NEDOがCMOS/スピントロニクス融合AI半導体を開発、従来比10倍以上の電力効率を実現
PR TIMES より
スポンサーリンク
記事の要約
- NEDOがCMOS/スピントロニクス融合AI半導体を開発
- 従来比10倍以上の電力効率を確認
- 大容量MRAMを搭載し外付けメモリを内蔵化
スポンサーリンク
NEDO、東北大学、アイシンがエッジAI向け半導体を開発
NEDOは「省エネAI半導体及びシステムに関する技術開発事業」において、東北大学とアイシンと共同でエッジ領域向け「CMOS/スピントロニクス融合AI半導体」を開発した。この半導体は大容量MRAMを搭載し、従来比10倍以上の電力効率をシステム動作シミュレーションで確認している。MRAMの不揮発性と広バス帯域の特性を活用することで、動作時および待機時電力の大幅低減、起動時間の短縮が可能になった。[1]
RTLでのシステム動作シミュレーションの検証では、従来比で電力効率10倍以上、起動時間10分の1以下の改善効果が確認された。この技術は外付けメモリの合理的な内蔵化を実現し、エッジ領域における情報処理の効率化に大きく貢献することが期待される。NEDOは今後、車載やサーベイランスシステムなどへの応用技術開発を進める予定だ。
開発された実証チップには、東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センターが開発・設計した低消費電力AIアクセラレータが搭載されている。このアクセラレータは主要メモリにMRAMを適用することで、従来のSRAMと比較して面積効率と電力効率の両面で優れた特性を示している。さらに、MRAMの不揮発性により重みメモリへのロード時間を削減でき、AI処理システム全体の高速起動が実現可能になった。
CMOS/スピントロニクス融合AI半導体の特徴まとめ
電力効率 | 起動時間 | メモリ技術 | 応用分野 | |
---|---|---|---|---|
改善効果 | 従来比10倍以上 | 従来比10分の1以下 | 大容量MRAM搭載 | 車載、サーベイランス |
主な特徴 | 動作時・待機時電力低減 | 高速起動 | 外付けメモリの内蔵化 | エッジAI処理の効率化 |
技術的優位性 | AIアクセラレータ搭載 | 不揮発性メモリ活用 | 広バス帯域 | 省エネ性能向上 |
スポンサーリンク
MRAMについて
MRAMとは、「Magnetoresistive Random Access Memory」の略称で、磁気抵抗メモリのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- 磁化の方向で情報を記憶する不揮発性メモリ
- 1ns程度の高速な磁化反転速度による高速動作
- 原子移動がないため高い書き換え耐性を持つ
MRAMは従来のSRAMやDRAMと比較して、不揮発性と高速動作を両立させた革新的なメモリ技術だ。NEDOの開発したCMOS/スピントロニクス融合AI半導体では、このMRAMの特性を活かし、外付けメモリの内蔵化や電力効率の向上、起動時間の短縮などの優れた性能を実現している。エッジAI処理において、MRAMの採用は省エネルギー化と高性能化の両立に大きく貢献する可能性を秘めている。
CMOS/スピントロニクス融合AI半導体に関する考察
CMOS/スピントロニクス融合AI半導体の開発は、エッジコンピューティングの分野に革新をもたらす可能性を秘めている。特に電力効率の大幅な向上と起動時間の短縮は、IoTデバイスやモバイル機器など、エネルギー制約の厳しい環境で動作するAIシステムにとって極めて重要な進歩だ。この技術により、より多くのAI処理をエッジデバイス上で実行することが可能になり、クラウドへの依存度を減らすことができるだろう。
一方で、新技術の導入には常に課題が伴う。CMOS/スピントロニクス融合技術の製造プロセスの確立や、既存のソフトウェアエコシステムとの互換性の確保などが、今後取り組むべき重要な課題となるだろう。また、MRAMの長期的な信頼性や、極端な温度環境下での性能など、実用化に向けてはさらなる検証が必要になる可能性がある。これらの課題に対しては、産学官の連携を強化し、継続的な研究開発と実証実験を行うことが解決への道筋となるだろう。
今後、この技術のさらなる発展に期待したい点として、AIモデルの複雑化に対応できるスケーラビリティの向上が挙げられる。また、エッジAIの応用範囲を拡大するために、より多様な環境での動作保証や、セキュリティ機能の強化なども重要になってくるだろう。NEDOをはじめとする研究機関には、この革新的な技術を基盤として、日本の半導体産業の国際競争力強化につながるさらなる技術革新を期待したい。
参考サイト
- ^ . 「大容量MRAMを搭載したエッジ領域向け「CMOS/スピントロニクス融合AI半導体」により従来比10倍以上の電力効率をシステム動作シミュレーションで確認 | 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000118.000135644.html, (参照 24-10-13).
※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。
- VAE(Variational Autoencoder)とは?意味をわかりやすく簡単に解説
- UTC(協定世界時)とは?意味をわかりやすく簡単に解説
- UCB方策とは?意味をわかりやすく簡単に解説
- TWAINとは?意味をわかりやすく簡単に解説
- U-Netとは?意味をわかりやすく簡単に解説
- Transformerとは?意味をわかりやすく簡単に解説
- TPU(CloudTensorProcessingUnit)とは?意味をわかりやすく簡単に解説
- TF-IDF(Term Frequency-Inverse Document Frequency)とは?意味をわかりやすく簡単に解説
- Thunderbolt 3とは?意味をわかりやすく簡単に解説
- TensorFlowとは?意味をわかりやすく簡単に解説
- Thinkerとカワダロボティクスがキッティング作業自動化ロボットシステムを共同開発、CEATEC2024でデモンストレーション予定
- アイリックコーポレーションがFIT2024金融国際情報技術展に出展、ASシステムとSMARTロボアドLITEを披露し金融機関のDX推進に貢献
- トレードワークスとMSSが新広告プラットフォーム「toku-chain」を発表、NFT技術活用で広告効果の最大化を実現
- 株式会社ストライクが税理士向けセミナーを開催、収益力強化と人材育成のノウハウを提供
- 住信SBIネット銀行がLINE公式アカウントを開設、住宅ローン手続きのDX化を推進し顧客体験を向上
- つばさ株式会社がCEATEC 2024に出展、新サービス「spot.f」でオフィス環境に革新をもたらす
- 日本システム技術がFIT2024に「BankNeo」出展、金融機関のDX推進に向けた最新ソリューションを紹介
- チューリングがGENIAC第2期に採択、完全自動運転に向けたAI開発が加速、5.2億円規模のGPU計算資源を活用し技術革新へ
- ユニリタがデータ活用イベント「Waha! Day2024」を11月に開催、ビジネスとテクニカルの2日間構成で最新トレンドを共有
- テラチャージが山形県遊佐町の道の駅に急速充電器を導入、地方創生と防災機能の強化に貢献
スポンサーリンク