオマス発電所の燃料確保	測量業務の効率化

リモートセンシングについて

リモートセンシングとは、対象物に直接触れずに離れた場所から情報を取得する技術のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

衛星やドローンなどを使用して広範囲のデータを収集
地表面の地形や植生、環境変化などを観測可能
定期的なデータ取得により時系列的な分析が可能

九電工とスカイマティクス社の共同研究開発では、このリモートセンシング技術を活用して森林資源量の解析を行っている。ドローンで撮影した高解像度の画像データと人工衛星から得られる広範囲のデータを組み合わせることで、これまで困難だった広大な森林エリアの詳細な資源量把握が可能になる。この技術は、バイオマス発電所の燃料確保だけでなく、持続可能な森林管理や環境保全にも貢献する可能性がある。

九電工とスカイマティクス社の資本業務提携に関する考察

九電工とスカイマティクス社の資本業務提携は、両社の強みを活かした相乗効果が期待できる点で評価できる。九電工の建設・再生エネルギー分野での実績とスカイマティクス社のドローン測量技術が融合することで、より効率的かつ精密な測量・調査が可能になり、プロジェクトの品質向上やコスト削減につながるだろう。また、この提携により「くみき」の国内シェア拡大と海外展開が加速する可能性も高い。

一方で、今後の課題としては、ドローン使用に関する法規制への対応や、収集したデータの管理・セキュリティ面での懸念が挙げられる。特に海外展開を視野に入れる場合、各国の法規制や文化的背景を考慮したサービス展開が必要になるだろう。これらの課題に対しては、両社の技術力と経験を活かした適切な対策の立案と実行が求められる。また、AIや機械学習技術のさらなる発展により、データ解析の精度向上や新たな応用分野の開拓も期待される。

今後、九電工とスカイマティクス社には、リモートセンシング技術を活用した新たなサービスの開発や、他産業との連携による革新的なソリューションの提供が期待される。特に、気候変動対策や災害リスク管理など、社会的課題の解決に向けた取り組みを強化することで、両社の企業価値向上と社会貢献の両立が可能になるだろう。この資本業務提携が、日本のドローン産業と再生可能エネルギー分野の発展に大きく寄与することを期待したい。