クリプトン・フューチャー・メディアが約8000機のドローンで初音ミクMVを夜空に、ギネス世界記録を更新した大規模ショーを中国で実施

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

クリプトン・フューチャー・メディアが中国でドローンショーを実施
約8000機のドローンで初音ミクのMVを夜空に映し出す
ドローンショーの「ディスプレイの大きさ」でギネス世界記録を更新

クリプトン・フューチャー・メディアの大規模ドローンショーがギネス世界記録を更新

クリプトン・フューチャー・メディア株式会社は、中国で約8000機のドローンを使用した大規模なショーを実施し、バーチャルシンガー「初音ミク」のミュージックビデオを夜空に映し出した。この壮大なドローンショーは、「ドローンショーで描くディスプレイの大きさ」でギネス世界記録を更新する快挙を成し遂げている。10月10日には、この驚異的なショーの様子を収めた動画がYouTubeで公開された。^[1]

ショーで使用されたドローンの数は正確に7,998機で、幅約155m×高さ約85mという巨大なディスプレイを上空に作り出すことに成功した。このスケールは、以前のギネス世界記録を大きく上回るものとなっている。映し出されたミュージックビデオは、初音ミクの世界ツアーシリーズ「HATSUNE MIKU EXPO」の10周年を記念して制作された楽曲「Intergalactic Bound」のものだ。

このプロジェクトは、国内のドローンショー市場でシェアNo.1を誇る株式会社レッドクリフと、中国のドローンメーカー・高巨創新（HIGH GREAT）との共同で実施された。夜空を彩る色鮮やかな初音ミクの姿は、テクノロジーとエンターテインメントの融合を象徴する圧巻の光景を生み出している。

初音ミクドローンショーの詳細

項目	詳細
実施企業	クリプトン・フューチャー・メディア株式会社
協力企業	株式会社レッドクリフ、高巨創新（HIGH GREAT）
使用ドローン数	7,998機
ディスプレイサイズ	幅約155m×高さ約85m
使用楽曲	Intergalactic Bound（雄之助 & CircusP feat. 初音ミク）
記録動画公開日	2024年10月10日
ギネス世界記録	ドローンショーで描くディスプレイの大きさ

バーチャルシンガーについて

バーチャルシンガーとは、コンピューターソフトウェアを用いて作られた仮想の歌手のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

人工的に合成された歌声を持つ
アニメーションやCGで視覚化された外見を持つ
ユーザーが自由に楽曲を制作できる

初音ミクは2007年に開発された歌声合成ソフトウェアとして誕生し、その後バーチャルシンガーとしての地位を確立した。クリエイターが作曲した楽曲をインターネット上で共有することで大きなムーブメントとなり、コンサートやライブイベントも開催される人気コンテンツへと成長している。今回のドローンショーは、バーチャルシンガーの表現方法を新たな次元に押し上げる革新的な試みといえるだろう。

大規模ドローンショーに関する考察

クリプトン・フューチャー・メディアによる大規模ドローンショーの成功は、エンターテインメント業界に新たな可能性を示唆している。7,998機ものドローンを同時に制御し、精密な動きと色彩で映像を再現する技術は、従来の屋外イベントやライブパフォーマンスの概念を大きく拡張するものだ。この技術が更に発展すれば、都市規模のイベントや国際的な祝祭などで、これまでにない規模と迫力の演出が可能になるだろう。

一方で、このような大規模なドローンの使用には、安全面や環境面での懸念も存在する。多数のドローンが墜落するリスクや、光害、野生動物への影響などが問題となる可能性がある。これらの課題に対しては、より高度な制御システムの開発や、環境アセスメントの実施、地域社会との綿密な連携などが解決策として考えられる。

今後は、ドローンショーの技術をさらに発展させ、より複雑な動きや立体的な表現を可能にすることが期待される。また、ARやVR技術との融合により、視聴者がよりインタラクティブに参加できるようなショーの開発も面白いだろう。バーチャルシンガーとリアルな空間演出の組み合わせは、デジタルとフィジカルの境界を越えた新しいエンターテインメントの形を生み出す可能性を秘めている。