【CVE-2024-30117】HCL BigFix Platformに制御されていない検索パスの要素の脆弱性、情報改ざんのリスクに注意

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

HCL BigFix Platformに脆弱性が発見
制御されていない検索パスの要素が問題
影響を受けるバージョンの更新が必要

HCL BigFix Platformの脆弱性CVE-2024-30117

HCL Technologies Limitedは、同社のHCL BigFix Platformに存在する制御されていない検索パスの要素に関する脆弱性を公開した。この脆弱性はCVE-2024-30117として識別されており、CWEによる脆弱性タイプは制御されていない検索パスの要素（CWE-427）に分類されている。NVDの評価によると、攻撃元区分はネットワークであり、攻撃条件の複雑さは低いとされている。^[1]

影響を受けるバージョンは、HCL BigFix Platform 9.5以上9.5.25未満、10.0.0以上10.0.12未満、11.0.0以上11.0.3未満である。この脆弱性の深刻度はCVSS v3基本値で5.3（警告）と評価されており、攻撃に必要な特権レベルは不要だが、利用者の関与も不要とされている。影響の想定範囲に変更はないものの、完全性への影響が低いと評価されている。

この脆弱性により、攻撃者は情報を改ざんする可能性がある。HCL Technologies Limitedは、この問題に対処するためのベンダアドバイザリまたはパッチ情報を公開している。影響を受ける可能性のあるユーザーは、HCLのサポートページを参照し、適切な対策を実施することが推奨される。この脆弱性の詳細情報はNational Vulnerability Database (NVD)でも公開されている。

HCL BigFix Platform脆弱性の詳細

項目	詳細
脆弱性ID	CVE-2024-30117
影響を受けるバージョン	9.5-9.5.24, 10.0.0-10.0.11, 11.0.0-11.0.2
CVSS v3基本値	5.3（警告）
攻撃元区分	ネットワーク
攻撃条件の複雑さ	低
CWEタイプ	制御されていない検索パスの要素（CWE-427）

制御されていない検索パスの要素について

制御されていない検索パスの要素とは、プログラムが外部から指定された検索パスを適切に検証せずに使用することで生じる脆弱性のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

攻撃者が悪意のあるファイルを検索パスに挿入可能
正規のファイルの代わりに不正なファイルが実行される危険性
権限昇格や任意のコード実行につながる可能性がある

HCL BigFix Platformの場合、この脆弱性により攻撃者が情報を改ざんする可能性がある。CVSSスコアが5.3と中程度の評価であることから、直接的な権限昇格やリモートコード実行には至らない可能性が高いが、システムの完全性に影響を与える可能性がある。ユーザーは提供されるパッチを適用し、システムを最新の状態に保つことが重要である。

HCL BigFix Platformの脆弱性に関する考察

HCL BigFix Platformの脆弱性CVE-2024-30117は、企業のITインフラ管理に広く使用されるツールの安全性に疑問を投げかける重要な問題だ。制御されていない検索パスの要素という脆弱性は、一見すると深刻度が低いように見えるが、攻撃者によって巧妙に悪用された場合、企業の重要な情報資産が危険にさらされる可能性がある。特に、攻撃条件の複雑さが低いという点は、潜在的な攻撃者にとって魅力的なターゲットとなり得るだろう。

今後、この脆弱性を悪用した攻撃が増加する可能性があり、特に更新が遅れている組織が標的となる恐れがある。解決策としては、HCLが提供するパッチを速やかに適用することが最も効果的だが、長期的には検索パスの処理に関するセキュリティ強化が必要になるだろう。また、ユーザー側でも定期的なセキュリティ監査や、最小権限の原則に基づいたシステム設定の見直しが重要になる。

今後、HCL BigFix Platformには、より強固な検索パス検証メカニズムの実装や、潜在的な脆弱性を自動検出する機能の追加が期待される。セキュリティコミュニティとの連携を強化し、脆弱性の早期発見と迅速な対応プロセスの確立も重要だ。この事例を教訓に、ITインフラ管理ツール全般におけるセキュリティ設計の見直しが進むことを期待したい。