DNPとパナソニックコネクトが大阪・関西万博に顔認証システムを導入、10万人規模の関係者入場管理の効率化とセキュリティ強化を実現

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

DNPとパナソニックコネクトが顔認証システムを導入
大阪・関西万博の関係者入場管理に活用
10万人規模の関係者を対象に30台のゲートで運用

DNPとパナソニックコネクトによる大阪・関西万博向け顔認証システムの導入

大日本印刷株式会社（DNP）とパナソニックコネクト株式会社は、2025年日本国際博覧会（大阪・関西万博）の運営関係者向けに顔認証システムを導入すると2024年10月7日に発表した。このシステムは、10万人規模の関係者を対象に、会場内30台のゲート設備で顔認証とQR認証を組み合わせた厳格な本人確認を実現する。^[1]

DNPの高いセキュリティ基準のカード発行体制と事務センター運営の強みに、パナソニックコネクトの世界最高水準の顔認証技術を組み合わせた本システムは、大阪・関西万博の「未来社会の実験場」というコンセプトに沿ったものだ。両社は安全・安心で利便性の高い入場システムを通じて、Society5.0実現型会場を目指す大阪・関西万博の開催を支援する。

本システムの導入に伴い、AD証の発行と受け渡しを主業務とするADセンターが2024年10月7日に開設された。大阪・関西万博は多様なプレーヤーによるイノベーションを誘発し、それらを社会実装していくことを目指しており、本システムはその一環として選ばれた。顔認証技術は2022年11月6日のNIST評価において世界トップクラスの評価を得ている。

大阪・関西万博向け顔認証システムの特徴まとめ

	DNPの強み	パナソニックコネクトの強み	システムの特徴
主な特徴	高いセキュリティ基準のカード発行体制	世界最高水準の顔認証技術	顔認証とQR認証の組み合わせ
対象規模	10万人規模の関係者	空港や大規模イベントでの実績	30台のゲート設備で運用
目的	高信頼性の運用品質提供	堅牢な認証方式の実現	スムーズで厳格な本人確認

顔認証技術について

顔認証技術とは、人間の顔の特徴を分析し、個人を識別するためのバイオメトリクス認証技術のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

非接触で高速な認証が可能
高い精度と信頼性を持つ個人識別手段
セキュリティと利便性の両立が可能

パナソニックコネクトの顔認証技術は、2022年11月のNIST評価において世界トップクラスの評価を獲得している。この技術は、人種や経年変化を含む正面顔データ、顔向きや照明変動を含むデータ、下向きや見切れデータなど、様々な条件下でも高い精度で個人を識別できる能力を持つ。大阪・関西万博での導入により、大規模イベントにおける顔認証技術の実用性と有効性が実証されることが期待される。

大阪・関西万博の顔認証システム導入に関する考察

DNPとパナソニックコネクトによる顔認証システムの導入は、大規模イベントにおける入場管理の効率化と高度なセキュリティ確保という点で大きな前進だ。特に10万人規模の関係者を対象とする点は、システムの処理能力と信頼性の高さを示している。一方で、プライバシー保護の観点から、顔データの取り扱いや保管方法について十分な配慮が必要になるだろう。

今後、顔認証技術の精度向上や処理速度の改善が進めば、より大規模なイベントやフロー量の多い施設での活用が期待できる。同時に、なりすましや偽造への対策としてAIを活用した異常検知システムとの連携も重要になるだろう。また、顔認証と他のバイオメトリクス認証を組み合わせたマルチモーダル認証の導入も、セキュリティ強化の観点から検討の余地がある。

大阪・関西万博でのこのシステムの運用実績は、今後の大規模イベントや重要施設のセキュリティ管理に大きな影響を与えるだろう。技術の進化とプライバシー保護のバランスを取りながら、より安全で便利な社会インフラの構築に向けて、継続的な改良と新たな応用分野の開拓が期待される。顔認証技術を含むバイオメトリクス認証の社会実装は、Society5.0の実現に向けた重要な一歩となるはずだ。