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公開：2024-07-27

ON＆BOARDがKenRiにリード出資、AIリーガルテックで2割司法問題の解決を目指す

text: XEXEQ編集部

記事の要約

• ON＆BOARDがKenRiにリード出資
• KenRiは司法制度の課題解決を目指す
• AIリーガルテックサービスの提供を計画

ON＆BOARDによるKenRiへのリード出資の詳細

ON＆BOARD投資事業有限責任組合は、株式会社KenRiのシードラウンドにリード投資家としてJ-KISSで出資を実施した。KenRiは「正当な権利者が泣き寝入りしない司法社会を構築する」というミッションを掲げ、日本の司法制度が抱える「2割司法」と呼ばれる課題に取り組むスタートアップだ。^[1]

現状、法律トラブルに遭い弁護士を必要としている方々のうち、司法サービスにアクセスできるのはおよそ2割に留まっている。残りの8割の方々は、泣き寝入りを余儀なくされているという深刻な状況が続いているのだ。この問題の要因の1つとして、法曹人口の不足や紛争解決プロセスにおける生産性の課題が挙げられる。

KenRiはこのような法曹界の課題に対して、これまで築いてきた日本の司法に対する信頼を維持しながら、テクノロジーを活用したAIリーガルテックサービスを提供することで解決を目指している。効率的な司法制度の第一歩として、「ADR（代替的紛争解決）」の認証取得に向けて準備を進めているという。

AIリーガルテックサービスについて

AIリーガルテックサービスとは、人工知能（AI）技術を活用して法律サービスを提供する新しい形態のサービスのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• AIによる法律文書の分析と作成の自動化
• 大量の判例データを基にした法的予測の提供
• 24時間365日利用可能な法律相談チャットボット

AIリーガルテックサービスは、従来の人力による法律サービスと比較して、処理速度の向上と低コスト化を実現している。これにより、より多くの人々が手軽に法律サービスにアクセスできるようになり、「2割司法」と呼ばれる問題の解決に向けた大きな一歩となる可能性を秘めているのだ。

KenRiの事業展開に関する考察

KenRiのAIリーガルテックサービスの展開には、技術面での課題が予想される。AIの判断の正確性や信頼性の確保、個人情報保護やセキュリティの問題など、克服すべき技術的ハードルは少なくないだろう。また、AIの判断に対する法的責任の所在や、AIが生成した法的文書の法的有効性など、法制度面での整備も必要になってくる。

今後、KenRiには既存の法律事務所やADR機関との連携機能の追加が期待される。AIによる一次スクリーニングの後、必要に応じて人間の専門家が介入するハイブリッドモデルの構築は、サービスの信頼性と効率性を両立する上で重要だ。また、ブロックチェーン技術を活用した法的文書の真正性保証システムの導入も、サービスの価値を高める可能性がある。

KenRiの取り組みは、日本の司法アクセス改善の突破口となる可能性を秘めている。AIの活用により、法律サービスの効率化と低コスト化が進めば、これまで泣き寝入りせざるを得なかった多くの人々の権利救済につながるだろう。一方で、AIの判断の透明性確保や、人間の法曹との適切な役割分担など、サービスの信頼性を担保するための取り組みが今後の成功の鍵を握るはずだ。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「ON＆BOARD、法曹界における人材不足問題の解決に向けてAIリーガルテックサービスや新時代の紛争解決機関の樹立を目指すKenRiへリード出資 | ON&BOARD株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000145220.html, (参照 24-07-27).

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