JX石油開発らが西日本でCCS事業受託、2030年にCO2貯留170万トン/年を目指す大規模計画始動
PR TIMES より
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記事の要約
- JX石油開発らが先進的CCS事業の設計作業等を受託
- 西日本で大規模CCSバリューチェーンを2030年に実装開始
- CO2分離回収・輸送・貯留の詳細設計と試掘調査を実施
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JX石油開発らによる先進的CCS事業の受託と西日本CCS計画
JX石油開発、ENEOS、電源開発は西日本カーボン貯留調査と共同でJOGMECより「先進的CCS事業の実施に係る設計作業等」を受託した。本業務は2030年度までのCO2貯留開始を目指す先進的CCS事業の一環であり、CO2の分離回収・輸送・貯留に関する詳細設計および貯留予定地の試掘調査等を行うものだ。[1]
4社は瀬戸内・九州地域のENEOS製油所とJパワー火力発電所から排出されるCO2を分離回収・輸送し、九州西部沖の海域帯水層へ貯留するCCS事業の実現に向けて検討を進めている。2023年度の事業性調査に続き、本年度からは分離回収・輸送・貯留設備の詳細検討によるプロジェクトの精度向上とコスト削減の検討を行う。
さらに、試掘調査に向けた事前調査や長納期資機材の調達、貯留層評価等も実施する予定だ。4社は本業務を通じて西日本における大規模CCSバリューチェーンを2030年に実装開始することで、エネルギーの安定供給を果たしつつ、日本の温室効果ガス排出削減目標の達成への貢献を目指している。
西日本CCS事業計画の概要
項目 | 詳細 |
---|---|
排出源 | 瀬戸内・九州地域のENEOS製油所、Jパワー火力発電所 |
輸送方式 | 船舶及びパイプライン |
貯留地候補 | 九州西部沖(海域帯水層) |
貯留量 | 約170万トン/年 |
目標実装開始年 | 2030年 |
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CCSについて
CCSとは「Carbon dioxide Capture and Storage」の略称で、CO2の回収・貯留を指す技術である。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- CO2を大気中に放出せず、地中や海底下に貯留する
- 温室効果ガス排出削減に効果的な技術として注目される
- 発電所や工場などの大規模排出源に適用可能
本事業では、ENEOS製油所やJパワー火力発電所から排出されるCO2を分離回収し、船舶やパイプラインで輸送後、九州西部沖の海域帯水層に貯留する計画だ。約170万トン/年の貯留量を目指しており、日本の温室効果ガス排出削減目標達成に向けた重要な取り組みの一つとなっている。
西日本CCS事業計画に関する考察
本CCS事業計画の最大の利点は、既存の産業インフラを活用しつつ大規模なCO2削減を実現できる点にある。ENEOS製油所やJパワー火力発電所といった大規模排出源からのCO2を効率的に回収・貯留することで、エネルギー供給の安定性を維持しながら環境負荷を大幅に低減できるだろう。一方で、海底下貯留に伴う環境影響や長期的な安全性の確保が課題となる可能性がある。
これらの課題に対しては、徹底した環境アセスメントと長期モニタリング体制の構築が不可欠だ。また、CO2の分離回収技術のさらなる効率化や、輸送インフラの最適化によるコスト削減も重要な検討事項となるだろう。将来的には、回収したCO2を再利用する CCU(Carbon Capture and Utilization)技術との連携も視野に入れるべきかもしれない。
今後、本事業の成功は日本のCCS技術の実用化と普及に大きな影響を与えると予想される。エネルギー政策と環境政策の両立という観点から、政府の支援策や規制緩和なども含めた包括的なアプローチが求められるだろう。さらに、国際的な炭素取引市場との連携や、アジア太平洋地域でのCCS技術展開など、グローバルな視点での事業展開にも期待がかかる。
参考サイト
- ^ PR TIMES. 「【JX石油開発】令和6年度「先進的CCS事業の実施に係る設計作業等」の受託について | JX石油開発株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000126739.html, (参照 24-10-18).
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