ESLintがJSONとMarkdownのリンティングに対応、多言語対応の静的解析ツールへと進化

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • ESLintがJSONとMarkdownのリンティングに対応
  • @eslint/jsonと@eslint/markdownプラグインを公開
  • Code Explorerツールで新言語のAST探索が可能に

ESLintがJSONとMarkdownのリンティング対応を発表

ESLintの開発チームは2024年10月3日、ESLintがJSONとMarkdownのリンティングに対応したことを発表した。この対応は、ESLintをより汎用的なリンターへと進化させる計画の一環として実施されたものだ。JSONリンティングは@eslint/jsonプラグイン、Markdownリンティングは@eslint/markdownプラグインを通じて実現されており、いずれも公式にサポートされている言語プラグインとなっている。[1]

@eslint/jsonプラグインは、JSON、JSONC(コメント付きJSON)、JSON5の解析に対応しており、ユーザーはnpmからインストールして設定ファイルを更新するだけで使用可能だ。一方、@eslint/markdownプラグインは、CommonMarkおよびGitHub Flavored Markdownの解析と規則を提供している。両プラグインとも、ビルトインの規則が用意されており、開発者からの新しい規則の提案も歓迎されている。

さらに、ESLint開発チームはCode Explorerという新ツールを公開した。このツールにより、開発者はJSONやMarkdownなど、異なる言語のAST(抽象構文木)を視覚的に探索できるようになった。Code Explorerは、カスタム規則の作成を支援し、今後も新しい言語や機能をサポートしていく予定だ。オープンソースプロジェクトとして公開されており、コミュニティからの貢献も可能となっている。

ESLintの新機能まとめ

JSONリンティング Markdownリンティング Code Explorer
プラグイン名 @eslint/json @eslint/markdown -
対応フォーマット JSON, JSONC, JSON5 CommonMark, GitHub Flavored Markdown 複数言語のAST
主な特徴 ビルトイン規則あり ビルトイン規則あり 視覚的AST探索
拡張性 カスタム規則作成可能 カスタム規則作成可能 オープンソース

ASTについて

ASTとは「Abstract Syntax Tree(抽象構文木)」の略称で、プログラミング言語やマークアップ言語のソースコードを構造化して表現したデータ構造のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • コードの構造を階層的に表現
  • 言語処理系やツールでの解析に利用
  • コード変換や最適化の基礎となる

ESLintのような静的解析ツールでは、ASTを利用してコードの問題点を検出したり、規則に基づいた検証を行ったりしている。JSONやMarkdownのリンティングでも、それぞれの言語仕様に基づいたASTを生成し、それを基にしてルールを適用することで、効率的かつ正確な解析が可能となる。Code ExplorerツールはこのASTを視覚化することで、開発者がより直感的に言語構造を理解し、カスタムルールを作成する際の助けとなることが期待される。

ESLintの言語拡張に関する考察

ESLintがJSONとMarkdownのリンティングに対応したことは、ウェブ開発エコシステムにおいて大きな意義を持つ。これにより、開発者は単一のツールでJavaScript、JSON、Markdownという異なる種類のファイルを一貫した方法で解析できるようになり、コードの品質管理が効率化されることが期待される。また、ESLintの言語非依存の機能が強化されたことで、今後さらに多くの言語やフォーマットへの対応が容易になる可能性が高い。

一方で、ESLintの機能拡張に伴い、プラグインやルールの管理が複雑化する可能性がある。開発者は各言語に特化したルールセットを適切に設定し、プロジェクト全体で一貫性のある規則を維持する必要がある。この課題に対しては、ESLintチームがベストプラクティスやガイドラインを提供することで、ユーザーの混乱を最小限に抑えることができるだろう。また、Code Explorerのような視覚化ツールの充実が、複雑化する言語解析の理解を助ける重要な役割を果たすと考えられる。

今後ESLintには、より多くのプログラミング言語やドメイン特化言語(DSL)への対応が期待される。特に、TypeScriptやJSXなど、JavaScriptエコシステムと密接に関連する言語への拡張が有用だろう。さらに、ESLintの言語非依存アーキテクチャを活かし、コミュニティ主導で新しい言語プラグインが開発されることで、ESLintがより包括的なコード品質管理プラットフォームへと発展していく可能性がある。

参考サイト

  1. ^ ESLint. 「ESLint now officially supports linting of JSON and Markdown - ESLint - Pluggable JavaScript Linter」. https://eslint.org/blog/2024/10/eslint-json-markdown-support/, (参照 24-10-08).

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